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タイトル装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1057
投稿日: 2002/08/25(Sun) 13:07
投稿者かず
以前から、第2次世界大戦の戦記物やシミュレーションゲームの記事を
読んでいて、不思議に思っていたのですが、なぜ、ドイツだと装甲師団、アメリカ、イギリスは機甲師団、ソ連は戦車師団と表記(翻訳?)するのでしょうか。
いえ、別に不満があるのでないのですが、逆に、第2SS戦車師団とかいう表記がたまにあるとものすごい違和感があって、作者(翻訳者)は
わかってないなぁ、なんて思うときがあるのですが、要するにその師団の主力が戦車(装甲車両?)だということでは同じ意味なのではないか、とも思ってしまい、悩むときがあります。
原文なんかでは、やはり、表記が異なるのでしょうか。

タイトルRe: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1058
投稿日: 2002/08/25(Sun) 15:04
投稿者河合
>かずさん

 そのあたりは人それぞれでしょうね。
 私の場合、ドイツ軍とソ連軍は戦車、英米は装甲じゃないと違和感があります。
 原文直訳もだいたいそんな感じですし。

タイトルRe^2: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1060
投稿日: 2002/08/25(Sun) 16:58
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.com/
かずさん、河合さん、こんにちは。

私の場合、かずさんと同様に独は装甲、ソ連は戦車、英米は機甲(ただしTankは戦車)と呼んでいます。装甲(Panzer)と機甲(Armor)は意味がだいたい同じなので統一してもかまわないかなと思いますが、戦車(Tankovaya)は車体外郭の装甲だけでなく車輌全体を表した言葉(ドイツ語のPz.Kpfw?)なので、心情的には違う言葉をあてたいなどと考える私は、やっぱり「マニア」?

タイトルRe: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1061
投稿日: 2002/08/25(Sun) 19:19
投稿者今日も6ゾロ
初期に訳した人の訳語が定着した事によるのでしょう。
訳語は原文直訳かどうかよりも、耳になれて言葉として定着するかどうかですから。(「野球」とかね。塁球がほんとなんでしょうけど。)
Panzerはドイツ語では装甲ではなく「戦車」なので「第2SS戦車師団」が正しいのでしょうが、もはや後戻りはできない…。だれも「装甲擲弾兵」をいまさら「戦車擲弾兵」をは呼びたくない…。ので、わざわざ分けて書いているのではないかと推察します。

タイトルRe^2: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1062
投稿日: 2002/08/25(Sun) 22:10
投稿者YEN
参照先http://www15.big.or.jp/~yen/tss/
 皆さん、こんにちは。

> Panzerはドイツ語では装甲ではなく「戦車」なので

 元々、装甲の意味が転化して戦車となったので、どちらも正しい気がしますが。
 どちらでも良いとは思うのですが、日本では、装甲、機甲、戦車師団がそれぞれ使い分けられている状態になっており、ややこしいかもしれませんね。
 大日本絵画では、原則的に「戦車」で統一している様ですが、「装甲擲弾兵」については「戦車擲弾兵」とは呼んでいないので、不統一な感じもします。
 まぁ、言葉の問題にしか過ぎないので、現状でも良いのではないですかねぇ。

 では

タイトルRe^3: 脱線話
記事No1063
投稿日: 2002/08/25(Sun) 22:57
投稿者AMI
皆さん、こんばんわ

>  まぁ、言葉の問題にしか過ぎないので、現状でも良いのではないですかねぇ。

 戦車師団や機甲師団は複数の国で共用されているのに対し
 ドイツ軍だけ「装甲」師団と呼ぶのは特別な感じがして
 あたしは好きですな。
 自分の中では
 装甲>機甲>戦車
 という感じのグレードなので
 ドイツ軍の部隊を戦車〜と呼称してあるとどうも弱よわな感じがしてしまいます。

タイトルRe^4: 脱線話
記事No1094
投稿日: 2002/09/09(Mon) 18:42
投稿者ヨチロー
皆さん、こんばんわ

むしかえすようですが、やはり独語のpanzerは「戦車」でしょう。

これが「装甲」だと、「対戦車砲(pak)」は皆「対装甲砲」に
改称しなくてはいけません。そんなの嫌です(笑)。

世代的にはサンケイ第2次対戦ブックス世代なので、「機甲師団」
なんですけど。

タイトルRe^5: 脱線話
記事No1096
投稿日: 2002/09/09(Mon) 20:38
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 ヨチローさん、ご無沙汰しております。

> むしかえすようですが、やはり独語のpanzerは「戦車」でしょう。
>
> これが「装甲」だと、「対戦車砲(pak)」は皆「対装甲砲」に
> 改称しなくてはいけません。そんなの嫌です(笑)。

 pakで装甲車を撃つことも有るでしょうし、対装甲砲でもいいと思います(笑)。

> 世代的にはサンケイ第2次対戦ブックス世代なので、「機甲師団」
> なんですけど。

 私は独装甲師団、連合軍機甲師団、ソ連戦車軍団派(笑)。

以上です。

タイトルRe: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1065
投稿日: 2002/08/26(Mon) 00:05
投稿者TraJan
 かずさん こんにちは。

 現在は、米英のARMORを機甲、独のPANZERを装甲、ソ連のTANKを戦車と訳すのが主流のようですが、第二次世界大戦ブックの若番などの古い訳本だとPANZERを機甲、ARMORを装甲と訳しているものが多く、私はこれで慣れてきたので、逆の違和感を感じていた時期もありました。
 そもそもPANZERとARMORは鎧や装甲を意味するので、直訳するなら「装甲」が妥当ではないでしょうか。(ポケット戦艦の正式名称であるPANZERも装甲艦と訳されますし。)またTANKは元来、水槽という意味なので、直訳はできませんね(笑)。
 それ以外の国だとフランスは直訳しても戦車師団となる名称だったと思います。(詳しい方お願いします。)
 西側諸国では、名称だけは騎兵でも実態は戦車部隊というものもありこれを何と訳すのか、訳者の苦悩の種になっているのでしょう。

 そう言えば、1年くらい前のPANZER(雑誌)でバルバロッサの記事が載っていて(今手元にないので記憶に頼っていますが)、その中でたぶん普通は「航空艦隊」と訳されるものを「飛翔軍」と訳してあって、少し驚いたことがありました。

タイトルPanzerDivisionの訳語
記事No1066
投稿日: 2002/08/26(Mon) 03:37
投稿者Giftzwerg
みなさん こんばんは

ドイツ軍のPanzerDivisionの訳語ですが、
装甲師団、機甲師団、戦車師団全部あります。 
翻訳者によってまちまちと言ってしまってよいでしょう。
今、手元にある本の中から例を挙げてみましょう。

英語から訳された本の場合はだいたいが機甲、または
戦車のどちらかになっています。
機甲師団(軍団、軍)になっているものの例として
 ・史上最大の作戦(コーネリアス・ライアン)
 ・ヒトラー最後の戦闘(コーネリアス・ライアン)
 ・電撃戦(レイ・デントン)
 ・ヒットラーと国防軍(リデル・ハート)
戦車師団(軍団、軍)になっているものの例として
 ・バルジ大作戦(ジョン・トーランド)
 ・狐の足跡(デイヴィット・アーヴィング)
等があります。

また、Trajanさんが既に指摘されているようにサンケイ・
バランタインの第二次世界大戦ブックスは初期の頃は
機甲師団(軍団、軍)になっていますが、再版時に
装甲師団(軍団、軍)に変更されています。

英語の翻訳者は機甲または戦車、旧軍出身で戦後米軍に
協力していた人(加登川幸太郎氏や宇都宮(参謀副長)
直賢氏など)は機甲を使うようです。

一方、ドイツ語翻訳者(本郷健氏や松谷健二氏等)は、
装甲師団(軍団、軍)を使っています。
例えば、
 ・一連のパウル・カレルもの
 ・電撃戦(グデーリアン)
 ・失われた勝利(マンシュタイン)
 ・擲弾兵(クルト・マイヤー)
 ・第二次大戦叢書
などです。
朝日ソノラマ文庫の
 ドイツ戦車軍団(メレンティン)
 ノルマンディのロンメル(ルーゲ) 
等も「装甲」になっています。
前記のように、サンケイ・バランタインの第二次世界大戦
ブックスが「装甲」に修正されたり、ウォーゲーム関係も
「装甲」が主流だったため、70年代後半から80年代は
「装甲」で統一された感がありました。

その後、富岡吉勝氏や高橋慶史氏など、主に大日本絵画社
で活動されている新世代の戦史研究家の方々は戦車師団
(軍団、軍)を使用しています。
例えば、
 ヒットラー・ユーゲント(フーベアト・マイヤー)
 ラスト・オブ・カンプグルッペ
等です。

また、同じ本の中でもPanzerの訳語が異なることもよく
あります。
前記の旧軍出身の翻訳者の方の場合、師団、軍団、軍
など、戦車だけでなく機械化歩兵や砲兵なども統合した
編成の場合は「装甲」/「機甲」を用い、旅団、連隊、
それ以下の単独兵科で編成された部隊の場合は「戦車」
を使用しています。 このパターンはあちこちに踏襲さ
れています。

大日本絵画社系の戦史研究家の方々の場合、Panzerは
ドイツ語では「戦車」の意味があるので戦車師団
(軍団、軍)という訳語を用いていますが、Panzer
Grenadierには「機甲擲弾兵」という訳語を用いています。

極めつけは、補給戦(クレヴェルト)です。
この本の日本語訳には戦車、機甲、装甲(師団、軍団、
軍)の訳語が混在しています。
この本の翻訳者の佐藤佐三郎氏は本来経済が専門の方
で、訳文自体は特に読みにくいわけではありません。
上記のように軍事、戦史の専門家の間でも統一がとれ
ていないので翻訳者を責めるのは酷な気がします。

----------
以上のような状態なので、私はWW2ドイツ軍の戦記
ものを読むときには、「戦車」、「機甲」、「装甲」
のどれが出てきても、(日系ドイツ人として(笑))
脳内ですべてPanzerに逆変換して読んでいます。
一応、どの訳語にもそれなりの理由がありますし、
もう慣れました(泣笑)

タイトルRe^2: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1071
投稿日: 2002/08/27(Tue) 01:03
投稿者人間魚雷回天@EEG
TraJanさん こんにちは。

>その中でたぶん普通は「航空艦隊」と訳されるものを「飛翔軍」と訳してあって、少し驚いたことがありました。

これはまた、素晴らしく文学的な訳ですね。
この辺の「航空」「翼」などを意味する言葉からニックネームを採ったのが、今は亡き横浜「フリューゲルス」なのだそうです。

タイトルRe: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1069
投稿日: 2002/08/26(Mon) 23:46
投稿者ハナザー
 かずさん、こんにちは。

> なぜ、ドイツだと装甲師団、アメリカ、イギリスは機甲師団、ソ連は戦車師団と表記(翻訳?)するのでしょうか。

 既に多くの人がコメントしておられますが、私としては翻訳上の問題よりも原文時点における「部隊の概念(コンセプト)」の問題だと思っています。

 ドイツの「Panzer Division」英語の「Armo(u)r Division」は、ともに「戦車を中心と《しつつも》諸兵科を連合した部隊である」というコンセプトであり、それを生かすとなると「(諸兵科が)装甲 or 機甲(化された)」師団(あるいは軍団、軍)という事になろうかと思います。

 対してドイツでも単一兵科で構成される連隊は「戦車連隊」の方が素直だと思いますし、英国にあった歩兵支援用の「Tank Brigade」などは「戦車旅団」ソ連(ロシア)の「戦車軍団」なども極端に戦車中心化された編成運用であり、それぞれ「戦車」の語がふさわしいかと存じます。

タイトル海軍も
記事No1074
投稿日: 2002/08/28(Wed) 00:09
投稿者TraJan
 訳語の違いといえば、ドイツ海軍のHOCH SEE FLOTTE(英語にするとHIGH SEA FLEET)の訳も昔は「高海艦隊」だったのが、最近は「大海艦隊」と訳すことが多いようですね。

タイトルHOCH SEE FLOTTE
記事No1085
投稿日: 2002/09/04(Wed) 16:32
投稿者ヨチロー
TraJamさん、おひさしぶりです。

>  訳語の違いといえば、ドイツ海軍のHOCH SEE FLOTTE(英語にするとHIGH SEA FLEET)の訳も昔は「高海艦隊」だったのが、最近は「大海艦隊」と訳すことが多いようですね。

「高い海」なんていわれても、何のことだかピンときませんよね。
ところで「Hochsee」(ひとつの単語なのか二つなのかよくわかりませんが)を辞書で引くと「公海、外洋」と出ています。
もともとは単に、沿岸艦隊に対して外洋艦隊というほどの意味だったのでしょうか?

タイトルRe: HOCH SEE FLOTTE
記事No1086
投稿日: 2002/09/04(Wed) 19:25
投稿者Giftzwerg
ヨチローさん、こんばんは。

> ところで「Hochsee」(ひとつの単語なのか二つなのかよくわかりませんが)を辞書で引くと
>「公海、外洋」と出ています。

ヨチローさんの書き込みを拝見して、ドイツ海軍の成り立ちを考えると「外洋艦隊」が
妥当かと思って調べてみたのですが、どの資料にも記述はありませんでした。
で、苦し紛れに独和辞書を引いてみたら、「Hochseeflotte」でそのまま出ていました(笑)。
訳語は「遠洋船(艦)隊」となっています。
やはり、原語の意味には「外洋艦隊」/「遠洋艦隊」/「航洋艦隊」等の訳語が近いようです。
ちなみに類似語に、「Hochseefischrei」=「遠洋漁業」や「HochseeKable」=「深海ケーブル」
があります。

後は、「Hochseeflotte」という呼称が用いられるようになった時期が、ドイツが外洋艦隊
の建造を始めた時期と重なっていれば間違いないかと思います。


>(ひとつの単語なのか二つなのかよくわかりませんが)

ドイツ語の複合名詞(合成語)ですね。 複数の名詞(単語)がそのままくっついて
派生した意味を持ち、単語としては1つとして扱われます。   

調べていて、なんだか学生時代に教授に「ちゃんと辞書を引かなきゃダメだろう」と
叱られているような気分になりました(笑)。  
今回はヨチローさんに教えられました。

タイトルRe^2: HOCH SEE FLOTTE
記事No1093
投稿日: 2002/09/09(Mon) 18:26
投稿者ヨチロー
Gifzwergさん、お久しぶりです。

> ちなみに類似語に、「Hochseefischrei」=「遠洋漁業」や「HochseeKable」=「深海ケーブル」
> があります。

「深海」もHochseeですか。浅い所を言うような気がします(笑)。

いずれにせよ「高い」という意味が無いのであれば、「高海艦隊」は
やっぱりヘンな訳語で、「大海艦隊」のほうがズッといいですね!

> 後は、「Hochseeflotte」という呼称が用いられるようになった時期が、ドイツが外洋艦隊
> の建造を始めた時期と重なっていれば間違いないかと思います。
>
>
> >(ひとつの単語なのか二つなのかよくわかりませんが)
>
> ドイツ語の複合名詞(合成語)ですね。 複数の名詞(単語)がそのままくっついて
> 派生した意味を持ち、単語としては1つとして扱われます。   
>
> 調べていて、なんだか学生時代に教授に「ちゃんと辞書を引かなきゃダメだろう」と
> 叱られているような気分になりました(笑)。  
> 今回はヨチローさんに教えられました。

タイトルRe^3: HOCH SEE FLOTTE
記事No1969
投稿日: 2004/06/09(Wed) 20:29
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
私も辞書を引いてみました。

hoch で「高い」seeが「海」Flotteが「艦隊」
完全逐語訳をすると「高い海の艦隊=高海艦隊」であるようです。
Tank Divisionを「水槽師団」と訳すぐらいの
完全逐語訳に感じますが、もしかして昔は
公海のことを高海と訳す場合があったんでしょうか?

#そういえば、昔「Panzer」を「装甲」と訳すのは
#「Tank」を「水槽」と訳すような物だと言ってたひともありましたっけ。


タイトル方面軍と正面軍
記事No1965
投稿日: 2004/06/07(Mon) 23:44
投稿者TraJan
 新規の発言にしようかとも思いましたが、このスレッドが残っていましたので、こちらのレスとしました。

 軍集団に相当する部隊単位のソビエト軍の「FRONT」ですが、従来は「方面軍」が一般的で、オーソライズされている感じでした(一部では「戦線」との訳語もありましたが)。ところが、最近は「正面軍」との訳語を目にすることが多くあります。
 機甲・装甲とは異なり、当初から訳語の混乱があった訳でもないのに、今更訳語を変えるのには少々疑問も感じます。こちらの掲示板には訳者の方もいますので、できればそのあたりの事情を教えていただけないでしょうか。責任者でてこ〜い(笑)。

タイトルたしかに・・・・・。(^^;
記事No1967
投稿日: 2004/06/08(Tue) 21:33
投稿者ぬま
TraJanさん、こんばんわです。(^^;
>
>  軍集団に相当する部隊単位のソビエト軍の「FRONT」ですが、従来は「方面軍」が一般的で、オーソライズされている感じでした(一部では「戦線」との訳語もありましたが)。ところが、最近は「正面軍」との訳語を目にすることが多くあります。
>  機甲・装甲とは異なり、当初から訳語の混乱があった訳でもないのに、今更訳語を変えるのには少々疑問も感じます。こちらの掲示板には訳者の方もいますので、できればそのあたりの事情を教えていただけないでしょうか。責任者でてこ〜い(笑)。

確か、GMT・BtBでも"方面軍”ではなく"正面軍”と訳されていて、違和感を覚えていました。
VG・The Korean Warでは、平地と荒地の間の地形がBrokenと記載されていました。やっぱり"廃墟”や"破壊地”とは訳さず“丘陵”と訳しました。やっぱり“破壊地”には抵抗がありますね。

タイトルRe: 方面軍と正面軍
記事No1971
投稿日: 2004/06/10(Thu) 15:25
投稿者山崎 雅弘
TraJanさん、こんにちは。

>  軍集団に相当する部隊単位のソビエト軍の「FRONT」ですが、従来は「方面軍」が一般的で、オーソライズされている感じでした(一部では「戦線」との訳語もありましたが)。ところが、最近は「正面軍」との訳語を目にすることが多くあります。
>  機甲・装甲とは異なり、当初から訳語の混乱があった訳でもないのに、今更訳語を変えるのには少々疑問も感じます。

 私もかつて、正面軍という訳語を使っていたことがありますが、今は方面軍で統一しています。「正面軍」という言葉を使った最大の理由は、単に「少しぎこちない用語の方がソ連っぽいから」。なにせ当時の正式な国名からして「評議会社会主義共和国連邦」、それが解体してできた国家連合の名称が「独立国家共同体」ですから。でも方面軍の方が用語としては一般的なので、そういう変なこだわりはもう捨ててしまいました。
 最近になって正面軍という訳語が増えた、というご意見は、例えば「詳解独ソ戦全史」などを指しておられるのだと思いますが、この本の訳者の守屋氏はドイツ史がご専門で、ソ連側の用語については今までの慣例とは異なるものをあちこちで使われています(スタフカVGK=「最高司令部委員会」など)。また、私もあまり偉そうなことを言える立場ではありませんが、ソ連側の固有名詞についてはあまりご存知ないところがあるようで(例えばP120に「スパスからデミヤンスクに集結した」とありますが、これはスモレンスク南東にある小さな町「スパス・デメンスク」のことです)、その辺りも考慮する必要があるかと思います。
 あと「戦線」とは、言うまでもなく「Front」の直訳ですが、一般的には「戦線」というのは漠然とした戦域を指す用語として用いられるので、固有の編成の名称としてはなじまなかったようです。
 以上、私のわかる範囲で書かせていただきました。

 ところで、「ソヴィエツキー・ソユーズ」の「ソユーズ」は「連邦」とちゃんと訳されているのに「ソヴィエト」の方はたいていそのまま訳さずに通用しているのは、考えてみると不思議です。国名として、その方が「座りがいい」からなんでしょうか。

タイトルRe^2: 方面軍と正面軍
記事No1974
投稿日: 2004/06/12(Sat) 18:26
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
ちょっと辞書を引いてみました。

>  ところで、「ソヴィエツキー・ソユーズ」の「ソユーズ」は「連邦」とちゃんと訳されているのに「ソヴィエト」の方はたいていそのまま訳さずに通用しているのは、考えてみると不思議です。国名として、その方が「座りがいい」からなんでしょうか。

広辞苑第二版補訂版(ずいぶん古い…)によると
評議は「種種意見を交換して相談すること」
評議会は「評議するための合議制の機関」だそうです。

ソヴィエトはそういう意味での評議会というより、
むしろ議決機関としての役割が強いから
「評議会」とは訳しがたかったんでしょうね。

適切な訳語が見つからなかったというのが本当のところでしょう。
「民会」「人民議会」・・・私もろくなものを思いつきません。

タイトル普通名詞起源の固有名詞
記事No1980
投稿日: 2004/06/14(Mon) 21:14
投稿者TraJan
 山崎さん こんにちは。

 「ソビエト」は普通名詞ではなく固有名詞として扱われているという事なんでしょう。
 考えてみると語源は普通名詞だったものが固有名詞になったもの歴史上いろいろありますね。すぐ思いつくものだけでも、イスラム、サクセサーズ、ノルマン・・・わが国でも正倉院、特攻などあります。
 それからわが国特有かもしれませんが、官位で歴史上の人物を指すことがあります。介、太閤、右府、黄門(=中納言)などがそうでしょうか。その官位に就いた人は他にもいるのに何か不公平な感じです。

タイトルRe: 装甲師団と戦車師団と機甲師団
記事No1968
投稿日: 2004/06/09(Wed) 02:39
投稿者山田利道
WW2のアメリカ軍は、大隊以下の部隊は「Tank」、連隊と師団は「Armord」であったと思います(大半のゲームでは、そうなっていると思います)。
おそらく、連隊や師団では戦車以外の兵科の割合が多くなるので、「戦車」の呼称を用いないのではないかと思われます。

また、イギリス軍(お忘れなきように。Tankという呼称の発祥国です!)は、中隊(CompanyではなくSquadronですが)と連隊は、ほぼ「Tank」で統一されています。ただし「Lancer」だとか「Husser」だとか、けったいな名称の部隊もあります(笑)。
問題なのは旅団で、「Armord」であったり「Tank」であったりします。
どうやら、歩兵戦車で編成されているのが「Tank Brigade」で、巡航戦車(グラントやシャーマンを含む)で編成されているのが「Armord Brigade」となっているようです。
歩兵戦車の旅団が歩兵師団と共同で戦うことを前提としているのに対し、伝統ある軽騎兵の末裔を自負し独立任務を前提とする巡航戦車の旅団には自動車化歩兵大隊(龍騎兵のつもりか?)が編成に含まれる場合があり、必ずしも「戦車」旅団ではない、というのが理由ではないかと思います(確証はありませんが)。
なお、師団は「Armord Davision」であったと思います。

そしてドイツ軍は、小隊から軍に至るまで「Panzer」ですね。すでに指摘がありましたが、意味的にも英米の「Tank」と「Armord」を併せたようなものを持っています。
訳としては「戦車・・・」でも「機甲・・・」でも正しいということになりますが、「両方含む概念」ということで、敢えて別の訳語「装甲・・・」を使ったのは、良い訳と言えるのではないでしょうか?

そもそもTankという語はイギリスで作られたわけですが、旧ソ連ではこれをロシア語化して流用した、ということなのだろうか?