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タイトル欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1936
投稿日: 2004/05/29(Sat) 22:42
投稿者山家
 別スレッドで議論していくうちに、話題がずれることと、余りにも長くなっていることから、新規に立てました。

 英国海軍を除き、1930年代に仏独伊ソ等の欧州諸国の海軍に空母は本当に必要だったのでしょうか。何を当たり前のことをとおっしゃられるかもしれません。しかし、本当に必要だ、という理由を私には、すぐに思いつけません。

 それに仏独伊ソ等では、空軍を保有しており、その関係からも海軍の空母保有には困難があります。海軍独自の航空隊の保有を認めるのか、という問題が生じるからです。

 皆様は、どのように考えられますか。

タイトルRe: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1939
投稿日: 2004/05/30(Sun) 00:45
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

 空母が必要かと問われれば、後知恵から考えれば、ないよりもあった方が良いに決まっています。
 その理由は山家さんも「当たり前」と言っている通りです。

 じゃあ、逆にどうして独伊仏は空母を保有しなかったのかを考えると、結局は沿岸海軍に過ぎないからということになります。陸上機が支援できる範囲を外れることは想定していないということでしょう。
 ドイツの場合には、想定する戦闘海域が北海やバルト海と言った気象条件の悪い海域なので航空機の活動が非常に制限されるためもあると思います。

 面白いのは、欧州戦域の洋上航空兵力はどこも貧弱なものなのに、艦艇の対空装備がやたら充実していることです。条約明けの新造艦の対空砲の数を比較すると、日米の艦艇よりも欧州海軍の艦艇の方が対空火力は強力なのです。
#開戦後の増強ペースは比較にならないのですぐに逆転されますけどね。
 だから役立たず艦は防空艦にしてしまえというのは賛成できません。太平洋戦域みたいに凶悪な経空脅威があるわけでなし、防空艦にしても対空火力がさほど増えるわけでもないし。

以上です。

タイトルRe: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1940
投稿日: 2004/05/30(Sun) 17:56
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
>  英国海軍を除き、1930年代に仏独伊ソ等の欧州諸国の海軍に空母は本当に必要だったのでしょうか。何を当たり前のことをとおっしゃられるかもしれません。しかし、本当に必要だ、という理由を私には、すぐに思いつけません。

少なくとも、マタパン沖海戦当時のイアチーノ提督や
ビスマルク出撃時のリュッチエンス提督は空母があればと思ったでしょう。
本当に必要だという理由として、私にはそれで十分に見えます。

#フランス海軍に必要かどうかは謎です。
#空母以前にBf−109に勝てる戦闘機が必要だったでしょう。
#ソ連海軍にはあった方が良かったのは確かでしょう。
#黒海艦隊など水上艦はドイツ側を圧倒するほど優勢だったのに
#ドイツ空軍のために黒海の制海権を奪われ通しだったものです。

砲撃で空母が沈んだ事例が欧州海戦には確かにあります。
ただ、あのときには艦載機はなく、陸上機の輸送中に
攻撃を受けたのだというのが有力な説であるようです。
それでは「航空機輸送船」が沈められたのと変わりません。

ただ、まずは「空母無しでうまくやった戦い」を先に取り上げましょう。
チャンネルダッシュは空母なしで昼間に英仏海峡を通過してみせました。
このときにはドイツ空軍による戦闘機の傘のおかげで
イギリス沿岸航空隊もイギリス海軍航空隊もイギリス爆撃機軍団も
有効な攻撃をドイツ艦隊に加えることは出来ませんでした。

例によって初心者の味方早川NF文庫の一冊「高速戦艦脱出せよ」から
引っ張ってきますと、このときの上空直援機は常時16機、
交代時(全体の1/3)は32機であったようです。
そして、これだけの戦闘機で奇襲的な突破作戦には十分でした。
なるほど戦闘機の航続圏内にいれば空母は要らないようにもみえます。
が、それだけの支援機を用意するのに、ガーラントは
250機の戦闘機を動員したとも書いてあります。
おまけにこの上空支援のために予め演習も行ってあるのです。
つまり、常時16機の上空直援のために250機を待機させ
かつ、必要な予行演習を行っていなければ
切れ目のない護衛は出来ない、ということです。

では、代わりに空母で上空支援を行うとしたらどうか?
英仏海峡で艦載機を発艦させることが出来るのかという問題はありますが、
その問題がクリア出来れば搭載機60機強の中型空母一隻で同等の上空支援が得られます。

#搭載機の半分が戦闘機だとして計算してます。

どちらが効率が良いかはあきらかです。
艦隊の上空直援の訓練ならいつ、どこで、どんな海域で行うとしても
同じ訓練で済みますが、陸上機による切れ目のない支援であれば
実施する海域毎、それもおそらくは作戦毎に訓練をしなければ
十分な支援を受けることは不可能なのです。

つまり、この場合でも空母があった方が有利なのは確かです。
まして陸上機の航続圏外まで出る場合には空母がなければ
敵航空隊相手に何も出来ないのです。

#史実の結果を見る限りそういいきってかまわないでしょう。

さて、ここで空母保有の難点2つを考察してみましょう。

1)海軍航空隊を作れるか?

ドイツ海軍では、偵察用の艦載機ですら空軍所属でした。
が、ちゃんと艦載機は搭載していましたし、
艦長の命令で艦載機を運用することも出来ました。

「空軍所属:○○航空隊|基地:空母XX」と編成できれば
なにも海軍航空隊である必要はないのです。

2)不沈空母である陸上基地があるのに空母がいるのか?

陸上基地の航空隊は何も艦隊護衛ばかりが仕事ではありません。
一部を空母に差し出せば陸上基地が
自分の航空作戦に専念出来るということと、
全航空隊が、いつ海軍の作戦にかり出されるかわからない状況で
作戦を立てることと、どちらが空軍にとって都合がよいか、と考えれば、
空母部隊を海軍に適当に運用してもらうほうがむしろましです。
逆に海軍にしてみれば、来るかどうかわからない陸上機より
絶対にそこにいる空母の方が明らかに望ましいのです。

現にマタパン沖海戦の教訓からイタリア海軍は空母を保有する気になったものです。
マタパン沖海戦当時に空母があれば多分その方が良かったでしょう。

タイトルRe^2: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1941
投稿日: 2004/05/31(Mon) 23:12
投稿者山家
 こちらで、まとめてのレスを失礼します。

 空母は無いより有った方がいい、というのは、私も否定しません。確かに戦史上、空母があれば、という場面は、マレー沖の英艦隊等、枚挙に暇がありません。しかし、その保有目的と費用対効果の点で、欧州諸国の海軍に本当に空母は必要不可欠なのか、と思われてならないのです。

 空母が無ければ、戦闘の際にそもそも航空支援が期待できないという状況を想定して、空母を保有する軍備を第一に整備しなければならないのは、太平洋上で戦うことを想定した日米両海軍や世界各地の植民地(とそれをつなぐ海上交通路)保護のために戦う必要のある英海軍位で、それ以外の欧州諸国の海軍が、その必要があるとは思えないのです。独海軍はバルト海や北海の制海権確保、仏伊の海軍は地中海の制海権確保を第一に考えて整備されています。共に陸上の航空基地からの航空支援を、ある程度は当てにできます。

 それにやや戦術的な話になりますが、対艦攻撃を第一目的にして整備された航空隊を持っているのは、米英日の三国(それも海軍航空隊)のみで、それ以外の諸国の空軍は、対艦攻撃を第一目的にして整備されていません(例えば、陸上攻撃機という機種を保有しているのは、日本海軍のみ)。このような状況で、航空機による対艦攻撃については、陸上からの航空基地からの航空支援と対空射撃で対応できると考えるのは、当時の欧州諸国の海軍整備について、誤った考えでしょうか。マレー沖海戦まで、日米英の海軍軍人の多数派でさえ、航空攻撃のみで航行中の戦艦が沈むことはありえない、と考えていたのです。

 それに、空母を戦力化するためには、空母を建造するだけでは済みません。艦載機を開発、製造したり、空母から発着艦できる技能を持った搭乗員を育てたり、といろいろと費用が掛かるのです。陸上機を転用して、艦載機にすればいい、とおっしゃられるかもしれませんが、航空機史上、陸上機から名艦載機になった例が幾つあるでしょうか。そう多くは無かったと思います。空軍機を、空母に搭載するのも、いろいろと問題があります。例えば、空母の艦長の命令と、空軍司令部の命令が矛盾した場合、どちらが優先されるのでしょうか。

 更に、空母の問題点として、飛行甲板の中央に1発の爆弾が命中した等で、艦載機の発着艦が不可能になれば、その海戦においての航空支援を失うことがあります。ビスマルク出撃時に、独空母が完成して随伴していた(勿論、戦力化済みで)場合でも、英海軍はまず空母を叩いて、航空支援を封じ、それから、ビスマルクを攻撃すれば良いだけで、史実より多少損害は増大するでしょうが、最終的にビスマルクが沈むことは変わりないと思われます。飛行甲板に装甲を張る等、ある程度の対策は講じられますが、地上基地からの航空支援と比較すると、その抗堪性が劣る(例えば、ミッドウェー海戦において、ミッドウェー基地に対して空襲が加えられましたが、基地の航空機運用能力に重大な損害を与えていません。これが、空母でしたら、沈没しているでしょう。)のは否定できません。

 それらを考えると、本当に欧州諸国の海軍に空母は必要なのか、と思われてならないのです。

タイトルRe^3: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1944
投稿日: 2004/06/02(Wed) 00:14
投稿者風間祐一
 山家さん、こんばんわ。

 なんだか、「空母不要」をテーマに後方の軍官僚が作文したみたいです(笑)。
 なにかを要らないと思って、その理由を探せばいくらでも出てくるものです。

 山家さんの論旨をまとめると次の5点になると思います。

1.陸上機での代替
2.航空攻撃の力不足
3.空母入手の困難
4.空母運用の困難
5.空母の脆弱さ

 まず3は不要の理由になりません。絶対的に国力が不足していて無い袖が振れないというのでない限り、入手の困難は克服可能です。
 初期導入時の困難さを理由に必要不要を判断すれば、戦艦や潜水艦だって初期導入時には大変な困難があるのですから、どんなものだって不要ということになってしまいます。
 ここで、費用対効果についても触れますと、山家さんは多分、費用対効果に関しては、第2次大戦にグラーフツェッペリンやベアルン、アキーラと言った計画されていた空母がもし参加したとして建造費に見合った活躍をしたかどうかで考えていると思います。しかしそういう考え方は意味がありません。最初の1隻だけで優れた費用対効果を発揮する新兵器なんてありません。数を揃え、運用を工夫することによって費用対効果は上げていくものなのです。日本海軍を例にとれば、鳳翔1隻で費用対効果を論じて空母の必要不要の判断材料にされますか?

 4の運用の困難というのは、主に海軍と空軍の指揮権についてなのですが、これにいたっては所詮決め事に過ぎません。端的に言い切ってしまえば、決断一つの問題です。

 2の航空攻撃の力不足は明らかに間違いです。確かに沈没艦は少ないですが、両軍とも航空攻撃で多数の損傷艦を出しています。

 5の空母の脆弱さは山家さんがおっしゃるとおりですが、空母が不可欠だった太平洋での戦いにおいても、それは変わらないのですから、だから不要と言い切るには弱いと思います。

 ということで、空母の要不要を決めるのは、1の陸上機で空母の代わりが務まるかが最大、というか唯一の、要件と言えます。
 実戦の結果を見ると各国ともこれに失敗したと言い切ってよいと思います。一部での成功例はありますが、全体的に見ればイギリス空母の活躍に比べて陸上機の艦隊支援は成功したとは言えません。

 このように検討してみると、空母が不要な理由は存在しないのです。
 実のところそんなことは当たり前で、洋上航空兵力が役に立つ以上、空母は必要に決まっているのです。

>  空母は無いより有った方がいい、というのは、私も否定しません。

これが全てなのです。

 というのは、前線で戦う提督の視点です。
 後方の官僚や政治家の視点では、主に予算の制約から優先順位をつけなくてはならず、その際に山家さんが挙げるような理由で後回しにされるのです。しかし、それは不要というのとはまた違う気がします。

以上です。

タイトルRe^4: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1947
投稿日: 2004/06/03(Thu) 23:04
投稿者山家
 こちらでのまとめてのレスを失礼します。

 前線で戦うのに、空母があったほうがいい、というのは事実です。しかし、費用対効果の点で、空母の整備の方が空軍力を拡充させるより効果的なのか、きちんと考えるべきだ、と思うのです。話をずらし、ゴミ話しをしますが、超甲巡について、あるのとないのとだったら、ある方がいい、のは間違いありません。しかし、超甲巡を造るのだったら、他の軍艦を造った方がいいのです。そうした視点で考えてみたら、どうなのだろう、と思うのです。

 空軍機を空母に積む、ということから考えてみます。先日、伊海軍がVSTOL空母を導入しましたが、その際、1923年制定の空軍法を改正することが議論になり、雑誌記事になっていた覚えがあります。空軍法では、水上機しか固定翼機を保有できないことになっており、空母を導入し、固定翼機を運用することは、空軍法に抵触したそうです。WWU以前、伊海軍は空母の建造を検討しましたが、空軍法の存在が壁になった、とも記事の中で触れていました。

 それから、空軍機を空母に積むのは多種多様な問題を引き起こします。まず、空軍は空母で運用する軍用機を本当に優先して開発・整備してくれるでしょうか。また、空母で運用するために、搭乗員や整備士を転属させる必要がありますが、優秀な人材を空軍は海軍に派遣するでしょうか。そうした問題点を考えると、海軍独自の航空隊を海軍が保有して空母に配備した方が、空軍機を空母に配備するよりも、ベターではないでしょうか。

 次に、風間さまがうまく要約して下さったので、それに従って考えて行きます。

> 1.陸上機での代替
> 2.航空攻撃の力不足
> 3.空母入手の困難
> 4.空母運用の困難
> 5.空母の脆弱さ

 まず、3,4をまとめて考えますが、ワシントン条約体制の中では、仏伊が認められていた空母のトン数は、英米日よりはるかに劣っており、独に至っては空母の保有すら認められていませんでした。そうした前提で考えるならば、仏伊にしてみれば、1隻試験的に建造・運用するのなら、ともかく、制限された空母(とその艦載機)を優先して整備する必然性があるでしょうか。それくらいなら、制限の無い空軍をより充実させることで、制空権の確保を図る方が、より費用対効果の面でより効果的だ、と考えたのですが、いかがでしょうか。条約により、そもそも空母の数の揃えようが無いのです。

 次に1,2を考えますが、航空攻撃の威力についてですが、後から言えば、確かに大きなものがありました。しかし、1930年代にそこまで大きな威力があると考えられていたのか、と思うのです。先に書きましたが、当時、陸上機で、対艦攻撃を第一に考慮して開発・整備されたのは、日本海軍の陸上攻撃機くらいです。その当時、航空機の対艦攻撃が効果的と認識されていたのなら、もう少し、対艦攻撃を優先して開発・整備された陸上機があった、と考えるのですが。1についても、チャンネル・ダッシュのように陸上機の航空支援が効果的だった事例もあります。史実でも、全く役に立たなかったわけではありません。私としては、当時、航空攻撃の威力を欧州諸国の海軍は重大視していなかったし、当時の認識からすると、それは誤っていたとはいえないと思うのです。

 5については、同じことの繰り返しになるので、手短にしますが、空母の戦力整備よりも、陸上基地の航空機整備の方が戦闘の際の抗戦継続によいと思うということです。

 確かに、不要というのは言いすぎですが、空母の整備を1930年代の欧州諸国の海軍が後回しにしたのは、決して誤った考えとはいえないと思います。

タイトルRe^5: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1952
投稿日: 2004/06/05(Sat) 12:44
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

> 費用対効果の点で、空母の整備の方が空軍力を拡充させるより効果的なのか、きちんと考えるべきだ、と思うのです。

 海軍と空軍、どちらが費用対効果が高いかということですか?
 全然話題が違ってきていませんか?

 私が空軍、海軍の縄張り争いについて
> これにいたっては所詮決め事に過ぎません。端的に言い切ってしまえば、決断一つの問題です。
と言ったのは、海軍に航空機を運用させれば良いと言う意味です。
 私の念頭には、日米海軍のことがあり、空母に搭載される航空機は当然海軍の所属との意識があったため、そこまで説明しませんでした。

> そうした問題点を考えると、海軍独自の航空隊を海軍が保有して空母に配備した方が、空軍機を空母に配備するよりも、ベターではないでしょうか。

 その通りだと思います。
 うーむ、山家さんの意見は欧州海軍には、「空軍機搭載の」空母は不要と言う意味だったのでしょうか?それは一理ありそうですね(笑)。

>  まず、3,4をまとめて考えますが、ワシントン条約体制の中では、仏伊が認められていた空母のトン数は、英米日よりはるかに劣っており、独に至っては空母の保有すら認められていませんでした。そうした前提で考えるならば、仏伊にしてみれば、1隻試験的に建造・運用するのなら、ともかく、制限された空母(とその艦載機)を優先して整備する必然性があるでしょうか。それくらいなら、制限の無い空軍をより充実させることで、制空権の確保を図る方が、より費用対効果の面でより効果的だ、と考えたのですが、いかがでしょうか。条約により、そもそも空母の数の揃えようが無いのです。

 私は、欧州海軍における空母の役割は艦隊主力とは考えていません。その役割は防空と索敵です。そうであれば太平洋で言う軽空母でもそれなりに使えますし、艦隊全体の規模が小さいので、そんなに隻数も必要ないでしょう。

>  次に1,2を考えますが、航空攻撃の威力についてですが、後から言えば、確かに大きなものがありました。しかし、1930年代にそこまで大きな威力があると考えられていたのか、と思うのです。先に書きましたが、当時、陸上機で、対艦攻撃を第一に考慮して開発・整備されたのは、日本海軍の陸上攻撃機くらいです。その当時、航空機の対艦攻撃が効果的と認識されていたのなら、もう少し、対艦攻撃を優先して開発・整備された陸上機があった、と考えるのですが。1についても、チャンネル・ダッシュのように陸上機の航空支援が効果的だった事例もあります。史実でも、全く役に立たなかったわけではありません。私としては、当時、航空攻撃の威力を欧州諸国の海軍は重大視していなかったし、当時の認識からすると、それは誤っていたとはいえないと思うのです。

 航空機の対艦攻撃力についても私はそんなに高く評価しているわけではありません。単に爆弾が数発命中すれば、その艦はドック入りを余儀なくされるわけで、それで充分だろうと考えているだけです。撃沈することまでは望んでいません。
 山家さんが言う対艦攻撃とはおそらく雷撃のこと言っているのだと思いますが、雷撃は対艦攻撃にしか使い道がないので、対地攻撃にも有効な急降下爆撃機を整備する方が費用対効果が優れていると思います。撃沈まで望まず、損傷させれば充分と考えればそうなります。航空魚雷の開発は大変ですしね。
 それから、欧州海軍が航空攻撃を軽視していたとはとても思えません。30年代に建造された艦艇の対空砲の装備数は欧州艦の方が日米よりも強力なのです。

>  5については、同じことの繰り返しになるので、手短にしますが、空母の戦力整備よりも、陸上基地の航空機整備の方が戦闘の際の抗戦継続によいと思うということです。

 陸上機で艦隊支援ができるのならば、確かに空母は要らないのですが、それが史実では、できていないから必要だったと思うのです。陸上機が艦隊支援をうまくできない理由を挙げるのは簡単ですが、それは空母が不要な理由を探すのと同じであまり意味があるとも思えないので、史実でできていないことだけを理由に挙げておきます。

>  確かに、不要というのは言いすぎですが、空母の整備を1930年代の欧州諸国の海軍が後回しにしたのは、決して誤った考えとはいえないと思います。

 私もそう思います。だから、
>  後方の官僚や政治家の視点では、主に予算の制約から優先順位をつけなくてはならず、その際に山家さんが挙げるような理由で後回しにされるのです。しかし、それは不要というのとはまた違う気がします。
と述べました。

 最後に脱線話について。
> 超甲巡について、あるのとないのとだったら、ある方がいい、のは間違いありません。

 そうでしょうか?私は超甲巡はない方が良いです。

> しかし、超甲巡を造るのだったら、他の軍艦を造った方がいいのです。

 このように言えてしまうと言うこと自体が不要なことを示していると思います。
 超甲巡の役割は高速戦艦でも複数の巡洋艦でもこなすことができます。つまり無くても困らないのです。無くても困らないものに戦艦並みの予算を消費するのはあまりにももったいない。他でその役割を肩代わりできるのなら、その兵器は不要だと思います。

以上です。

タイトルRe^5: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1954
投稿日: 2004/06/05(Sat) 13:43
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
亀になりましたが、こちらにまとめてRESさせてください。

>
>  前線で戦うのに、空母があったほうがいい、というのは事実です。しかし、費用対効果の点で、空母の整備の方が空軍力を拡充させるより効果的なのか、きちんと考えるべきだ、と思うのです。
|
>  確かに、不要というのは言いすぎですが、空母の整備を1930年代の欧州諸国の海軍が後回しにしたのは、決して誤った考えとはいえないと思います。

結果が悪ければ、どれほど立派な考えから生まれていようと
誤った考えだというのが第一次近似になります。
もちろん、それ以外の方策について検討して、
よりましな考えが見あたらなければ、結果が悪くても
最善を尽くしたのだから間違いではなかったという結論になります。

欧州海軍が空母を保有しなかった。
結果米英海軍の空母にいいようにやられた。
結果論からいえば、空母を持たなかったのは間違いです。

が、もっとましなやり方はなかったのか?
という問いは当然あってしかるべきです。
沿岸海軍なのだから陸上機を強化すれば良かったのではないか?
この考え方は間違いとは言えません。
陸軍が地上支援目的で師団属航空隊を作るよりは
陸軍と空軍の意思疎通をよくするほうが合理的だったように、
海軍と空軍の意思疎通をよくするほうが
空母を建造するより合理的であった可能性は否定できません。

では、どのようにするのが良かったか?
やはり史実の成功例から引っ張ってきましょう。
ケルベロス作戦では「シャルンホルスト」に
ドイツ空軍の士官を乗せて空軍機の誘導を行わせました。
同じように各艦隊の旗艦に空軍の士官を乗せることで
陸上基地と艦隊との意思疎通が可能にしておくほうが
空母を建造するより合理的であった可能性はあります。

が、この運用には問題点を二つ指摘できます。
第一の問題は、「意思疎通には無電を打たなければならない」。
つまり、航空支援を受けるためには無電で陸上基地に
自分の居場所や航空隊を派遣する場所その他を送らなければなりません。
それを敵に探知されればそれだけで
自分の居場所を敵に教えてやるのと同じです。

その上に暗号が解読されていたら悲惨な結果が待ち受けます。

そこまで行かなくても、レイテ海戦みたいに両軍の無電が入り乱れてくると
無電によるまともな誘導を期待するのは虫の良い考えでしょう。
(ケルベロス作戦では、予め計画されていた航路を時間通りに航行することになっていたからまともな誘導も可能だったのです。
 刻々と状況が変わる流動的な海戦で同じ結果を期待するのは無理があります。
 ミッドウェーなみに準備していてさえ、米軍の勝利はカミソリの刃をわたるようなきわどさがあったのです)

第二の問題は「陸上基地から艦隊の居場所までは離れている」
無電で要請してから、陸上基地の航空機が到着するまで
一体どれくらい時間が掛かるでしょうか?
もっとも理想的に準備されているとしても、

無電で最寄りの航空基地へ要請する→
航空基地から航空機が緊急発進→
目標まで飛行。

こうなります。
では陸上基地から緊急発進して目標に到達までに
一体どれくらいの時間が掛かるでしょうか?
マレー沖海戦にせよビスマルク追撃戦最終章にせよ、
おおよそ陸上航空隊が必要なときに間に合った試しがないのです。
ではそれを間に合わせるためのネットワークを作ったら?
多分、空母を建造する方がまだ安上がりな事でしょう。
最低限バトル・オブ・ブリテン当時の早期警戒システム程度の
洋上警戒システムでも作らない限り、まともな支援は期待薄ですから。

以下個別に

・空母の有用さについて

飛行機は砲弾より遠くに飛ぶ。
空母の有用さはこればかりではありません。
水上艦による偵察は点ですが航空索敵は面です。
空母の有用さはここにもあります。
(これも日本海軍という例外があるから困りものです。
 空母の攻撃能力を少しでも高めるために
 大型戦闘艦に索敵機を積む、というドクトリンだったのです)
飛行甲板から飛行する飛行機の方がカタパルトから打ち出す
水上機より性能が高い。もちろん索敵能力も高い
(より速くより航続力が長い)のです。

つまり。

空母を持つ側はより早く敵を見つけることができる。
先に敵を見つけた側が戦うか戦わないかの選択権を持つ。
空母を持つ側はそれだけでも有利なのです。

・空母はたくさん作らなければ役に立たないのか?

ベアルンは論外(速力が遅すぎる)ですが、グラフ・ツェッペリンやアキーラ程度の性能があれば
一隻しかいなかったとしても艦隊直衛程度の任務はこなせたはずです。
敵が97式艦攻だのゼロ戦だのドーントレスだのF4F-3だのというならともかく、
ソードフィッシュにフルマーが相手なのだから、
He51やCR42でもいないよりまし程度の仕事は出来たはず。
(さすがにHe51じゃ苦しいかな?Bf109C程度なら文句なしでしょうが)
確かに日米の機動部隊が相手ならいてもいなくても
変わり映えしなかっただろうとは思いますけど、
あくまで仮想敵はイギリス海軍なのです。

・お役所仕事

私が空母を絶対に保有すべきであったと考える最大の理由はここです。
自分の艦隊の中に航空隊を持っていなければ、
お役所仕事にはまりこんで必要なときに支援が受けられるとは思えません。
自分の艦隊の中に入れておけば、最悪でも、空軍司令官に向かって
「私と同様に艦と運命を共にせよ」と言えるのです。
文字通り同じ船に乗り合わせれば、お互いが運命共同体になるのです。
お役所仕事の打破にはこれくらいの事は必要でしょう。

タイトルRe^6: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1955
投稿日: 2004/06/05(Sat) 22:09
投稿者山家
 どこに繋ぐか、本当に迷いましたが、ここに繋いでのまとめてのレスを失礼します。それから、別スレッドの話になりますが。にゃまさま、質問に対する回答は、調査と自分の考えをまとめるため、明日以降にさせていただきます。本当にすみません。心から反省し、お詫びいたします。

 まず、誤解を与えてしまったようで、本当にすみませんが、私の出題の意図は、1930年代の英国を除く欧州諸国の海軍が空母を優先して整備する必要があったのか、また、それによってWWUの帰趨は変わったのか、ということです。極端なことを言えば、短期的な問題なのです。私としては、史実の仏海軍のように試験的に空母を1隻建造し、運用方法を研究するのなら、ともかく、空母を主力としての海軍を整備するという方向を、当時の欧州諸国の海軍に求めるのは無理だし、それによって、史実がそう変わったとは思えない、また、それをしなかったといって、欧州諸国の海軍を非難はできない、ということなのです。

 まず、欧州諸国の海軍につき空母を整備しないことで、米英海軍にいいようにやられたという非難が、しばしば聞かれます。しかし、太平洋戦争勃発以前、日本海軍は空母の航空戦力では艦隊決戦時に米太平洋艦隊に有効な打撃を与えられないとして、空母の航空戦力よりも海軍の基地航空隊を重視して、漸減作戦の一翼をより担わせていましたし、マリアナ沖海戦のときには、基地航空隊を米艦隊撃滅の主な手段として考え、額面上では最も史実上充実していた空母戦力を誇る、いわゆる小沢機動艦隊を米艦隊撃滅の補助的な手段と考えていました。WWU後期の日本海軍でさえこう考えていたのですから、1930年代の欧州諸国の海軍が空母を主力と考えず、空母戦力を優先して整備しないのは、むしろ当然ではないでしょうか。

 それに日米海軍の艦上機に比較して、艦上機の質が劣る英海軍なのだから、欧州諸国の海軍が空母を1隻でも整備していれば云々、という非難もありますが、何故、史実より欧州諸国の海軍が空母戦力を充実させているのに、英海軍の空母に搭載された艦上機の質は、史実と同程度に留まるのでしょうか。英国の航空機開発能力は、4発重爆撃機等の英空軍機の能力から考える限り、米独と肩を並べ、日本を遥かに凌駕しています。史実では対抗する艦上機が欧州に無かったので、英海軍の艦上機はあの程度に留まり、それで充分だったのだと思います。

 空母を整備するのは、それによって制空権を確保し、また、敵艦隊を攻撃して、制海権を確保するためではないでしょうか。レイテ沖海戦以降の日本海軍は、空母を事実上保有していませんでしたが、それによって、制空権の確保や敵艦隊の攻撃を諦めたでしょうか。制空権を確保し、敵艦隊を攻撃する役目を、空母に搭載した航空戦力ではなく、空軍の航空戦力に担わせようという構想は間違っているでしょうか。私は、1930年代の欧州諸国の海軍は、そう考えていたし、それは決して間違っているとはいえない、と思うのです。私にしても、1930年代に航空攻撃の威力について、欧州諸国の海軍がそう軽視していた、とは考えていません。ぶっちゃけていうと、航空攻撃により損傷を受けるかもしれない、だから防空能力は充実させる必要はあるが、所詮、爆弾なので軍艦は沈むことは無い、最悪でも母港に帰ることはできる、と考えていたといいたいのです。

 それから、気になったのですが。空母は安いという誤解があるのではないでしょうか。米海軍の例ですが、同じ年度に計画・建造されたビッグセブンの1つであるコロラド級戦艦の建造費(のみ)が、約2700万ドル、レキシントン級空母の同じく建造費(のみ)が、約4420万ドルだそうです。それを思うと、空母は戦艦より高くつく代物(何しろ、更に搭載する航空隊を整備する必要がある)ではないでしょうか。

 少し長くなりましたし、考えもうまくまとまりません。とりあえずここまでにさせてください。

タイトルRe^7: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1956
投稿日: 2004/06/06(Sun) 00:55
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
ちょっと逐次RESをつけてみようと思います。
何となく話がかみ合わない理由がわかったようにおもいますので。

>空母を主力としての海軍を整備するという方向を、当時の欧州諸国の海軍に求めるのは無理だし、それによって、史実がそう変わったとは思えない、また、それをしなかったといって、欧州諸国の海軍を非難はできない、ということなのです。

私は「空母を主力として海軍を整備する」ことを想定しているのではありません。
「空母とはどういうものか」ということを知るために
一隻か二隻空母を保有しておくべきだった、と言っているだけです。
つまり、ドイツ海軍はグラフ・ツェッペリンを完成させるべきであったし、
イタリア海軍はベアルンに対抗する空母ぐらいは保有しとくべきだった、
と言っているのです。

言い換えるなら、補助艦艇としての空母を保有すべきだといっているのであって、
主力艦として空母を整備すべきだとは思わないのです。

> 1930年代の欧州諸国の海軍が空母を主力と考えず、空母戦力を優先して整備しないのは、むしろ当然ではないでしょうか。

とりあえず一隻は作ってみないと本当はどうなのかはわからないのです。
実験用の空母さえ保有しないのは進取の風に欠けるのです。
空母とはなんぞや、という事を知るための空母建造は
優先して行われるべきだったのです。

>史実では対抗する艦上機が欧州に無かったので、英海軍の艦上機はあの程度に留まり、それで充分だったのだと思います。

申し訳ありませんが、これは意味のない言明でしょう。
強力な陸上機に対抗するためには、やはり強力な艦上機が必要です。
現にイギリス海軍もシーハリケーンだのマートレットだの
シーファイアだのを空母に搭載していましたが、
これは枢軸軍に空母が出来たからではなく陸上航空隊に対抗するためでした。
第一、一隻か二隻、それもたいした艦上機を積んでない空母相手に
史実より気合いを入れて艦上機を開発する理由があるのでしょうか?
私が想定している搭載機、戦闘機としてはフルマーよりまし
だけど爆撃機としても偵察機としても役立たず、程度でしかないのです。

それも、後世の目から見ての話で、イギリス海軍の考えを言えば
フルマーの方が負けてるとも思わなかったでしょう。
本職の空軍でさえデファイアントがBf-109E相手に戦えると
本気で思っていたぐらいなのですから。

>  空母を整備するのは、それによって制空権を確保し、また、敵艦隊を攻撃して、制海権を確保するためではないでしょうか。

欧州海軍にとって、空母の存在意義は索敵機を飛ばすことと
戦闘機を使って敵の雷撃機を追い払うことの二つです。
いや、1941年時点ですら、制空権と制海権を両方確保する
機動部隊なんて南雲艦隊しか存在してませんでした。
まして1930年代の欧州海軍がそういう機動部隊を編成することを
想定するのはSFの世界の話でしょう。

>  それから、気になったのですが。空母は安いという誤解があるのではないでしょうか。米海軍の例ですが、同じ年度に計画・建造されたビッグセブンの1つであるコロラド級戦艦の建造費(のみ)が、約2700万ドル、レキシントン級空母の同じく建造費(のみ)が、約4420万ドルだそうです。それを思うと、空母は戦艦より高くつく代物(何しろ、更に搭載する航空隊を整備する必要がある)ではないでしょうか。

戦艦は今までの蓄積があって建造できます。
空母は手探りで建造しなければなりません。
開発費に格段の差がつきます、それが建造費にも跳ね返ります。
だからこそ、逆に、一隻ぐらいは研究用に作っておく必要がありました。

実戦で必要だとわかった後で泥縄式に作るのは難しいのです。
そして、史実では結局出来なかったのです。

−−−

逆説的ですが航空機が史実通りの戦果を挙げうる存在として
30年代の各国軍人に認識されていたとするならば
陸上機の強化を主にすることが出来たでしょう。
あくまで勝負は水上艦同士のたたき合いで決着する、
と考えるのなら、水上艦の戦いをどのように支援するか、
という観点から航空隊も整備しなければなりません。

だから、空母がいるのです。その逆ではなく。

#この辺りの事情はグレンフェル大佐の「主力艦隊シンガポールへ」に
#書いてあるとおりだと思います。

タイトルRe^8: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1959
投稿日: 2004/06/06(Sun) 22:35
投稿者山家
 こちらで、まとめて考えて行きたいと思います。

 ソ連海軍航空隊のことですが、空母保有前には、戦闘機等は保有していなかった、と覚えているのですが、私の記憶違いでしょうか。ちょうど、WWUの伊で空軍がありながら、水上艦に水上機を積んでいたように、対潜哨戒等、海軍の任務を支援するために、ソ連は海軍航空隊を保有していた、と思います。

 次に、ウィリーさまの話しにレスをする形で考えて行きます。

> 言い換えるなら、補助艦艇としての空母を保有すべきだといっているのであって、主力艦として空母を整備すべきだとは思わないのです。
> とりあえず一隻は作ってみないと本当はどうなのかはわからないのです。実験用の空母さえ保有しないのは進取の風に欠けるのです。空母とはなんぞや、という事を知るための空母建造は優先して行われるべきだったのです。

 上記のような要約を失礼します。ちょっと気になったので、他の艦船の値段も調べてみました。雲竜型空母1隻が約8700万円、大和型戦艦1隻が1億4000万円だそうです。この値段を考える限り、平時の仏伊ソ海軍が簡単に空母を1隻保有する、という訳にはいきません。ワシントン条約による制限もありますし、1隻、研究用に建造・保有したいと海軍が主張した場合、財務省や他の陸空軍は反対するでしょう(日本が特別仲が悪かっただけだと言われそうですが、海軍の八八艦隊構想に陸軍は猛反対だったそうです)。確かに、私もその有用性は認めますが、平時の予算の縛りを考えると所詮は高嶺の花で、無理して整備するまでの必要を私は覚えません。

> 強力な陸上機に対抗するためには、やはり強力な艦上機が必要です。

 これには同意しますが、先の私の書き込みは、例えば伊海軍が空母を保有し、単葉艦上攻撃機を保有していても、英海軍はソードフィシュで満足していただろうか、ということを述べたかったのです。

> 欧州海軍にとって、空母の存在意義は索敵機を飛ばすことと
> 戦闘機を使って敵の雷撃機を追い払うことの二つです。

 確かに、欧州海軍が1,2隻の空母を保有していた場合、それを目的とするでしょう。しかし、欧州海軍の場合は、索敵機は大型陸上機と水上機の組み合わせで対応できます。それに、1930年代において、戦闘機無用論が公然と世界各国で唱えられており、源田大佐ですら、それに賛成していたことを考えると、欧州海軍にとっては、中々取りがたい選択だと思います。

タイトルRe^9: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1963
投稿日: 2004/06/07(Mon) 20:30
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
私も山家さんにRESつけていく形で議論を進めたいと思います。

>確かに、私もその有用性は認めますが、平時の予算の縛りを考えると所詮は高嶺の花で、無理して整備するまでの必要を私は覚えません。

おそらく、30年代の欧州海軍軍人も全く同じように考えたのだろうと思います。
大陸国家でわざわざ海軍に入ろうというからには
進取の風に欠ける訳でもないでしょうし、
まして理性や知性に欠ける訳ではないでしょう。

理論的には陸上機で十分だったはずだったのです。
ただ、現実には、空軍は海軍への支援に消極的であるばかりか、
たとえ協力してくれたところでへまばかりだったのです。

>  これには同意しますが、先の私の書き込みは、例えば伊海軍が空母を保有し、単葉艦上攻撃機を保有していても、英海軍はソードフィシュで満足していただろうか、ということを述べたかったのです。

CR42は複葉機です。バトル・オブ・ブリテンに参加した時には
当たり前のようにぼろぼろにやられました。
He51も複葉機、スペインの空でE−16(アイ・エルだと何を書いたかわけわからなくなるのでEにしました)
相手に負けまくっていた戦闘機です。
こんなのが相手なら全金属単葉の戦闘機フルマーで上等と考えてもおかしくありません。
(カタログスペックだけ言えばフルマーの方が強そうに見えるほどです)

複葉機を選んだのは、まず空母からの離発着の訓練のために
着陸距離の短い飛行機が必要だったろうという考えから。
実験用空母ですから、搭乗員の初等訓練も同じ空母を使うしかないのです。

>  確かに、欧州海軍が1,2隻の空母を保有していた場合、それを目的とするでしょう。しかし、欧州海軍の場合は、索敵機は大型陸上機と水上機の組み合わせで対応できます。

これは、十分に有力な海軍航空隊が大型陸上機と
水上機を保有していたのであれば、
という前提でしか成り立ちません。
あるいは彩雲のような高速で航続距離の長い偵察機を
海軍独自に運用できるのでなければなりません。

まともな海軍航空隊とその海軍航空隊が使える飛行場を作るのに
必要な費用と突破すべきお役所仕事の壁を考えると、
まだしも空母作っていた方がましだったように思えます。
どれほど使い道がなくても、飛行機運搬船としてなら使えるのですから、
空母建造それ自体は空軍もあまり無碍にはしないでしょう。
(日本陸軍だって空母を持っていたぐらいです。…飛行機運搬用に)

>それに、1930年代において、戦闘機無用論が公然と世界各国で唱えられており、源田大佐ですら、それに賛成していたことを考えると、欧州海軍にとっては、中々取りがたい選択だと思います。

航空優勢は、まず一方的な航空偵察が可能であることでその効果を得られます。
偵察機を敵地に飛ばし、敵の偵察機は進入させない能力を持つ側は
情報戦で圧倒的な優位に立てます。
刻々と変化する戦場では、情報を一分でも早く入手すれば
それだけ敵に対して優位に立てます。
もちろん無電封鎖を守って活動できる側はそれだけ優位に立てます。

全部陸上機より艦載機の方が得意な分野です。
従って、空母を保有する側は保有しない側より、
索敵能力だけでも優位に立てます。
第一、戦闘機無用論は爆撃機が戦闘機より高速で飛べるからこその主張であって、
フロート付きの水上機が相手なら30年代の戦闘機だって
楽に勝てる相手だったのは確実です。

やはり、高速で飛べる索敵機が運用できる船がある方が有利です。
そして、そんな船は飛行機を飛ばす専門の能力のある空母以外にはないのです。
よし戦闘機が空母に不要でも、索敵機を搭載することは必要だったでしょう。

まあ、相手にも戦闘機がない場所で運用するから敵戦闘機は考えないとしましょう。
それでもなお、索敵の事を考えるならば、
利根級のような航空巡洋艦は作っておくべきだったのです。
そして、それすら怠った欧州海軍の思想は
30年代の基準に照らしてすら間違いだったと思われます。

タイトルRe^10: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1970
投稿日: 2004/06/09(Wed) 23:06
投稿者山家
 また、順次、考えて行きたいと思います。

> 理論的には陸上機で十分だったはずだったのです。ただ、現実には、空軍は海軍への支援に消極的であるばかりか、たとえ協力してくれたところでへまばかりだったのです。

 まず、この部分ですが、現実と構想と逆転しているのではないのでしょうか。構想では、海軍の航空支援は空軍が主として行うことで対処できるとされていたのです。現実と構想が食い違うことは多々あります。結果論からすれば間違っていたと指弾することはできますが、私としては、この空母の件については、欧州諸国の海軍を指弾できません。費用の観点から考えると、例えば、当時の構想として、独海軍は、ティルピッツよりも、グラーフ・ツェッペリンを優先すべきだったことが正しかったといえるでしょうか。

 次の艦上機の件ですが、史実でそうだったからといって、空母を建造し、艦上機を開発しても、史実と同程度の航空機のままでいるでしょうか。それに、空母は艦上機あってのものです。実験用空母だから小型で、艦上機も複葉機でいい、というのだったら、下手をすると水上機よりも劣る艦上機になり、何のために空母を建造・保有したのか、ということになります。水上機というと艦上機よりも性能が劣るというイメージがありますが、そう劣るものではありません。瑞雲はヘルダイバーや九九艦爆二二型とほぼ同程度の速力を誇りますし、仏海軍に至っては、艦上攻撃機は不要で、水上攻撃機で充分と考え、ベアルンから艦上攻撃機を下ろし、水上攻撃機を配備しようとしたくらいです。

> これは、十分に有力な海軍航空隊が大型陸上機と水上機を保有していたのであれば、という前提でしか成り立ちません。あるいは彩雲のような高速で航続距離の長い偵察機を海軍独自に運用できるのでなければなりません。
>
> まともな海軍航空隊とその海軍航空隊が使える飛行場を作るのに必要な費用と突破すべきお役所仕事の壁を考えると、まだしも空母作っていた方がましだったように思えます。どれほど使い道がなくても、飛行機運搬船としてなら使えるのですから、空母建造それ自体は空軍もあまり無碍にはしないでしょう。(日本陸軍だって空母を持っていたぐらいです。…飛行機運搬用に)

 そんな海軍航空隊を保有するよりも、空母を保有した方がいい、とのことですが、空軍との密接な協力というのは、そんなに絵空事なのでしょうか。空軍と海軍が密接に協力すれば、大型陸上機を海軍が保有することは不要です。現実がそうだったから、という反論がありそうですが、それなら、何故、空軍を各国は保有していたのでしょうか。航空兵力を有効に運用するのに、空軍を保有した方が有利なのは、史実の日本を見る限り、否定できない事実です。第一、空母を保有しても、海軍用の飛行場は、訓練等のためにやはり必要です。それから、日本陸軍の空母は上陸作戦後に、速やかに航空支援を行うのが主任務です。航空機運搬用というのは、少し誤解を招きかねない表現だと思います。

 次に、航空機の運用ですが、航空機の通信・運用には無電が必要不可欠です。例えば、敵偵察機を追い払おうとしたりするのに、戦闘機を母艦から誘導しないといけないのではないでしょうか。完全な無電封鎖をして、艦上機を運用するのは困難ではないでしょうか。

 それに、上記のように水上機だからといって軽んじることはできません。なお、偵察に1隻の水上艦から大量に運用するということは、少なくとも日本海軍は構想していませんでしたし、私も不利だと思います。何故なら、水上機は回収に手間隙が掛かるのです。ミッドウェー海戦等でも利根等の1隻の水上艦からは、2機しか偵察に発進させていません。それなら、何故、利根級が建造されたか、というと水爆を搭載するつもりだったのです。しかし、開発に失敗したため、搭載されませんでした。

 そして、航空巡洋艦ですが、航空戦艦と同様に中途半端な性能で、わざわざ建造する必要はないと思います。まだ、水上機母艦を建造した方がいいと思います。

タイトルRe^11: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1973
投稿日: 2004/06/11(Fri) 20:36
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
前の発言にはいくつかひどいミスがあったようなので
訂正しておきます。

・全金属単葉のフルマー:イラストの感じからすると、
全金属じゃなさそうですね、あれ。
・E−16:アイ・エルじゃなくてただのアイですね。

で、本題。

まずは逐次的なRESをつけます。
私の考えをまとめるのはその後にしましょう。

>例えば、当時の構想として、独海軍は、ティルピッツよりも、グラーフ・ツェッペリンを優先すべきだったことが正しかったといえるでしょうか。

この部分で根本的に意見が合わないようです。
私は「結果として間違っていたなら間違いである」と評価します。
結果論で言えば、航空機の傘の下にない水上艦は何の役にも立ちませんでした。
例外は(いつものことながら)夜戦訓練を徹底的に積んでいた日本海軍ぐらいのものです。

同様に、欧州海軍は、水上艦の戦術を夜戦主体とするとして
徹底的な訓練を行うのでない限り、
常に航空機の傘を得る手段を施しておくべきだったのです。


>  そんな海軍航空隊を保有するよりも、空母を保有した方がいい、とのことですが、空軍との密接な協力というのは、そんなに絵空事なのでしょうか。

現に史実ではどの国でも絵空事でした。
これ以上の証明が必要だとは思いません。

>  次に、航空機の運用ですが、航空機の通信・運用には無電が必要不可欠です。例えば、敵偵察機を追い払おうとしたりするのに、戦闘機を母艦から誘導しないといけないのではないでしょうか。完全な無電封鎖をして、艦上機を運用するのは困難ではないでしょうか。

敵偵察機を追い払うために誘導する。
レーダーのない時代に、空中にいる航空機と艦隊と、
どちらがより偵察機の位置を正確に捉えることが出来るでしょう?
しかし、それは本質的な問いではないでしょう。
本質的な問題は、偵察機を運用するのにいかにして偵察機を誘導するか、です。

しかし、この問題はきわめて簡単な答えが存在します。
偵察機が電波を打つからといって艦隊の位置がわかるわけではありません。

#全周索敵を行っている偵察機が、同時に電波を打つのならともかく。

敵を発見した偵察機が電波を打っても敵に知られる訳ではないのも同様です。
わかることはせいぜい敵に見つかったと言うことだけですが、
そんなことは敵が偵察機を見つけた時点でわかることなのです。

どうやって偵察機は艦隊に帰投するのか?
味方艦隊を「あのあたりにいる」と知っているのに
上空から発見できない偵察機がどこにいるかわからない
敵艦隊を見つけられるわけがないのです。
だから、艦隊が無電を打つ必要があるのはよほどの緊急事態だけであり、
そのような緊急事態が発生しているなら、とっくに艦隊は敵に見つかっているのです。

>  それに、上記のように水上機だからといって軽んじることはできません。なお、偵察に1隻の水上艦から大量に運用するということは、少なくとも日本海軍は構想していませんでしたし、私も不利だと思います。何故なら、水上機は回収に手間隙が掛かるのです。ミッドウェー海戦等でも利根等の1隻の水上艦からは、2機しか偵察に発進させていません。それなら、何故、利根級が建造されたか、というと水爆を搭載するつもりだったのです。しかし、開発に失敗したため、搭載されませんでした。

これは、非と理を共に説いています。
水上機が回収に手間取るのなら艦上機が索敵するほうがより効果的です。
水爆がまともな性能をもてなかったのならなおさら艦上機は必要です。
水上機の実用性が低いのなら艦上機を運用すべきであり、
艦上機を運用するには空母が必要なのです。
逆に、水上機が実用的であるならばなぜ空軍を重視する必要があるでしょう。
水上機母艦を大量に保有することでもやはり航空機の傘は得られるはずです。

が、史実に照らす限り「水上機母艦は空母にしかず」だったのです。

>  そして、航空巡洋艦ですが、航空戦艦と同様に中途半端な性能で、わざわざ建造する必要はないと思います。まだ、水上機母艦を建造した方がいいと思います。

水上機母艦と「週刊カサブランカ」的実験用空母と
どれほど建造費が違うというのですか?
そもそも、巡洋艦の任務として偵察を行わせるつもりなら、
偵察機を搭載するほうが有利なのです。
偵察用の巡洋艦なら、より多くの偵察機を搭載すべきですし、
偵察機をたくさん積めばそれは自然に航空巡洋艦になります。

#レーダーを考慮に入れれば話はまた変わりますが。

初期の空母は自衛用の艦砲を搭載していました。
航空巡洋艦は自衛用の艦砲を搭載した水上機母艦とも言えます。

−−−−

とりあえず次の2点はきちんと分けて思考してもらわないと
話がまとまるわけがありません。

「30年代欧州海軍軍人が持っていた情報から判断して」
保有すべきであったかどうか。
「30年代欧州軍人が空母を保有しないために最大限努力したとして」
保有すべきであったかどうか。

この二つは全くの別物です。
前者であれば史実での制約をはずす場合(全部史実通りなら持てるわけないのですから)
海軍の努力ではずすことが可能な制約のみをはずすことを考えます。
後者であるならば海軍と空軍が一致協力して空母を保有しないために
努力するという協定が可能である、という前提を最初に置いていることになります。

で、空母を保有しないために海空軍軍人が真摯に協力する、
などという事が現実にありうる事として想定できるでしょうか?

しかし、この問題はここまでにします。
海空軍軍人が空母を保有しないために最大限努力したとしましょう。
では、それで空母を保有していた場合と同等の効果を上げるために
どれだけの労力が必要であったのか?
これを提示するのでなければ空母を保有すべきであったかどうか
判断のしようがありません。
言い換えるなら、具体的に空母の建造費を何に費やして
(たとえば、マジノ線1kmの予算で戦車が何両買える、と言った具合に)
それが実際に空母より有益であることを示すのでない限り、
空母を作らない方が良かったとは言えないのです。

「30年代海軍軍人の目から見て」何が見えるか私は知りません。
はっきりしていることは、史実の結果を見る限り、
航空機の傘を得られない水上艦など足の悪いアヒル同然だった、ということです。

では、空母と同等の航空機の傘をどうやって水上艦に与えるのですか?
そのために必要な費用が本当に空母を建造するより安上がりなのですか?

この答えがない限り、空母を建造すべきではなかった、
という結論はどうやっても出てくるはずがないのです。
もちろん、その逆の結論が出る事もないのですが、
史実でイタリア海軍が空母を建造する気になった事を考えると、
この問いの答えは明確であると、私には思えるのです。

タイトルRe^12: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1978
投稿日: 2004/06/13(Sun) 23:28
投稿者山家
 こちらで、まとめてのレスを失礼します。かなり長く続いてはいますが、話しの前提からして、混乱があるようなので、私の大前提をまず述べたいと思います。

 まず、第一に、歴史の流れは、史実どおりで、例えば、独にナチ政権が登場していないという架空の話しは取り入れない。

 第二に、海軍に向けられる予算は、基本的に史実どおりで、例えば、伊が、陸軍の近代化を後回しにして、海軍に更に予算を回したらという設定は取り入れない。つまり、伊が、ヴェネト級戦艦4隻に加え、アクィラ級空母も建造・保有しているということは考えず、ヴェネト級戦艦1隻の代わりにアクィラ級空母を建造・保有していたら、ということで考える。

 第三に、ここが問題の種になると思われますが、軍備を実際に整える際に、その予想は基本的に10年以内、長くて20年程として考えて、その効果を考える。何故なら、実際問題として、10年先のことでさえ、予想は困難だからです。身近なミリタリー以外の例を挙げますが、10年前に小学生ですら携帯電話を持っていてもおかしくない程に携帯電話が普及すると、どれだけの人が予想していたでしょうか。専門家でも、ほとんどいなかった、と思います。将来の予測はそれだけ困難なのです。現在、空母が海軍の主役になり、戦艦が絶滅しているから、といって、1930年代の欧州諸国の海軍が、速やかに戦艦を退役・廃艦にし、空母を建造できたでしょうか。

 本スレッドの場合、192,30年代に欧州諸国の海軍が空母を建造すべきだったか、そして、それによって、WWUにどのような影響があったか、ということで、私は考えていくべきだと思います。

 そして、結果論で論じるにしても、その効果は個々の海戦で論じるべきではなく、戦争全体から論じるべきだと思います。例えば、太平洋戦争で、マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦で、基地航空隊の効果がほぼ無かったからといって、基地航空隊を日本海軍は整備すべきでは無かったとはいえるでしょうか。ラバウル航空隊が無ければ、ソロモン諸島を巡る戦いは、史実より遥かに早く日本の敗退に終わったでしょうし、沖縄戦で第五航空艦隊の支援が無ければ、史実より早く沖縄戦は日本の敗北で終了していたでしょう。

 前提を書くうちに長くなりましたし、ここはおかしい、という点もあると思いますので、今日はここまでで失礼します。

タイトルRe^13: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1979
投稿日: 2004/06/14(Mon) 20:43
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
申し訳ありませんが、考え方そのものに根元的な難点がありそうです。

>本スレッドの場合、192,30年代に欧州諸国の海軍が空母を建造すべきだったか、そして、それによって、WWUにどのような影響があったか、ということで、私は考えていくべきだと思います。

これは、むしろ次のようにまとめるべきでしょう。

・戦間期に欧州海軍が空母を保有していた時のWWIIへの影響はどうであったか。

その予測結果が史実よりよくなる、であれば保有すべきであったのであり
史実より悪くなる、少なくとも良くはならない、であれば保有すべきではないのです。
が、このときの「影響」というときに、

> そして、結果論で論じるにしても、その効果は個々の海戦で論じるべきではなく、戦争全体から論じるべきだと思います。

戦争の帰趨そのものを論じるのなら兵器の有無を論じても意味がありません。
戦争全体の流れぐらいに大きな物を扱うときには兵器の優劣は
ドクトリンの優劣の中に埋没してしまいます。
このスケールで問いを立てるつもりならむしろ次のように考えねばなりません。

・欧州海軍はいかなるドクトリンを採用すべきであったのか。

そして、このときの制約要因として「予算は史実通り」というのであれば
各国海軍ともあまり選択肢が多くはありません。

つまり、ドイツ海軍の場合なら「U−Boatと軽水上艦による通商破壊戦」よりも
優れたドクトリンがあったのか?を考える必要があります。
空母が必要かどうか以前に水上艦が必要かどうかがまず問題です。

ソ連海軍やイタリア海軍なら「とにかく訓練」としか言いようがありません。
史実の情けない戦いぶりの主要な原因は訓練不足と言って差し支えないでしょう。
空母があってもなくてもあの未熟ぶりではお話にならないのです。

フランス海軍に至っては「WWIIの帰趨には、いてもいなくても同じ」です。
ベアルンの代わりにタイムスリップで原子力空母シャルル・ドゴールを
付け加えたところでフランス崩壊を食い止める役には立たないでしょう。

#ドイツへの核攻撃が可能なら話は全く別ですが。

結論を言います。
戦争の全体の流れを云々するのなら、
兵器の優劣などで左右されるものではない、というのが答えになります。
ゲーマー的な表現をすれば、オペレーション級以下のスケールになって初めて
特定の兵器の有無を論じることに意味が出てきます。
キャンペーン級以上のスケールでは兵器以外の要素が
圧倒的に重要になってくるので論じること自体あまり意味がないのです。

#ガダルカナルキャンペーン。米軍にレーダーがなければ日本が勝ったのか?
#そう考えていけば自ずと答えは明らかでしょう。

タイトルRe^14: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1981
投稿日: 2004/06/16(Wed) 23:19
投稿者山家
 どこにレスを付けるべきか、少し悩みましたが、こちらに付けることにしました。また、諸般の事情(正直に言うと仕事が忙しいのと、少しでもネット検索を掛けて、記憶の確認をすること)から、レスが遅くなりがちですが、どうか御宥恕下さるようにお願いします。

 以下、順次レスを付ける形で考えて行きます。

> ・戦間期に欧州海軍が空母を保有していた時のWWIIへの影響はどうであったか。その予測結果が史実よりよくなる、であれば保有すべきであったのであり、史実より悪くなる、少なくとも良くはならない、であれば保有すべきではないのです。

> ・欧州海軍はいかなるドクトリンを採用すべきであったのか。そして、このときの制約要因として「予算は史実通り」というのであれば各国海軍ともあまり選択肢が多くはありません。つまり、ドイツ海軍の場合なら「U−Boatと軽水上艦による通商破壊戦」よりも優れたドクトリンがあったのか?を考える必要があります。空母が必要かどうか以前に水上艦が必要かどうかがまず問題です。

 私としては、当初は、欧州諸国の海軍がどのようなドクトリンを採用して、軍備を整備すべきだったのかを考えて、そのうえで、空母の必要性を考えるべきだ、と思っていたのですが、ウィリーさまが、全て結果で考えるべきだ、とおっしゃるので、それでスレッドの前提を変更することにしました。

> ソ連海軍やイタリア海軍なら「とにかく訓練」としか言いようがありません。史実の情けない戦いぶりの主要な原因は訓練不足と言って差し支えないでしょう。空母があってもなくてもあの未熟ぶりではお話にならないのです。

 ソ連海軍はともかく、イタリア海軍の情けない戦いぶりを詳細に教えていただけないでしょうか。この2日、ネット検索を掛けましたが、イタリア海軍が情けない、というのなら、日本海軍は遥かに情けないように見えてなりません。大型艦が引きこもっていた、というのなら、あの燃料事情で(「コマンド・マガジン」でも昔取り上げられていましたが)北アフリカの枢軸軍に対する補給活動を行いつつ、戦艦が出撃し、なおかつ十二分な訓練ができるとは、私には思えません。具体的な数値は、実家にあるTACTICS誌で書かれていましたが、全海軍艦艇が十二分な訓練をするのに到底足りない量だったのは間違いありませんでした。足りない分は入手すればいい、とおっしゃられるのでしょうが、どこから入手すればいいのでしょうか。

> 結論を言います。戦争の全体の流れを云々するのなら、兵器の優劣などで左右されるものではない、というのが答えになります。ゲーマー的な表現をすれば、オペレーション級以下のスケールになって初めて特定の兵器の有無を論じることに意味が出てきます。キャンペーン級以上のスケールでは兵器以外の要素が圧倒的に重要になってくるので論じること自体あまり意味がないのです。

> #ガダルカナルキャンペーン。米軍にレーダーがなければ日本が勝ったのか?
> #そう考えていけば自ずと答えは明らかでしょう。

 空母はあってもなくても同じということで、よろしいでしょうか。私としては、ドクトリン、構想から評価するならば、192,30年代の欧州諸国の海軍にとって、空母を1隻試作し、その効果を検討するだけの価値はあったが、結果に拘るのならば、あってもなくても同じ、下手をすると史実より悪くなったと考えています。例えば、ティルピッツの存在は、援ソ船団に対し、重大な脅威を与えましたが、グラーフ・ツェッペリンで、同等の効果が挙げられるとは思われません。それに、1隻の空母が海戦に参加しても、艦隊の傘の役目がそう果たせるとは思えません。4隻もの空母を持っていた南雲艦隊でさえ、ミッドウェーで失敗しています。それに太平洋の戦史を見る限り、空母と更にレーダーとそれによる効果的な誘導があっても、航空攻撃が無力化できないのは、末期の神風攻撃からしても否定できないと思います。

タイトルRe^15: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1982
投稿日: 2004/06/17(Thu) 20:46
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
RESの遅さでは私の方がひどいような気がします。

では、続けましょう。

>  私としては、当初は、欧州諸国の海軍がどのようなドクトリンを採用して、軍備を整備すべきだったのかを考えて、そのうえで、空母の必要性を考えるべきだ、と思っていたのですが、ウィリーさまが、全て結果で考えるべきだ、とおっしゃるので、それでスレッドの前提を変更することにしました。

どう返事するべきなのかよくわかりません。
私の説明がよほどまずいのだろうと思っておくことにします。

私は理論的可能性ではなく史実の結果から有用性を判定すべきだとしたのです。

理論的可能性なら何でも言えます。
結果が出せない理論的可能性に価値を認めない訳でもありませんが、
史実から何一つ有利な結果が持ち出せない理論なら
「理屈倒れの愚論」と片づけて問題ないでしょう。

#ミサイルは絶対命中するから機関砲は要らない。
#高速で一撃離脱を掛けるから後部視界は要らない。
#理論上はそうなるはずだったのです。
#では、その理論に有利な史実を持ち出せますか?
#持ち出せないとすればその理論にいかなる評価を下しますか?
#私は空母無用論に同じ視点から結論を下すのです。

>  ソ連海軍はともかく、イタリア海軍の情けない戦いぶりを詳細に教えていただけないでしょうか。

イタリア海軍。戦意は決して低くないのです。
が、根本からドクトリンを間違えていては戦いようがありません。

何がどう間違っているのか。
「夜戦は不可能であるから想定しなくてよい」
実際には水上艦は夜間にこそ戦うべきであったのに
夜戦訓練を放棄していたのでは戦いようがありません。

#現に夜間攻撃主体のMASの勇戦ぶりは有名です。

結果、昼間の砲撃戦で優勢であっても、日没と共に
戦闘を放棄して待避せざるをえなくなる。
しかし、日中優勢に戦ったならば、
夜に水雷戦隊で追い打ちを掛けるのが有利であることは
日本海海戦以来明らかです。
なんでそういう発想が浮かんでこなかったのか。

日本海軍との比較について言うなら、
確かに地中海でまるきり負け通し、という訳ではありません。
しかし、ソロモンでの海戦のように、
終始一貫して制空権を失い通し、でもなかったのです。

制空権即制海権。これが二次大戦での動かしがたい現実です。
制空権のない状況下で4分に戦えれば勇戦したと評価します。
空で5分5分なのに4分なら批判されて当然です。

−−−−

こういう事は言いたくないのですが、
ドクトリン>軍備計画、です。
山家さんの場合、元々ドクトリンとして「海軍は制海権確保のためのみに存在する」
を、当然の事としているようです。

そして、制海権を確保するためには、相手より強力な海軍が必要です。
が、「安上がりで強力な海軍」を編成するお手軽なやり方は存在しないのです。
注ぎ込んだ予算の分だけの戦力しか海軍は持てません。
相手がイギリス海軍であるなら、イギリス海軍以上の〜
〜正確には、イギリス海軍がその海域に投入可能な戦力を編成するのに
必要な予算以上の予算を〜注ぎ込まなければ
イギリス海軍相手に制海権を確保するわけに行かないのです。
それなのに史実通りの予算という制限を加えれば
〜英国海軍が欧州海域に主力を投入出来ることから考えて〜
局地的にでさえ制海権など手に入りません。
これは空母の有無とは関係ない話です。
それでは作るべきであったという結論も出ないのですが、
作るべきではなかったという結論にもなりません。

正しい結論は「空母も作れないような予算しか割り当てられないなら海軍全体が制海権確保の役に立たない」なのです。
制海権を〜たとえ沿岸だけであっても〜手に入れるためには
制空権が必要なのですが、そのためにはまともな海軍航空隊か
海空軍の密接な協力が必要不可欠です。

#もちろん、航空機のみで制海権を確保するなら話は全く別です。
#が、今は海軍の話をしているのです。

空母搭載機は「まともな海軍航空隊」であるか「海空軍の密接な協力の結果」であるか、
どちらかであることは確かです。
では陸上機に同じ事が期待できるか?

繰り返しになりますが、世界中どこの国でもそんな期待は裏切られた。
空母が必要である理由として私にはそれで十分であると思われます。

全くの余談ですが、
ティルピッツは北洋船団相手に「脅威」ではありました。
が、グラフ・ツェッペリンなら「戦果」を挙げ得たでしょう。

なるほど、これはただの理論です。
では次のように考えてみましょう。
ティルピッツに対抗するにはすべての船団に「戦艦」が必要ですが
グラフ・ツェッペリンに対抗するにはすべての船団に「空母」が必要です。
どちらが米英海軍に不足していたか、どちらがより
攻撃に対して脆弱であるか、これらを考慮に入れるならば
グラフ・ツェッペリンの方が役に立ちます。

−−−−

理論的可能性ならいくらでも言えるのです。
最低限、史実から有利な要素を一つでも持ち出せるのでなければ
それが正しいとするには足りないではありませんか。

タイトルRe^16: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1983
投稿日: 2004/06/19(Sat) 00:04
投稿者ゲンガー
突然の横レス、失礼します。ずーっとROMしていましたゲンガーと申します。
この件は本音と建前ではないですが、2つ観点からの見方がぶつかっているように思えます。ひとつは当時の状況(予算や航空機の対艦攻撃力や海軍・空軍の協同作戦の困難だったことに関する認識不足など)等を考慮して、当時の各国の判断が妥当だったかどうか、と言う観点です。私が思うに山家さんはこちらの観点が主になっているのではないでしょうか。
もうひとつの見方は、史実を踏まえ当時どのような判断をするのがベストだったか、というもので、恐らくウィリーさんはこちらの観点なのではないでしょうか。

私の意見(と言うほど立派なものではないですが)は、前者の観点から見れば、当時の各国の判断は妥当と言わざるを得ない、です。上に書いた理由に加えて、権威主義や時代遅れ(これも今だから言えることなのでしょう)の考えやらが絡まって、軍備計画を決定する立場の人間が空母不要と結論づけても無理は無いことだったと思います。

かたや後者の観点から見れば、これも究極の建前は全ての国は米国並みの艦隊を持つべし、なんてことになってしますので、おのずと何らかの制限を課してみます。それは山家さんが提唱した史実通り戦争が始まることと、ちょっとこれは汚いかもしれませんが予算もおおよそ史実どおりの2点です。あと、実験的な意味でも空母を建造してみるべきだという意見には賛成しますが、以下の考えではそれははぶきます。

まずイタリア海軍。これは空母はもつべきと考えます。イタリア海軍の第一の仮想敵は英地中海艦隊とクレタ・マルタ島の航空戦力ではないでしょうか。そして彼らの果たさなくてはならない使命は、北アフリカへのシーレーン確保だったと思います。それならば、輸送船団護衛のための航空戦力は必須で、それには空母(出来れば「週間カサブランカ」並みに大量に?)がベストの選択でしょう。

次はフランス。仮想敵は何と言ってもドイツ、となれば海軍なんて無くても大勢に影響ない(言い過ぎかも?)ので、対独に限定すれば空母は不要でしょう。

そしてソ連。これはかなり微妙だと感じます。対英ならば必要でしょうが、対独ならばフランスと同様不必要でしょう。黒海艦隊のことがありましたが、自国の領土をあそこまで侵略され、そこからの航空攻撃のため空母を持ちなさい、と言うのは酷な気がします。

最後にドイツ。先にあげた時間と金の制限の中では、空母より優先順位が高いのがUボートであることは間違いない(?)でしょう。

皆様ほど詳しくは無いのでトンチンカンなことを言っているかもしれません。ご容赦ください。

以上、長文失礼しました。

タイトルRe^17: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1986
投稿日: 2004/06/23(Wed) 22:59
投稿者山家
 またもや遅いレスになり、誠に申し訳ありません。他にもきちんとレスをすべきところがあるのですが、とりあえずこの部分についてのみ、まとめてのレスを失礼します。

 まず、私の考えは、史実を批判するのなら、史実の流れを前提に考えるべきであり、そうでないなら、最初からその旨を明らかにした上で、論ずるべきだということです。そして、史実で役立たなかったと非難するのなら、それに代わり実行可能な代案を検討すべきだということです。

 予算の問題ですが、史実を調べる限り、1930年代の欧州諸国は陸海空軍のうちで、陸軍や空軍を優先し、海軍を冷遇していました。独は仏や波から挟撃される状況から脱却するために、仏は独の再軍備に対抗するために、伊はエチオピア戦争を行うために、ソは自国の考えでは失われた正統な領土(バルト三国等)を回復するために等々、海軍は優先整備される存在ではありませんでした。こうした中で、史実の流れを前提とする限り、史実よりも海軍予算が増大するというのは、私にとっては考えにくいです。

 夜戦の問題ですが、ここ暫く伊海軍の水上艦の電探の装備率とその性能について、英海軍と比較し、更に当時の伊の技術力(開発能力と生産能力)を、英の技術力と比較して調査していました。まだまだ調査途中であり、トンデモHPに引っ掛かっているかもしれませんが、とりあえず現在の私の結論を述べると、伊海軍の水上艦の電探の装備率、性能共に、英海軍に遅れを取っており、当時の伊の技術力では、それを覆すのは極めて難しく、少々海軍が電探研究のために予算を投じた位では、民間の技術水準を引き上げて、伊の技術力が、英の技術力を凌駕するのは困難というものです。夜戦において、絶対の自信を持っていた日本海軍でさえ、米海軍の電探の目に苦杯をなめたことを考えると、夜戦を伊海軍が避けるのは、私としては無難な選択であると判断せざるを得ません。

 そして、制空権の確保に空母は不可欠とのことですが、それなら何故、北アフリカの枢軸軍は、補給を受けられたのでしょうか。ウィリーさまの御主張は、水上艦の直接支援の観点から制空権を判断することに重きを置きすぎだと私には思われます。マルタ島の英空軍が制圧されている間、伊海軍は充分な補給物資を北アフリカに届けています。水上艦を攻撃できる陸上航空基地や空母を陸上基地の航空隊に攻撃させることで制空権を確保し、水上艦を援護することは、前述の事例からも可能ではないでしょうか。航空機は基地ではなく、上空で破壊するものでしょうか。制空権を確保しようとするなら、敵の航空基地を攻撃すべきだと思いますし、それによって史実でも制空権が確保されたのではないでしょうか。それは机上の空論とおっしゃるのなら、何故、北アフリカの枢軸軍は抗戦できたのでしょうか。補給不足に枢軸軍は苦しんでいたという反論があるでしょうが、トリポリ等の補給港に物資が充分に届いていたのは、クレヴェルトの「補給戦」からも明らかです。

 それから、空母ですが、少なくとも輸送船団を直衛するのに用いることには、私の調べる限り、日米英とも否定的な評価を与えています。護衛空母は、ハンターキラーに組み込まれ、間接的に輸送船団を護衛するため等に使われるものです。何故なら、空母は搭載機を発着艦させる際には、風上等にしばらく航行せざるをえず、輸送船団の運行の障害になり、潜水艦等の好餌になるからです。発艦はカタパルトを用いることで何とかなりますが、着艦はどうしようもありません。これについては、水上艦支援の際にも同様の問題が生じます。更に言うと、欧州諸国の軍用機の航続時間は、要求されてきたエンジン性能の問題等から、日米の軍用機より劣っていました。すなわち、発着艦を頻繁に行う必要があり、この点で、日米の艦上機よりも問題が多発すると推測されます。

 それから、空母が有った方がいいのは、私も認めています。しかし、コストから空母よりも陸上機を欧州諸国が優先したのは止むを得ないといっているのです。例えば、雲竜1隻の値段は以前にも書きましたが、約8700万円、零戦の値段は約14万円です。雲竜1隻で、600機以上の零戦が買えるのです。600機以上の零戦よりも、雲竜1隻の方が制空権確保に役立つのでしょうか。

 ゲンガーさまにも、きちんとしたレスをお返しすべきなのですが、かなり長くなったので、今日はここまでにさせてください。

タイトルRe^17: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1992
投稿日: 2004/06/25(Fri) 23:30
投稿者山家
 ウィリーさまのおっしゃるとおり、かなり巨大なスレになっていますが、前回、ゲンガーさまに対するレスが事実上欠けてしまったので、こちらでのレスを失礼します。また、新しいウィリーさまのスレへのレスは、誠に申し訳ありませんが、調査や自分の考えをまとめるため、日をあらためて行わさせてください。

 これまで欧州諸国という形でまとめて考えてきましたが、ゲンガーさまの御意見を読み、国別であらためて考えたいと思います。

> まずイタリア海軍。これは空母はもつべきと考えます。イタリア海軍の第一の仮想敵は英地中海艦隊とクレタ・マルタ島の航空戦力ではないでしょうか。そして彼らの果たさなくてはならない使命は、北アフリカへのシーレーン確保だったと思います。それならば、輸送船団護衛のための航空戦力は必須で、それには空母(出来れば「週間カサブランカ」並みに大量に?)がベストの選択でしょう。

 伊海軍の第一の仮想敵は、192,30年代を通じて、仏海軍でした。少なくとも伊海軍は、英海軍に自分から戦争を仕掛けることは想定していませんでした。そして、仏海軍に対抗して、地中海の制海権を確保し、北アフリカへのシーレーンを確保する。そして、制空権は本土、シチリア、サルディニア、リビア等に展開する空軍で確保する、というのが基本構想です。そして、仏海軍はまともな空母を保有していません。つまり、仏海軍が空母戦力を強化しようとしない限り、伊海軍に空母の必要性はそう緊急のものではないのです。

> 次はフランス。仮想敵は何と言ってもドイツ、となれば海軍なんて無くても大勢に影響ない(言い過ぎかも?)ので、対独に限定すれば空母は不要でしょう。

 仏海軍は、北海、北大西洋の制海権は基本的に英海軍に任せ、自分の主力は伊海軍に向けての地中海の制海権確保が基本構想です。そして、こちらも地中海の制空権は本土、コルシカ、アルジェリア等に展開する空軍で確保して、という構想です。従って、伊海軍が空母戦力の強化を図らない限り(空母は建造して、すぐ戦力化できるものではありませんから、伊海軍の空母建造計画が分かった段階で、対抗すればよい。最もこれと同じことを伊海軍も考えていたわけですが)、自分も空母戦力を強化する必要はない、というのが、基本的な考えでした。なお、英海軍が攻めてきたら、どうするつもりだ、といわれそうですが、そのときは勇敢に戦い、善戦して死ぬまで、です。6割海軍でも敗北必至なのに、3割5分海軍で勝てるでしょうか。

> そしてソ連。これはかなり微妙だと感じます。対英ならば必要でしょうが、対独ならばフランスと同様不必要でしょう。黒海艦隊のことがありましたが、自国の領土をあそこまで侵略され、そこからの航空攻撃のため空母を持ちなさい、と言うのは酷な気がします。

 対英戦(北大西洋等の制海権確保)や対日戦(日本海や北太平洋の制海権確保)をソ連海軍が構想するのは、192,30年代の海軍力の圧倒的格差という現実から無理があるでしょう。対独戦、バルト海の制海権は重要ですし、黒海の制海権確保も重要ですし、それらなら可能でしょうが、共に空母がなくとも、空軍による制空権確保が可能である以上、制空権の確保については、その道を目指すべきでしょう。

> 最後にドイツ。先にあげた時間と金の制限の中では、空母より優先順位が高いのがUボートであることは間違いない(?)でしょう。

 これも否定できない現実だと思います。なお、空母1隻を通商破壊戦に投入するというのは、戦艦1隻よりも効率が悪いと思います。複数の正規空母を持った空母機動部隊を投入するというのなら話しは別ですが。例えば、グラーフ・ツェペリンを通商破壊戦に投入することを考えてみます。グラーフ・ツェッペリンの正確な搭載機数は諸説あるようですが、約40機です。この機数で索敵し、敵輸送船を攻撃して、更に自らの頭上を守る。どう計算してみても、敵輸送船の攻撃に1度に差し向けられる攻撃隊の規模は10機に足りませんし、上空を守れる戦闘機の数も10機未満です。これで、効果的な輸送船狩りができるでしょうか。それに英海軍は複数の空母をまとめてのハンターキラーによるグラーフ・ツェッペリン狩りを図るでしょう。何故なら1つ1つの輸送船団に空母を貼り付けるより、その方が効率がいいからです。更に、英潜水艦も独空母撃沈を目指すでしょう。もし、空母が単独航海しているのなら、潜水艦のイイカモです。駆逐艦で潜水艦に対処すればいい、とおっしゃられそうですが、独の駆逐艦の航続距離は日米英の平均以下で、長期の通商破壊作戦に随伴できるものではありません。 

タイトルRe^7: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1972
投稿日: 2004/06/11(Fri) 17:31
投稿者風間祐一
参照先http://www012.upp.so-net.ne.jp/kazama/index.html
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

> 私の出題の意図は、1930年代の英国を除く欧州諸国の海軍が空母を優先して整備する必要があったのか、また、それによってWWUの帰趨は変わったのか、ということです。極端なことを言えば、短期的な問題なのです。

 改めて確認させてください。
 山家さんの意図は、
「WWIIに間にあう空母はせいぜい1隻だけだから、実戦で活躍できるわけが無い。だから、空母の開発に使用したリソースを別のもの、例えば陸上機に使用していたとしたら、WWIIをもっと有利に戦えたのではないか?」
ということでよろしいでしょうか?

以上です。

タイトルRe^4: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1948
投稿日: 2004/06/03(Thu) 23:12
投稿者TraJan
 横レスですが、質問させてください。

>  ここで、費用対効果についても触れますと、山家さんは多分、費用対効果に関しては、第2次大戦にグラーフツェッペリンやベアルン、アキーラと言った計画されていた空母がもし参加したとして建造費に見合った活躍をしたかどうかで考えていると思います。しかしそういう考え方は意味がありません。最初の1隻だけで優れた費用対効果を発揮する新兵器なんてありません。

 ところで、風間さんはGツェッペリンを6隻揃えれば、優れた費用対効果を発揮していたとお考えでしょうか?

タイトルRe^5: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1950
投稿日: 2004/06/04(Fri) 00:56
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 TraJanさん、こんばんわ。

 TraJanさんはなにか誤解されていますね。
 新兵器の費用対効果は発揮「される」ものじゃありません。
> 数を揃え、運用を工夫することによって費用対効果は上げていくものなのです。

 最初に建造した1隻ないし2隻を運用して、改善点を出し、それを次の空母に反映してよりよい費用対効果を発揮「させる」のです。

>  ところで、風間さんはGツェッペリンを6隻揃えれば、優れた費用対効果を発揮していたとお考えでしょうか?

 ですから、こんな質問は意味がありません。日本海軍だって鳳翔を6隻も建造しましたか?
 とはいえ、Gツェッペリンが6隻も揃えば、その搭載機は200機を遙かに越えます。その時期がもし開戦当初だったら、使い方次第で英独の海の戦いを一変するほどの戦力だと思います。

以上です。

タイトルRe^6: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1951
投稿日: 2004/06/05(Sat) 01:00
投稿者TraJan
 風間さん こんにちは。

>  最初に建造した1隻ないし2隻を運用して、改善点を出し、それを次の空母に反映してよりよい費用対効果を発揮「させる」のです。

 「させる」のならば1隻でも発揮させることは可能ということになりますし、そもそも、費用便益分析する主体は、空母の運用主体とは異なりますから、風間さんの意見には無理があると思います。



>  ですから、こんな質問は意味がありません。日本海軍だって鳳翔を6隻も建造しましたか?

 鳳翔どころか日本軍は主力空母を6隻も持っていましたが・・・
 そもそも風間さんは空母1隻で費用対効果を云々しても意味がないと主張していたのではないですか?
 ですから1隻で意味がないならば6隻ではどうですか?という問いかけなんですが・・・。



>  とはいえ、Gツェッペリンが6隻も揃えば、その搭載機は200機を遙かに越えます。その時期がもし開戦当初だったら、使い方次第で英独の海の戦いを一変するほどの戦力だと思います。

 そのとおりですよね。
 ただし、(風間さんも賛成されると思いますが)空母6隻という数字には現実味がありませんよね。この現実味のない数字を前提とした費用便益分析を行うことに意義があるとは思えません。ドイツが建造できた空母はせいぜい1〜2隻が関の山でしょうからそれを前提に費用便益分析を行うのが妥当だと思います。

タイトルRe^7: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1953
投稿日: 2004/06/05(Sat) 12:45
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 TraJanさん こんにちは。

> >  ですから、こんな質問は意味がありません。日本海軍だって鳳翔を6隻も建造しましたか?
>
>  鳳翔どころか日本軍は主力空母を6隻も持っていましたが・・・
>  そもそも風間さんは空母1隻で費用対効果を云々しても意味がないと主張していたのではないですか?
>  ですから1隻で意味がないならば6隻ではどうですか?という問いかけなんですが・・・。

 TraJanさんの質問の意味を誤解していました。
 私は、最初に建造した−そのために多数の不具合を抱えているであろう−空母を多数持つことが費用対効果の改善につながるのか?という意味でなされた質問だと思っていました。
 単に数の問題だったのですね。それなら勿論費用対効果は改善しますよ。数が揃えば費用対効果が上昇するのは当然ですね。ただし、運用方法を間違った場合にはその限りではありません。そういう意味で費用対効果は発揮「させる」ものなのです。
 
>  ただし、(風間さんも賛成されると思いますが)空母6隻という数字には現実味がありませんよね。この現実味のない数字を前提とした費用便益分析を行うことに意義があるとは思えません。ドイツが建造できた空母はせいぜい1〜2隻が関の山でしょうからそれを前提に費用便益分析を行うのが妥当だと思います。

 1930年代にドイツで建造できる空母は確かに1〜2隻が関の山でしょう。それはその通りだと思います。TraJanさんはその1〜2隻の空母で費用便益分析するべきと言うことですね?その結果はどうなるとお考えですか?最初の1〜2隻の空母で高い効果を得られるとは私には思えませんので、きっと不要であると結論されるのだろうと思います。
 それで、不要とされた空母はそのまま捨て去ってしまうのですよね?なにしろ不要なのですから。と言うことは未来永劫空母は保有しないと言う結論になります。
 さて、日米英と言った空母を保有した海軍は最初の1〜2隻の空母の費用対効果を高く評価した結果、空母を大量に保有することになったのでしょうか?そうではないでしょう。鳳翔1隻で高い費用対効果を得られるとは私には思えません。
 つまり、必要不要を判断するために、最初の1隻で費用対効果を論じるのは妥当ではないのです。

 ここまで、書いてきてふと気になったのですが、もしかして私はお題を誤解しているのかな?
 私は「1930年代に仏独伊ソ等の欧州諸国の海軍に空母は本当に必要だったのでしょうか。」という問いかけに対して、大国の海軍には空母は不可欠だろうというスタンスで主張してきました。陸上機で艦隊を支援するのは無理だから、洋上航空兵力を有効活用するためには空母は必要だろうと。
 でももしかして、これって単に1930年代に、これら諸国が空母を保有したとして、それが第2次世界大戦に必要だったか?というような短期的な視点での問いかけだったのでしょうか?

以上です。

タイトルRe^8: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1960
投稿日: 2004/06/06(Sun) 22:47
投稿者TraJan
 風間さん こんにちは。

>  1930年代にドイツで建造できる空母は確かに1〜2隻が関の山でしょう。それはその通りだと思います。TraJanさんはその1〜2隻の空母で費用便益分析するべきと言うことですね?その結果はどうなるとお考えですか?最初の1〜2隻の空母で高い効果を得られるとは私には思えませんので、きっと不要であると結論されるのだろうと思います。
>  それで、不要とされた空母はそのまま捨て去ってしまうのですよね?なにしろ不要なのですから。と言うことは未来永劫空母は保有しないと言う結論になります。

 ちょっと議論の飛躍があるように思います。
 仮に空母1〜2隻の費用便益分析を行ったところ、他の代替措置に劣るという結果が出たとします。ここから導き出される結論は「1〜2の空母ならば不要である」ということに過ぎません。従って6隻空母を否定するものではありませんし、未来永劫空母が不要であるということにもなりません。



>  つまり、必要不要を判断するために、最初の1隻で費用対効果を論じるのは妥当ではないのです。

 確かに空母6隻の費用対効果は空母1隻の6倍ではありません。
 空母6隻の費用対効果は空母6隻として費用便益分析しなければなりません。




>  ここまで、書いてきてふと気になったのですが、もしかして私はお題を誤解しているのかな?
>  私は「1930年代に仏独伊ソ等の欧州諸国の海軍に空母は本当に必要だったのでしょうか。」という問いかけに対して、大国の海軍には空母は不可欠だろうというスタンスで主張してきました。陸上機で艦隊を支援するのは無理だから、洋上航空兵力を有効活用するためには空母は必要だろうと。
>  でももしかして、これって単に1930年代に、これら諸国が空母を保有したとして、それが第2次世界大戦に必要だったか?というような短期的な視点での問いかけだったのでしょうか?

 そうだと思います。
 ただし、私の指摘はポイントが異なりますが。

タイトルRe^9: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1961
投稿日: 2004/06/06(Sun) 23:08
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 TraJanさん、こんばんわ。

>  ちょっと議論の飛躍があるように思います。
>  仮に空母1〜2隻の費用便益分析を行ったところ、他の代替措置に劣るという結果が出たとします。ここから導き出される結論は「1〜2の空母ならば不要である」ということに過ぎません。従って6隻空母を否定するものではありませんし、未来永劫空母が不要であるということにもなりません。
>
> >  つまり、必要不要を判断するために、最初の1隻で費用対効果を論じるのは妥当ではないのです。
>
>  確かに空母6隻の費用対効果は空母1隻の6倍ではありません。
>  空母6隻の費用対効果は空母6隻として費用便益分析しなければなりません。

 なるほど、TraJanさんは最初の1〜2隻の空母の費用対効果が悪いと、もっとたくさん作って試してみようと考えるというわけですね。
 まぁ、そういう考え方も確かにあるとは思いますよ。

>  ただし、私の指摘はポイントが異なりますが。

 すみませんが、TraJanさんの指摘のポイントとやらはとても分かり難く、理解できません。できればもっと分かりやすく書いていただけませんか?せめて、TraJanさんは欧州海軍は空母を保有するべきだったか否かだけでもはっきりして下さいませんか?

以上です。

タイトルRe^10: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1962
投稿日: 2004/06/07(Mon) 00:50
投稿者TraJan
 風間さん こんにちは。

>  すみませんが、TraJanさんの指摘のポイントとやらはとても分かり難く、理解できません。できればもっと分かりやすく書いていただけませんか?せめて、TraJanさんは欧州海軍は空母を保有するべきだったか否かだけでもはっきりして下さいませんか?

 私は空母を保有すべきかどうかについての議論に加わっているつもりではありません。わかりにくいということですので、単純に述べます。


> ここで、費用対効果についても触れますと、山家さんは多分、費用対効果に関しては、第2次大戦にグラーフツェッペリンやベアルン、アキーラと言った計画されていた空母がもし参加したとして建造費に見合った活躍をしたかどうかで考えていると思います。しかしそういう考え方は意味がありません。最初の1隻だけで優れた費用対効果を発揮する新兵器なんてありません。数を揃え、運用を工夫することによって費用対効果は上げていくものなのです。日本海軍を例にとれば、鳳翔1隻で費用対効果を論じて空母の必要不要の判断材料にされますか?
(#1944より)

 上記の部分ですが、風間さんは費用便益分析の考え方を誤解しているのではないでしょうか?
 風間さんは「空母1隻の費用対効果を6倍しても空母6隻の費用対効果と等しくないので、費用便益分析は正しくない」との前提で意見を述べているように読めます。
 しかし、正しくは、空母1隻での費用便益分析を正しく行えば、「1隻の費用対効果」が、空母6隻での費用便益分析を行えば「空母6隻の費用対効果」が算出されます。(当然ながらこれらは6倍の関係ではありません。)
 これでお判りでしょうか。風間さんのこの部分の見解は間違っていると指摘しているのです。

タイトルRe^11: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
記事No1966
投稿日: 2004/06/08(Tue) 00:50
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 TraJanさん、こんばんわ。

>  私は空母を保有すべきかどうかについての議論に加わっているつもりではありません。

 はぁ、興味もない議論にわざわざ、、、それは、また、ご苦労様です。

 私の費用対効果の理解は国語辞書レベルですので、誤解しているのかもしれません。TraJanさんが、「風間さんはこう主張している」という以下の主張が、私自身にはさっぱり理解できませんので、きっとそうなのでしょう。

>  風間さんは「空母1隻の費用対効果を6倍しても空母6隻の費用対効果と等しくないので、費用便益分析は正しくない」との前提で意見を述べているように読めます。
>  しかし、正しくは、空母1隻での費用便益分析を正しく行えば、「1隻の費用対効果」が、空母6隻での費用便益分析を行えば「空母6隻の費用対効果」が算出されます。(当然ながらこれらは6倍の関係ではありません。)

 しかし、私が費用対効果の言葉の意味を誤解していたとしても、だからと言って私の主張が変わるわけではありません。

 最初に建造される空母の調達費用は、建造費と搭載機の調達費だけではなく、空母の研究開発費と艦載機の研究開発費が計上されます。そのため、その費用は莫大な額となります。その一方で最初の空母の及ぼす効果はどの程度でしょうか?山家さんに言わせれば、陸上機と水上機でできると言われる程度です。この見解は理論的には正しく、莫大な調達費用のことを考えあわせれば、不要という人の気持ちも分かります。
 しかし、これは空母だけのことでしょうか?このように初期導入時の莫大な費用に比べて最初に登場する新兵器はどれもこれもそんなに大きな効果を持っているわけではありません。つまり、最初の1隻の空母の効果を調達費用と相対評価することは間違っているのです。それが正しいのであれば、新兵器はどれもこれも導入できません。新兵器の評価は調達費用との相対評価ではなく、戦場での効果のみで評価すべきなのです。
 空母のこのような絶対評価はどうでしょうか?このツリーに参加している全員が「あった方が良い」と認めているように効果はあるのです。絶対評価で効果ありと言うことであれば、後は、数を揃え、運用を研究することにより、より効果を高め、初期の研究開発費をも含めた調達費用に見合う効果を発揮させていけばよいのです。

 私が空母の費用対効果と称して主張していたのは以上のような意味です。

以上です。

タイトルRe: 海軍航空隊について
記事No1945
投稿日: 2004/06/02(Wed) 02:25
投稿者AMI
本題からはややそれますが

>  それに仏独伊ソ等では、空軍を保有しており、その関係からも海軍の空母保有には困難があります。海軍独自の航空隊の保有を認めるのか、という問題が生じるからです。

 ドイツの艦載機が空軍所属だというのは、主にゲーリングの個人的資質に起因している印象が強かったのですが、これは認識不足で、空軍の確立している国において、陸軍や海軍が固有の航空部隊を保有するには官僚組織的困難さがあったということなのでしょうか?

タイトルRe^2: 海軍航空隊について
記事No1957
投稿日: 2004/06/06(Sun) 01:42
投稿者人間魚雷回天
> >  それに仏独伊ソ等では、空軍を保有しており、その関係からも海軍の空母保有には困難があります。海軍独自の航空隊の保有を認めるのか、という問題が生じるからです。
>
>  ドイツの艦載機が空軍所属だというのは、主にゲーリングの個人的資質に起因している印象が強かったのですが、これは認識不足で、空軍の確立している国において、陸軍や海軍が固有の航空部隊を保有するには官僚組織的困難さがあったということなのでしょうか?

フランスは大戦前には空母ベアルンを既に保有していたと思うんですが。
ソ連も空母のない頃から「海軍航空隊」があった記憶があるんですが。