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タイトル欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No1987
投稿日: 2004/06/24(Thu) 23:36
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
空母ツリーがあまりに巨大になりすぎたので
新規に立てることにしましょう。

・欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか。

空母の必要性を論じるならまずここを論じなければ意味がありません。

陸空軍に予算を喰われるから〜というのであるならば、
逆にもっと陸空軍に予算を回せばいい、という考え方も成り立ち得ます。
任務を果たし得ない中途半端な戦力を持つぐらいならば、
いっそその戦力がないほうがよい、というのは一つの考え方ですから。

しかし、これを論じるのであるならば、やはり

国のあり方>軍のあり方>軍のドクトリン>軍備計画

この線をはずすわけにはいきません。
そして、「史実の流れ」から検討するにせよ、
どの水準で検討するかによって検討の意味が全く変わってきます。
「国のあり方」を論じるのか、「軍のあり方」を論じるのか
「軍のドクトリン」の優劣を問うのか「軍備計画」とドクトリンの
整合性について論じるのか、ここが明確でなければ論じようがないのです。

もちろん、”海軍が”いかなる任務を果たすべきか、を
問うているのですから、「軍のあり方」の水準での話です。

この限りで、とりあえず主要大陸国4カ国を見てみましょうか。

1)ソ連の場合

一番わかりやすいのはこの国でしょう。
仮想敵は陸から攻めてくるのですから、陸で勝てれば海で負けても問題ないのです。
逆に陸で負ければ海でいくら勝っても全く意味がありません。
しかし、陸での勝利のためには陸上で戦力が集中出来なければなりませんから、
沿岸を防備して防衛線を短縮できることは必要です。
おまけに革命の余波でまともな海軍が備わってないのですから、
とりあえず沿岸海軍を作らなければ話になりません。

ここから、海軍の任務はあきらかです「海岸線の防衛」となります。

2)イタリアの場合

イタリアの場合、最重要の任務は「アフリカとの通商路の確保」
こうなる事は明らかでしょう。海の向こうに植民地を抱えてるのですから。
もし、アフリカとの通商路が確保できるのであれば、次の段階である
「地中海の制海権確保」=「地中海を我らが海とする」ことが
可能な戦力を保有するべく手を打つべきです。
さらに余裕があれば地中海の外へも目を向けることが出来るでしょうが
そのためにはスエズ運河かジブラルタル海峡の制圧が必須です。
おそらく、イタリアが超軍事国家になってイギリス打倒のために
国家の総力を傾けるのでないかぎり、第三段階は無理でしょう。

結論として「最低限通商路の確保:可能なら地中海の制海権確保」となります。

3)フランスの場合。

ある意味一番立場が難しいのがフランス海軍でしょう。
植民地はアフリカやアジアに広がっているので
可能であるならばこれら全体のシーレーン防御を行いたいところです。
が、隣国が大陸軍国ドイツなので軍事費の大半は陸軍回りに消えます。
結果、海軍への予算は削られるでしょうが、それでも必要最小限度の
任務は果たさなければなりません。

とりあえず、最低限アルジェリアへの通商路は確保出来ていないと
まるきり孤立させられます。
ビスケー湾からモロッコへの通商路も確保したいところ。
仏領赤道アフリカ全域へのアプローチが可能ならまあまあでしょうが、
仮想敵がイギリスであればこの程度でさえ欲の出し過ぎでしょう。
仮想敵をイタリアに置くなら、北アフリカへの補給が確保できれば
イタリア本国を陸軍で襲う方が手っ取り早いのも事実です。

結論として、海軍の任務は「アフリカ航路の確保:余力があればドイツ海軍的な遊撃戦用戦力を保持」
ぐらいになるでしょう。
イタリアが地中海制覇を目指すならアフリカ航路の確保がそのまま
西地中海の制海権確保と同義になるはずです。

4)ドイツの場合

まず最初に必要な任務はあきらかです。
「バルト海での沿岸防衛」
これが出来ないでは話になりません。
が、これを可能にするだけの戦力が存在する場合に、
いかなる任務を与えるかは非常な問題があります。
仮想敵をどこに置くかで全然意味が変わってくるのです。
仮想敵をフランスに置く限り海軍は何の役にも立ちません。
理論的にはイギリスが中立であればベルギーを海から迂回して
侵攻する事が可能になりますから、その種の強襲上陸能力を持つのも
一つの考え方です。が、常識を働かせると、このような場合
イギリスが参戦しないと考えるのはばかげてます。
結局、英国海軍相手に何が出来るかを考える必要がある
=その意味ではもっとも不幸な海軍と言って良いでしょう。

沿岸防衛のために、沿岸防衛用海軍を作ったところで
仮想敵が英国海軍であるために、正面から当たっては勝ち目がないのです。
なにか手品が必要です。そして、この手品の種が「海上ゲリラ戦」です。
ゲリラ戦の算術=攻撃側に対して防御側は10倍は必要=によって
圧倒的な数的劣勢を補うことで、イギリスがドイツ沿岸に投入可能な
戦力を引き下げて沿岸の制海権を確保する。
一種の間接的アプローチです。
そして、可能であれば、ゲリラ戦の経済学=攻撃側より防御側の方が経済的損耗が大きい=を用い、
経済的負担によってイギリスの戦闘能力を奪う。

結論として「遊撃戦による経済的消耗戦」ということになります。
戦争になった場合に敵に回す相手が悪すぎるのです。

−−−

ゲンガーさん宛のRES
基本的に私も欧州大陸国家の海軍の役割はその程度だろうと思います。ドイツ海軍についても、、バトル・オブ・ブリテンにルフトヴァッフェが圧勝出来るのであれば
U−Boatもビスマルクもグラフツェッペリンも全く不要だった可能性があるわけで、
極論すれば、イタリアを例外として「海軍なんて要らない」が結論になってしまいます。

海軍が必要であるイタリアだけが空母が必要であるのなら、つまり
「海軍」には空母が必要であるが、「海軍」が不要である国には
海軍が要らないから空母も要らない、というのが結論になりそうです。


−−−

以下山家さんへのRESとして。

>まず、私の考えは、史実を批判するのなら、史実の流れを前提に考えるべきであり、そうでないなら、最初からその旨を明らかにした上で、論ずるべきだということです。そして、史実で役立たなかったと非難するのなら、それに代わり実行可能な代案を検討すべきだということです。

史実とはなんぞや、ということを明確にしない限り
史実の流れという言葉には何の意味もありません。
よし史実とはなんぞや、という事に答えを出しても
それが誰にとっての史実なのかを明確に出来なければ
議論をするには何の役にも立ちません。
さらに、実行可能性を論じるのであるならば、
誰にとっての実行可能性かを明確にするのでない限り
何も言っていないのと同じです。

だから、私は、誰にとっての議論なのかをくどいぐらいに言うのです。
「欧州大陸国家」にとっての史実の流れも史実の流れです。
「欧州大陸国家海軍」にとっての史実の流れも史実の流れです。
「20世紀の技術発展」にとっての史実の流れも史実の流れです。
ほかにもこの件について発言権のある「史実の流れ」は存在するでしょう。
どの史実の流れを基準にするのか明確でなければ
史実の流れという言明それ自体が空疎でしかないのです。

「役に立たない」も同様。
誰にとって役に立たなかったのかが不明では
やはり意味のない言明なのです。

ともかく、上記の点をふまえて以下個別の点について。

>予算の問題ですが、

任務と予算とドクトリンを全部固定してしまえば
ほかの要素をどういじりまわそうとも最後の結論は不変です。
バラバラに論じる事自体が意味のないことです。
どれかは変更可能にしておかなければ
「結果は史実通り」に決まってますから議論の必要もありません。

>夜戦の問題ですが

輸送船が半日で港までたどり着けるなら夜戦を想定しないのも考え方です。
ですから、開戦後直ちに、いかなる犠牲を払ってでも
チュニスを確保するならそれはそれで見識だったでしょう。
夜戦は不可能だからそのときには逃げる。…輸送船は逃げられないから
全部地中海の埋め立てに使われる、そういう事も想像できなかったなら
一体イタリア海軍の将帥は何を考えて戦争計画を立てていたのでしょう。
むろん、短期に艦隊決戦を行ってイギリスの戦意を打ち砕くから
地中海航路の安全は考えなくて良い、というならそれはそれで
また一つの見識です。が、イタリア海軍は1940年を通じて
(つまり、重油がまだ多少は残っていた時期ですら)艦隊決戦を求めるより
逃げ回ることの方を選んでいた物です。

ここまでやっていることに一貫性がなければ軍備計画以前の問題です。
そして、やることに一貫性がないのなら、せめてオールラウンドに
任務がこなせるような訓練ぐらいは出来ていなければ話にならないのです。

>そして、制空権の確保に空母は不可欠とのことですが、

私はそんなことを言ってはいません。
まともな艦隊防空には空母が不可欠だと言っているだけです。
水上艦艇による制海権確保をあきらめて、
陸上機のみで制海権を確保するつもりなら全く話は別です。

が、私は海軍に可能な選択の話をしているのです。
まともな海軍航空隊が存在しているのであれば、
陸上航空隊による沿岸の制海権確保も可能でしょうが、
海軍航空隊がないのに一体どうやって「海軍」が
陸上機で制空権を確保出来るというのでしょうか。

マルタ島を巡る補給戦は、まさに「制空権即制海権」の実例と言う方が当たっているでしょう。
制空権を確保できない海域に水上艦艇を何隻送り込んでも
有人標的にしかならないのです。

>それから、空母ですが、

下の議論とこの議論とはかみ合っていません。
英国海軍は空母を艦隊の中に繰り入れて運用していましたが
べつにそれで不具合があったわけではありません。
第一、どうして欧州海軍の空母が敵陸上機の威力圏内で活動する必要があるのでしょう。
両軍とも〜あるいは敵側は〜空母以外に航空支援の得られないような場所でこそ、
欧州海軍の空母はもっとも役にたつであろうというのに。

>それから、空母が有った方がいいのは、

空母の予算が海軍航空隊に振り向けられるのならその議論もよろしいでしょう。
空母の予算が戦艦建造に回されるのであれば全くの無駄遣いです。
敵制空権下の水上艦は的でしかない、その実例ならいくらでもありますが、
そうでなかった実例を上げるのはきわめて困難なのです。

−−−

それで、山家さんに一つお聞きします。
いかなる「史実の流れ」が(つまり、誰にとっての史実の流れが)
「まともな海軍航空隊」を「欧州大陸国家」に生み出すことが出来るというのでしょうか。
英国海軍にだって陸上基地から発進するまともな能力を持った海軍航空隊なんてなかったというのに。

タイトルRe: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No1997
投稿日: 2004/06/27(Sun) 18:30
投稿者山家
 ウィリーさまへ。

 まず、前半部のウィリーさまの欧州各国の海軍の任務については、私もほぼ同意見なので、その部分については、レスを省略させてください。問題は、ウィリーさまが私に宛てた部分にあると思うので、そこにのみ絞って、論じたいと思います。

> 史実とはなんぞや、ということを明確にしない限り史実の流れという言葉には何の意味もありません。よし史実とはなんぞや、という事に答えを出してもそれが誰にとっての史実なのかを明確に出来なければ議論をするには何の役にも立ちません。さらに、実行可能性を論じるのであるならば、誰にとっての実行可能性かを明確にするのでない限り何も言っていないのと同じです。
>
> だから、私は、誰にとっての議論なのかをくどいぐらいに言うのです。「欧州大陸国家」にとっての史実の流れも史実の流れです。「欧州大陸国家海軍」にとっての史実の流れも史実の流れです。「20世紀の技術発展」にとっての史実の流れも史実の流れです。ほかにもこの件について発言権のある「史実の流れ」は存在するでしょう。どの史実の流れを基準にするのか明確でなければ史実の流れという言明それ自体が空疎でしかないのです。
>
> 「役に立たない」も同様。 誰にとって役に立たなかったのかが不明ではやはり意味のない言明なのです。

 私にとって、誰にとってというのならば、唯一つです。当時の欧州大陸国家の海軍にとって、です。そのうえでずっと述べてきています。私の説明の仕方がずっと大変悪かったようで、どうもすみませんでした。

> 任務と予算とドクトリンを全部固定してしまえばほかの要素をどういじりまわそうとも最後の結論は不変です。バラバラに論じる事自体が意味のないことです。どれかは変更可能にしておかなければ「結果は史実通り」に決まってますから議論の必要もありません。

 私が固定したのは、その3つの中では、予算のみのつもりだったのですが、それによって任務もドクトリンも固定されるのでしょうか。

> 輸送船が半日で港までたどり着けるなら、夜戦を想定しないのも考え方です。ですから、開戦後直ちに、いかなる犠牲を払ってでもチュニスを確保するなら、それはそれで見識だったでしょう。夜戦は不可能だからそのときには逃げる。…輸送船は逃げられないから、全部地中海の埋め立てに使われる、そういう事も想像できなかったなら、一体イタリア海軍の将帥は何を考えて戦争計画を立てていたのでしょう。 むろん、短期に艦隊決戦を行ってイギリスの戦意を打ち砕くから
地中海航路の安全は考えなくて良い、というならそれはそれでまた一つの見識です。が、イタリア海軍は1940年を通じて(つまり、重油がまだ多少は残っていた時期ですら)艦隊決戦を求めるより、逃げ回ることの方を選んでいた物です。

 まず、私は夜戦が不可能だとは言った覚えはありません。夜戦を避けるように努めたのは、止むを得ない判断だったと言っているのです。劣勢な海軍で、補充もままならないのに、勝算が無くともひたすら突撃していくのが、正しい戦法なのでしょうか。マルタ島を英艦隊の根拠地とすることを空軍の爆撃により不可能にすれば、英艦隊はどこから出撃してくるのでしょうか。アレクサンドリアか、ジブラルタルから英艦隊は出撃せざるを得なくなり、更にジブラルタルからの英艦隊はサルディニア、シチリアからの空軍の攻撃により、アレクサンドリアからの英艦隊はリビアからの空軍の攻撃により、阻止すれば、伊海軍は輸送船団を護衛して、リビアに到着できるのです。更に申し上げるならば、その逃げ回っていたという事実を挙げていただけないでしょうか。私の勉強不足かもしれませんが、出撃した伊艦隊が兵力的に優勢または同等でありながら、撤退した事実は無かったと思います。港に引きこもっていたことが、逃げ回っていたというのならば、日本海軍の方が逃げ回っています。何しろ、米国はサウスダコダやワシントンまでソロモン諸島での海空戦に投入したのに、金剛級戦艦しか投入していないのですから。

> 私はそんなことを言ってはいません。まともな艦隊防空には空母が不可欠だと言っているだけです。水上艦艇による制海権確保をあきらめて、陸上機のみで制海権を確保するつもりなら全く話は別です。

> が、私は海軍に可能な選択の話をしているのです。まともな海軍航空隊が存在しているのであれば、陸上航空隊による沿岸の制海権確保も可能でしょうが、海軍航空隊がないのに一体どうやって「海軍」が
陸上機で制空権を確保出来るというのでしょうか。

 制空権確保は空軍の任務であるとたびたび説明しています。何故、海軍航空隊でないと、制空権の確保ができないのでしょうか。海軍と空軍の連携が史実で悪かった以上、必要不可欠とおっしゃられるのでしょうが、日本海軍でさえ、マリアナ沖の惨敗等、制空権の確保で、海軍航空隊と水上艦隊の連携がうまく言っていたとは言い難いのです。一方、米国は陸軍航空隊と海軍とがうまく連携して、制空権の確保に努め、私の見る限り、成功しています。米国陸軍航空隊が成功したことを、各国の空軍に期待することが、絵空事とおっしゃられるのならば、私はこれ以上何も申し上げることはありません。それなら、各国に空軍は一切不要で、陸軍航空隊と海軍航空隊のままでいるのが正解だったと思います。

> 第一、どうして欧州海軍の空母が敵陸上機の威力圏内で活動する必要があるのでしょう。両軍とも〜あるいは敵側は〜空母以外に航空支援の得られないような場所でこそ、欧州海軍の空母はもっとも役にたつであろうというのに。

 それは一体どこなのでしょうか。北大西洋のど真ん中なら、そうもいえるでしょう。しかし、地中海も北海も両軍共に敵陸上機の威力圏内なのです。

> 空母の予算が海軍航空隊に振り向けられるのならその議論もよろしいでしょう。空母の予算が戦艦建造に回されるのであれば全くの無駄遣いです。敵制空権下の水上艦は的でしかない、その実例ならいくらでもありますが、そうでなかった実例を上げるのはきわめて困難なのです。

 上記の繰り返しになりますから、省略します。

> それで、山家さんに一つお聞きします。
> いかなる「史実の流れ」が(つまり、誰にとっての史実の流れが)
> 「まともな海軍航空隊」を「欧州大陸国家」に生み出すことが出来るというのでしょうか。英国海軍にだって陸上基地から発進するまともな能力を持った海軍航空隊なんてなかったというのに。

 逆にお伺いします。空軍は、海軍にとって脅威ではないのでしょうか。制空権なくして、制海権なし、ということは、空軍は海軍にとって脅威の存在だと思います。まともな海軍航空隊を整備する位なら、空軍を整備して、海軍と空軍の連携を高めたほうが効率的ではないでしょうか。わたしは、まともな海軍航空隊を整備するくらいなら、空軍を整備した方が効率的だと思います。水上艦隊を空母の艦載機で直接護衛するより、敵の航空基地や空母を叩くことで、制空権を確保した方が効率的だと考えます。

タイトル伊海軍の戦歴
記事No1998
投稿日: 2004/06/28(Mon) 00:51
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

> 更に申し上げるならば、その逃げ回っていたという事実を挙げていただけないでしょうか。

 イタリア海軍の大型艦(戦艦)の戦歴をちょっと調べてみました。
 時間順に並べてみます。

 カラブリア岬沖海戦では英戦艦1隻に対して伊海軍は2隻。伊海軍は先に1発喰らってすぐに煙幕を展帳して撤退。

 タラント空襲後、生き残りの艦艇はナポリに逃避。

 スバルティベント海戦では英戦艦1隻、空母1隻が出撃し、伊戦艦2隻が迎撃。伊が英戦艦を2隻と誤認して撤退。

 マタパン岬沖海戦では、伊戦艦1隻が出撃、英海軍は戦艦3隻、空母1隻。戦闘前の空襲で伊戦艦が魚雷を受けて撤退。

 第1次シルテ湾海戦では伊戦艦3隻、英戦艦なし。砲撃戦で優位を得るも日暮れと共に撤退。

 第2次シルテ湾海戦は伊戦艦1隻、英戦艦なし。こちらも砲撃戦で優位だったにも関わらず、日没と共に撤退。

 以上のように、ことごとく伊艦隊は撤退しています。
 勿論、それぞれ、それなりの理由があってのことなのですが、これだけ続くと逃げ回っていたと揶揄されても致し方ないでしょう。
 多分、山家さんは個々の海戦で伊艦隊が撤退した理由を挙げて反論されると思います。それらは私も承知しているのですが、大した戦果もなく撤退している以上、「いいわけ」に聞こえるのは否めません。
 多分、たった一度で良いので、伊海軍の大型水上艦が第1次ソロモン海戦や金剛、榛名のガ島砲撃のような華々しい大戦果を挙げていさえすれば、逃げ回っていただけなどと悪口を言われることもなかったと思います。

以上です。

タイトルRe^2: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No1999
投稿日: 2004/06/28(Mon) 16:10
投稿者ゲンガー
たびたびお邪魔いたします。ゲンガーです。

お二方からレスを頂きましてありがとうございます。本来なら頂いた個々のレスに対して返事を差し上げるべきなのですが、それは省かせていただいて新たにご意見をお聞かせください。対象は枢軸軍の地中海での戦いです。

ひとつは、マルタ島・英地中海艦隊に対する航空攻撃が枢軸軍輸送船団への英軍の攻撃力をそぎ落とし、間接的に輸送船団護衛を果たすか否か。二つ目は、もし陸上航空隊によって輸送船団の直掩を行おうとした場合それがどの程度容易なものなのか。最後は潜水艦に対する対応です。

1941年はじめ、地中海に進出した独空軍は英地中海艦隊やマルタ島に空爆を加え一時マルタ島の機能は停止寸前まで行きました。この時の北アフリカへの補給は順調だったので、山家さんがご指摘するとおり、少なくとも地中海ではシシリーやギリシャ、クレタなどを押さえれば英艦隊も含め、輸送船団への脅威は強力な陸上航空部隊で排除できそうです。史実はご存知の通り、バルバロッサによりシシリーの独空軍が引き抜かれたのでマルタは息を吹き返しました。もし、伊空軍が独空軍並みの戦闘力を持っていたら、バルバロッサの影響を受けずにそのままマルタへの圧力を加え続けることができ、完全制圧できたかもしれません。そういう意味では、海軍の空母より空軍の増強を、という主張もうなずけるものがあります。ところで、この時もしマルタが史実よりもう少ししぶとかったら、英艦隊の空母戦力が増強されていたとしたら、どうなったのでしょう。マルタ・英艦隊への攻撃を一の矢としたら、二の矢として船団直掩機を用意しなくても本当にいいのか。いかがお考えでしょうか。私は根が小心者ですので必要と思っています。

次に船団直掩機が必要として、それを陸上航空機で運営するのがどれほど容易なことなのか。この場合、英仏海峡突破と異なり、時間とともに空軍基地から離れていき、中間地点を過ぎると反対側の基地が護衛の任を受け継ぐ。こんな感じでしょう。CR42の航続距離は780Km、最大速度は430Km/h、片道300Kmを行動限界として(差の180Km分が空戦分)巡航速度300Km/hとすると出発後1時間で到着、空戦時間(これの推測が難しいのですが)を15分とします。入れ替え時のダブりを考えて10分間隔で直掩隊を発進させるとします。2時間15分で帰ってきますが当然休息が必要でしょうから、きりのいいところで4時間毎に出撃としますと一日3回の出撃となります。するとこの4時間分の部隊を確保すればよいことになります。10分刻みの出撃ですので24部隊(4時間X60分÷10分)、1部隊10機とすれば240機、これがイタリア側と北アフリカ側に必要になるので計480機。戦闘や事故による喪失等を考えると補充を含め600機くらいは必要になるのでしょうか。でもこれ燃料タンクを打ち抜かれたらもうヤバイですね。あと、航法に問題はないのでしょうか。洋上から無駄なく基地に帰れるくらいの技能がないと損失が大きくなります。先導機をつければよいかもしれませんが、先導機がやられたらどうしましょう。また日没まで護衛・日の出すぐから護衛する場合、基地への離着陸は闇の中で行わなければなりません。特に日没まで護衛した部隊は帰途の途中から闇の中です。私の感じはこれはやめておいたほうがいいのではないか、です。

最後に潜水艦への対応です。史実でも、相当数がマルタを根拠地にする英潜水艦によって沈められています。これに対処するのに陸上航空機・護衛艦・護衛空母のうちどれが一番最適でしょう。ハンターキラーの例にもあるように、航空機と護衛艦のバランスが大事です。護衛艦も必要ですが航空機も欠かせません。陸上機に対潜任務を任せようとすると、上の直掩機ほど数は必要ないでしょうが相当数の航空機が必要になるのではないでしょうか。

長くなりましたが、私の考えは一の矢として空軍の増強が効果ありますが、二の矢として船団直掩・対潜水艦戦力としての護衛空母必要であると思います。史実でも一の矢が頓挫して二の矢がなかったので北アフリカへの補給が崩壊したように思えます。

長文、失礼しました。

タイトルRe^3: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2000
投稿日: 2004/06/29(Tue) 01:43
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 ゲンガーさん、こんばんわ。

> 長くなりましたが、私の考えは一の矢として空軍の増強が効果ありますが、二の矢として船団直掩・対潜水艦戦力としての護衛空母必要であると思います。

 全く、その通りなのですが、国力とか考えると、空軍も空母もというのは無理だから、どちらにするべきかで、山家さんとウィリーさんは議論しているのです。
 山家さんは空軍、ウィリーさんは空母です。
 山家さんの主張は理屈としてはもっともらしいのですが、史実を鑑みるとウィリーさんの方を私は支持します。
 空軍にせよ、空母にせよ、使いこなせなければ意味はないのですが、より小さな規模で有効な空母の方が使いこなすに容易かな?というのも理由の一つです。
 ゲンガーさんが600機と算出した船団護衛は搭載機数40機ぐらいの軽空母1隻でこなせる任務ですし、基地航空戦で制空権を得るには敵に数倍する兵力が必要ですから。

以上です。

タイトルRe^4: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2001
投稿日: 2004/06/29(Tue) 09:58
投稿者ゲンガー
>  全く、その通りなのですが、国力とか考えると、空軍も空母もというのは無理だから、どちらにするべきかで、山家さんとウィリーさんは議論しているのです。

風間さん、ありがとうございます。二者択一ということですね。どちらがよりベターな選択になりえたのか。

>  山家さんは空軍、ウィリーさんは空母です。
>  山家さんの主張は理屈としてはもっともらしいのですが、史実を鑑みるとウィリーさんの方を私は支持します。

そのようなことでしたら、私は空軍増強の方がベターな選択だと思います。これは、イギリスを除く欧州各国海軍が基本的に沿岸海軍程度の任務で十分で、せいぜい地中海でのシーレーン確保を目指しているという条件の下でです。

風間さんのおっしゃっている史実とは、直掩機のいない艦隊は航空機の餌食であったり、ウィリーさんが挙げていた英仏海峡突破に見られる護衛機がいる艦隊は航空攻撃を排除できたことを言っているのだと思います。はじめの項目はその通りです。ただし、攻撃する航空機がいた場合には、です。山家さんの主張はそれをなくしてしまえ、というものでしょう。後半に関しては英空軍の能力の問題もあったのではないでしょうか。太平洋では直掩機のいる艦船が航空機でボコボコ沈められていますから。地中海でも独空軍は英空母に損害を与えています。

1941年前半の例があるように、山家さんの主張もそれが有効に機能する場合もあることは明確だと思います。

>  空軍にせよ、空母にせよ、使いこなせなければ意味はないのですが、より小さな規模で有効な空母の方が使いこなすに容易かな?というのも理由の一つです。

そうですね。でも陸上機による直掩なんて考えなければどちらも大差ないと感じます。

>  ゲンガーさんが600機と算出した船団護衛は搭載機数40機ぐらいの軽空母1隻でこなせる任務ですし、基地航空戦で制空権を得るには敵に数倍する兵力が必要ですから。

600機というのは適当な数字ですけど、陸上機で艦隊を護衛するのはごく特殊な事例を除き、恒常的にそれを任務とするのは得策ではないでしょう。艦隊に航空護衛をつけるのであれば空母が効果的かつ効率的な選択であるのは間違いないと思います。

私が空母を選ばなかった理由のひとつは、空母が沈められたあるいは沈まないまでも損害を受けて戦線離脱する可能性と空軍が大規模攻撃をかけられなくなるまで損害を受ける可能性のどちらが高いか、それとその状態から復帰するのはどちらが容易か、を考えて空軍を選択しました。

以上です。

タイトルRe^5: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2002
投稿日: 2004/06/30(Wed) 23:19
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 ゲンガーさん、こんばんわ。

> ただし、攻撃する航空機がいた場合には、です。山家さんの主張はそれをなくしてしまえ、というものでしょう。

 私が一番不思議なのは、これです。
 山家さんは、

> 敵の航空基地や空母を叩くことで、制空権を確保した方が効率的だと考えます。

と、言っていますが、本当にそうでしょうか?

 基地航空戦は消耗戦です。航空攻撃だけで敵航空基地を壊滅させることは非常に困難です。
 基地は爆撃されても修理すればよいし、航空機は破壊されても、補充するだけです。
 制空権を完全に得るには、敵が消耗に音を上げて引き下がるか、敵基地を陸上部隊で占領するしかありません。
 そのためには、少なくとも、敵に数倍する航空兵力を数ヶ月間継続して投入する必要があります。

 ドイツはこれを英国の戦いで試みて失敗しました。
 アメリカは太平洋の戦いで成功しています。恐らく、アメリカ並の補充能力がなければ、成功しないことなのでしょう。

 陸上航空機だけで洋上の完全な制空権を得ることは困難です。
 陸上航空機で船団の直接支援を行うことは困難です。

 勿論、空母があれば洋上の完全な制空権を得られると言っているわけではありません。しかし、空母は洋上の任意の地点に一時的な航空優勢を作り出すことができます。この能力こそが欧州諸国の海軍には必要なのではないでしょうか?

以上です。

タイトルRe^6: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2004
投稿日: 2004/07/01(Thu) 10:09
投稿者ゲンガー
風間さん、おはようございます。ゲンガーです。

>  基地航空戦は消耗戦です。航空攻撃だけで敵航空基地を壊滅させることは非常に困難です。
>  基地は爆撃されても修理すればよいし、航空機は破壊されても、補充するだけです。
>  制空権を完全に得るには、敵が消耗に音を上げて引き下がるか、敵基地を陸上部隊で占領するしかありません。
>  そのためには、少なくとも、敵に数倍する航空兵力を数ヶ月間継続して投入する必要があります。
>
>  ドイツはこれを英国の戦いで試みて失敗しました。
>  アメリカは太平洋の戦いで成功しています。恐らく、アメリカ並の補充能力がなければ、成功しないことなのでしょう。

基地航空戦が基本的に消耗戦であり航空攻撃だけで壊滅させるのが困難であることはその通りだと思います。ある基地を屈服させるのには次の3項目が必要でしょう。

1.反復して攻撃する。
2.補給を断つ。
3.陸上部隊を進出させ攻占領し自軍への補給を確保する。

ドイツの対英戦では「1」がいわゆるバトル・オブ・ブリテン、「2」がU-ボートによる通商破壊戦といえるでしょう。しかし「3」に関してはドイツはその能力を持っていなかったと判断されます。よって、たとえ「1」と「2」が史実以上にうまく運んでもイギリスは簡単には屈服しなかったでしょう。そういう点から、空軍重視(というよりは偏重?)戦略は一般論としてはうまく機能しないでしょう。やっぱりバランスが大事なのではないでしょう。

ですが、私が前のメールで述べたように、地中海限定ならば事情が変わってくると思います。英本土とマルタ島では自身が持つ継戦能力に雲泥の差があります。英本土に対して空軍は上の「1」の機能しか持ちませんが、マルタ島に対してはシシリー島を本拠地とする空軍は「2」の能力も持ちうると思います。その地点での生産能力がなければ、補給の途絶はいずれその基地の無力化につながります。よって、マルタ島に関しては上記「1」と「2」だけで目的は達せられるのではないでしょうか。

空母に対しては上の意見は当てはまらないですが、マルタ島が機能停止していた時期に枢軸軍の北アフリカへの補給が十分なレベルまで回復した点を見ると、強力な陸上航空部隊が空母への抑止力として機能していたのではないでしょうか。

>  陸上航空機だけで洋上の完全な制空権を得ることは困難です。
>  陸上航空機で船団の直接支援を行うことは困難です。

異論はまったくありません。船団上空の制空権への影響は間接的なものです。敵が一時的に船団上空の制空権を確保できる可能性は十分にあります。陸上航空機が船団護衛を常設の任務とするのは得策ではないと思います。

>  勿論、空母があれば洋上の完全な制空権を得られると言っているわけではありません。しかし、空母は洋上の任意の地点に一時的な航空優勢を作り出すことができます。この能力こそが欧州諸国の海軍には必要なのではないでしょうか?

船団の直接護衛に関して空母がベストの選択であることには異論はありません。ただ、二者択一ならば間接的な護衛が可能でかつ敵の本拠地を叩くこともできる空軍増強のほうが勝率が高いと思います。空母も敵基地の攻撃は可能ですが、陸上機の行動範囲内に基地があった地中海であるならば、投入機数、攻撃回数とも空母航空隊より有利にできる陸上航空部隊の方が効果的かつ効率的ではないでしょうか。

以上です。

タイトルRe^7: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2009
投稿日: 2004/07/02(Fri) 01:44
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 ゲンガーさん、こんばんわ。

> ですが、私が前のメールで述べたように、地中海限定ならば事情が変わってくると思います。英本土とマルタ島では自身が持つ継戦能力に雲泥の差があります。

 もしかして、イタリアが地中海の制空権を得る事に対する障害はマルタ島だけだと思っていませんか?
 まぁ、そう思っているのでしたら、ちょっと頑張れば空軍だけでもなんとかなると思いこんでも無理はありません。
 実際にはイタリアに敵対的な航空基地展開可能なエリアは、コルシカ島、アルジェリア、ギリシャ、フランス本土、クレタ島、etcと多数にのぼります。第2次世界大戦では、幸運にもマルタ島以外は全てドイツが占領、降伏させてくれたのでイタリアの敵はマルタ島だけになったに過ぎません。
 その最後に残ったマルタ島一つをイタリア空軍はまるで制圧できず、ドイツ空軍の力でなんとか航空優勢を獲得していた始末です。イタリア独力で地中海の制空権を獲得しようとしたら一体史実の何十倍の戦力が必要になるものやら私には、見当もつきません。

> ただ、二者択一ならば間接的な護衛が可能でかつ敵の本拠地を叩くこともできる空軍増強のほうが勝率が高いと思います。

 すみませんが、どれぐらいイタリア空軍を増強したら、どの程度勝率が高くなると計算されているのでしょうか?
 私はイタリアが地中海の制空権を得ることはできないと思っています。イタリア空軍の役割は敵が地中海の完全な制空権を握ることを妨害することであり、それ以上は望んでいません。
 輸送船団を通すときや艦隊の作戦で制空権が必要なとき、それが必要な場所に、一時的な航空優勢を空母によって作り出すことがイタリアが望める一番効率の良い選択肢ではないでしょうか?

以上です。

タイトルRe^8: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2012
投稿日: 2004/07/03(Sat) 19:03
投稿者ゲンガー
風間さん、こんにちは、ゲンガーです。

>  もしかして、イタリアが地中海の制空権を得る事に対する障害はマルタ島だけだと思っていませんか?
>  まぁ、そう思っているのでしたら、ちょっと頑張れば空軍だけでもなんとかなると思いこんでも無理はありません。
>  実際にはイタリアに敵対的な航空基地展開可能なエリアは、コルシカ島、アルジェリア、ギリシャ、フランス本土、クレタ島、etcと多数にのぼります。第2次世界大戦では、幸運にもマルタ島以外は全てドイツが占領、降伏させてくれたのでイタリアの敵はマルタ島だけになったに過ぎません。

もちろん、イタリアの地中海シーレーンの障害がマルタ島だけとは思っていません。ただ、実際に起こった事柄からかけ離れない、例えばフランスがまだ降伏していないとか、ドイツが参戦(というか先に手を出さないで)イタリア単独で英仏を相手にする、ことは想定の範囲外です。結論を言うとイタリア単独で対仏、対英とも陸上空軍力だけで地中海の制空権を確保するのは不可能でしょう。大戦末期のアメリカ並みの質と量の空軍力でも?です。

そこで、以下は基本的に史実どおりに進んでいて(ドイツが先端を開きフランス・ギリシア・クレタを攻略した)、その時イタリアは何を(空軍増強か空母建造か)すればよさそうなのか、に限定させてください。完全なIFだと不明な点があまりにも多くなりますので。例えばフランス空軍とイタリア空軍が史実の戦力で戦った場合、どちらが強かったのか、などというのは恐らく誰にもわからないでしょう。

>  その最後に残ったマルタ島一つをイタリア空軍はまるで制圧できず、ドイツ空軍の力でなんとか航空優勢を獲得していた始末です。イタリア独力で地中海の制空権を獲得しようとしたら一体史実の何十倍の戦力が必要になるものやら私には、見当もつきません。

イタリア空軍が地中海海域で華々しい戦果を挙げなかった、ということも私の知る範囲では事実だと思います。結局はドイツ軍が頼りであったと。どのくらいの戦力があれば制空権が確保できたのか、私にも「ここまでやれば」という明確な数字は出せません。兵器の質・パイロットの士気や技能がドイツ空軍と同レベルならドイツ空軍が地中海に展開した量あれば十分といえるでしょう。ですが、質を変え始めると何でもありになってしまうのでここは固定しましょう。

史実で、地中海での伊空軍と英空軍の戦いはどちらが有利だったのでしょうか。戦闘機同士でほぼ互角であれば、倍の機数で攻撃すれば相当有利に展開すると思います。不利な場合その度合いにもよりますが3倍くらいあればいいのではないかと感じます。多く見ても5倍くらいあればいいのではないでしょうか。(昔、ゼロ戦の熟練搭乗員が確か5機くらいの敵に囲まれて何とか逃げ帰ってきた、と言うのを読んだ記憶があります。ゼロ戦の軽快性と熟練パイロットの腕をしても5倍の敵相手には逃げ回るだけなのであれば、他に当てはめてみてもいいのではないかと感じます)

まとめると、マルタ島に展開している英戦闘機数の3倍の戦闘機の護衛を付けて反復攻撃すればマルタ島は機能停止しうる(イタリア空軍でも)。5倍あればほぼ確実(?)。

実際、イタリア空軍とイギリス空軍の戦い、そんなにイタリア空軍が情けなかったわけではないような気がします。ほとんど戦果は挙げられなかったのでしょうが、コテンパンにやられたと言うのもあまり聞きません。私の持っている乏しい情報の中に、イタリアのC.202ファルゴーレという戦闘機が北アフリカ戦線に1941年に投入されるとハリケーンやP-40と互角の戦いが出来るようになった、とありました。ですからこれ以降であれば、3倍程度の量の有利でマルタ島を沈黙させるのは可能だと思います。

>  すみませんが、どれぐらいイタリア空軍を増強したら、どの程度勝率が高くなると計算されているのでしょうか?
>  私はイタリアが地中海の制空権を得ることはできないと思っています。イタリア空軍の役割は敵が地中海の完全な制空権を握ることを妨害することであり、それ以上は望んでいません。
>  輸送船団を通すときや艦隊の作戦で制空権が必要なとき、それが必要な場所に、一時的な航空優勢を空母によって作り出すことがイタリアが望める一番効率の良い選択肢ではないでしょうか?

残念ながら、はっきりとした数字はだせません。(イタリア単独での戦いの勝率0%は確実でしょう)あと、誤解させるような書き方だったかもしれませんが、私のいう勝率とは全てが史実どおりでただ1点、ドイツ軍並みの攻撃をイタリア軍がマルタにできた場合と、空母を所有していた場合のシーレーン確保の確率のことです。

空母を導入して船団の制空権を確保するのに以下の点が私にとって疑問です。いかがお考えですか。

1.空母にも護衛艦が必要。イタリア海軍の所有艦艇数からみて問題はないのでしょうが、やる気が…
2.空母に積載している航空燃料・弾薬で搭載機は何回戦闘できるのか?それを越える回数攻撃を受けたらそれから先は無防備に近いものがあります。
3.単独でマルタ島に有効な効果をあげられなかった航空部隊の能力で部分的にしても制空権を確保できるのか。C.202が実戦配備される頃なら期待してもいいのでしょうがそれ以前は。
4.一度に直掩機数を越える数で攻撃される危険をどう排除するか、あるいは対処するか。
5.空母を喪失してしまったらその次の手はどうするか。

ここまで行くと重箱の隅をつついている気もしないわけではありませんが、よろしければお付き合いください。

以上です。

タイトルRe^9: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2013
投稿日: 2004/07/03(Sat) 22:57
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 ゲンガーさん、こんばんわ。

 結局、マルタ島だけが敵ですか。
 史実通りと言えば聞こえが良いのですが、ゲンガーさんの主張は簡単に言うと、以下のようになります。

------------
 1930年のイタリア。これからの地中海での軍備計画を考えています。
 「1939年に戦争が始まって、1940年には参戦しなければならないから、それまでに間に合わせないといけないな。そうすると、空母を開発、建造するのは無理かな。
 フランスは参戦直後に降伏するから、フランスの戦力は考えなくていい。ギリシャも1941年の春にドイツが占領してくれるから、その方面も気にする必要がないな。なんだ、そうすると敵はマルタ島だけじゃないか。だったら、空軍を増強してマルタ島の5倍も揃えれば楽勝だ。」
------------
#タイムマシンか、予言者が必要ですね(笑)。

> >  すみませんが、どれぐらいイタリア空軍を増強したら、どの程度勝率が高くなると計算されているのでしょうか?
> 残念ながら、はっきりとした数字はだせません。

 私もはっきりした答えが出るはずがないと思っていました。意地悪な質問でした。すみません。

> 空母を導入して船団の制空権を確保するのに以下の点が私にとって疑問です。いかがお考えですか。
>
> 1.空母にも護衛艦が必要。イタリア海軍の所有艦艇数からみて問題はないのでしょうが、やる気が…

 何が問題なのか分かりませんが?
 イタリア海軍は空母の護衛をまじめにやらないとでも言いたいのでしょうか?

> 2.空母に積載している航空燃料・弾薬で搭載機は何回戦闘できるのか?それを越える回数攻撃を受けたらそれから先は無防備に近いものがあります。

 地中海の作戦で1週間以上かかることもないでしょうし、不足することはないと思います。
 それとも、護衛任務の空母が航空燃料の不足を来したという事例があるのでしょうか?

> 3.単独でマルタ島に有効な効果をあげられなかった航空部隊の能力で部分的にしても制空権を確保できるのか。C.202が実戦配備される頃なら期待してもいいのでしょうがそれ以前は。

 マルタ島へ渡洋攻撃する場合と基地上空で防空戦を戦う場合では条件が全然違います。
 防空戦は敵の戦闘機と戦う必要がありません。敵の爆撃機を撃墜する必要もありません。ただ敵の攻撃を妨害するだけでよいのです。敵の護衛戦闘機にばたばたと撃墜されるようでは困りますが、そうでなければ要求される能力はそれほど高くありません。
 第一、空母に着艦できるほどの技量のパイロットの能力を心配しなければならないなら、その国の航空戦力全体の練度は全員素人ですよ。

> 4.一度に直掩機数を越える数で攻撃される危険をどう排除するか、あるいは対処するか。

 マルタ島だけからの攻撃で直援機数を越える攻撃を受けることは想定しがたく、また、別の複数の基地から多数の攻撃機を送り出すことは可能ですが、それを合流させることは至難です。
#目的地や洋上で合流するのは至難。基地上空でなら合流もできますが、航続距離や飛行時間の問題がありやはり困難。

 いずれにしても、私も空母を護衛に付ければ制空権を必ず得られると言っているわけではありません。空母は航空兵力の集中度で陸上基地を上回るので、洋上での航空優勢を得られるだろうと言っているだけです。ですから脅威度の低い航路を選定することが前提となります。
#だからといって、あまり回り道をすると別の危険が増えるのでなかなか難しいことではありますが。

> 5.空母を喪失してしまったらその次の手はどうするか。

 代わりの空母を用意するしかありません。それがなければ、史実通りになるだけです。
 この点は空母保有の最大の問題点です。沈められたら終わりじゃないかというのは全くその通りで、かと言って沈められることを恐れて消極的な運用しかしないのでは保有する意味がありません。
 やはり複数の空母を保有することが必要ですね。

> ここまで行くと重箱の隅をつついている気もしないわけではありませんが、よろしければお付き合いください。

 重箱の隅はつつき始めるとキリがありませんよ。
 空軍を増強すると言って、その予算は?
#海軍を無くしますか?
 パイロットは用意できるのですか?
#ただでさえ低い練度がますます低下しそうですね。
 基地は?
#陸上基地は思いの外運用できる機数は少ないので多数の機体を使用するには数多くの基地が必要になります。
 燃料は?
#ドイツも航空燃料をそんなにたくさん融通してはくれないでしょう。
 運用は? 多数の航空機を一度に投入した場合、統制は取れますか?
#5倍の敵に囲まれればエースパイロットも逃げ回るしかありませんが、1機ずつ5回なら充分に戦えます。

 規模を大きくするのは簡単そうに見えて、問題も大きいのです。
 私が空母にこだわるのは、規模を大きくしなくてすむことも理由の一つです。上述した空軍増強の問題は空母保有に関しては大きく緩和されます。
 予算はアキーラの建造直前までいっているので、史実に上乗せする予算はそれほどでもありません。恐らく、旧式戦艦の改装費用を充てればなんとかなるでしょう。
 パイロット、燃料の問題は増分の機数が空軍増強に比べれば遙かに少ないので問題は緩和されます。
 基地と運用は空母が正にそのために存在するので全く問題がありません。

以上です。

タイトルRe^10: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2015
投稿日: 2004/07/04(Sun) 01:13
投稿者ゲンガー
風間さん、こんばんわ。ゲンガーです。

>  結局、マルタ島だけが敵ですか。

決してそういうわけではありません。ギリシア・クレタ・チュニジアやアルジェリア等には陸上航空隊のみで間接的な船団護衛は不可能だと思っていますしそのように前の投稿で述べたつもりでした。

> #タイムマシンか、予言者が必要ですね(笑)。

これもその通りです。全てを知った上での後知恵計画であることは間違いありません。ですが、これは一番初めの投稿に述べたとおり(と思うのですが)史実や航空機の能力等を知った上でどうすればいいか、という方向で投稿させていただきましたのでご容赦ください。

> > 1.空母にも護衛艦が必要。イタリア海軍の所有艦艇数からみて問題はないのでしょうが、やる気が…
>
>  何が問題なのか分かりませんが?
>  イタリア海軍は空母の護衛をまじめにやらないとでも言いたいのでしょうか?

これも最近読んだものなのですが(コマンド最新号のロイヤルネイビー追加シナリオ)、海軍上層部は実戦部隊に「圧倒的に優位な状況でない限り、敵と交戦してはならない」と命令していたそうです。前後の文脈からこれが史実であると判断したのですが、もしそれが正しければ下手すると空母自体が逃げ帰ったのかなぁ、と思ったのです。

> > 2.空母に積載している航空燃料・弾薬で搭載機は何回戦闘できるのか?それを越える回数攻撃を受けたらそれから先は無防備に近いものがあります。
>
>  地中海の作戦で1週間以上かかることもないでしょうし、不足することはないと思います。
>  それとも、護衛任務の空母が航空燃料の不足を来したという事例があるのでしょうか?

航空燃料の不足をきたした事例はないでしょう。ただ単純に、洋上補給をしない限り、港で積み込んだ物資の制限がありますので、それがどれくらいなのかわからなかったので尋ねただけです。ちなみに、イタリアーリビアの最短コースは3日で到着するそうです。太平洋での戦いは、燃料・弾薬欠乏の前に敵が戦域から離脱したり、稼動機数が減ったりして戦いが終結したと理解しています。

> > 3.単独でマルタ島に有効な効果をあげられなかった航空部隊の能力で部分的にしても制空権を確保できるのか。C.202が実戦配備される頃なら期待してもいいのでしょうがそれ以前は。
>
>  マルタ島へ渡洋攻撃する場合と基地上空で防空戦を戦う場合では条件が全然違います。
>  防空戦は敵の戦闘機と戦う必要がありません。敵の爆撃機を撃墜する必要もありません。ただ敵の攻撃を妨害するだけでよいのです。敵の護衛戦闘機にばたばたと撃墜されるようでは困りますが、そうでなければ要求される能力はそれほど高くありません。

この点は納得いきかねます。攻撃機を護衛するために随伴している戦闘機は、防御側戦闘機による妨害を阻止する目的できているわけですから、その攻撃をかいくぐって攻撃機の行動を妨害するのはそれほど簡単だとは思えません。数の優位とか技量の差でそのような状況はありえますがその逆もありえるでしょう。早期警戒システムがある程度できていたバトル・オブ・ブリテンの防空側英空軍があれほど苦戦(と私は思います)したのを見ると、それなりの能力を持った防空側もそれなりの能力を持った攻撃側の意図を排除するのは簡単ではないと思います。

>  第一、空母に着艦できるほどの技量のパイロットの能力を心配しなければならないなら、その国の航空戦力全体の練度は全員素人ですよ。

太平洋では米空母戦闘部隊はゼロ戦相手に初めのうちは大苦戦しています。それはパイロットの能力だけの問題ではないでしょう。陸海空どこの戦いでも戦力の大きな方が勝つ確率が高いと思います。ここでいう戦力とは単に数だけでなく兵器の質、兵士の士気・技量等を総合的にみたものです。陸なら地形効果も入るでしょう。これらは掛け算で計算されるものでしょう。質や士気・技量の不足はある程度数で補える。逆もまた然り。数の制限がきつい空母戦闘機部隊について他の要素でどこまでカバーできるのか、その問いかけでした。

> > 4.一度に直掩機数を越える数で攻撃される危険をどう排除するか、あるいは対処するか。
>
>  マルタ島だけからの攻撃で直援機数を越える攻撃を受けることは想定しがたく、また、別の複数の基地から多数の攻撃機を送り出すことは可能ですが、それを合流させることは至難です。
> #目的地や洋上で合流するのは至難。基地上空でなら合流もできますが、航続距離や飛行時間の問題がありやはり困難。

私も複数の基地から発進した攻撃機が合流するのは、現在なら可能でしょうが当時は困難であったことは同意します。ただ、勉強不足でマルタ島にどれだけの航空機が配備可能だったのかわからないことと、英空母が日本並みに集中運用された時、複数の空母が必要なのではないかと思いまして尋ねてみました。

>  いずれにしても、私も空母を護衛に付ければ制空権を必ず得られると言っているわけではありません。空母は航空兵力の集中度で陸上基地を上回るので、洋上での航空優勢を得られるだろうと言っているだけです。ですから脅威度の低い航路を選定することが前提となります。
> #だからといって、あまり回り道をすると別の危険が増えるのでなかなか難しいことではありますが。

もちろん、私の方も断言できません。お互い実際に起きてないことですから白黒はっきりしないのでしょうね。
ちなみに、マルタから雷装ウェリントンは長靴の先からトリポリまでが行動圏です。2t爆弾搭載ウェリントンはローマ以南のイタリア本土、ギリシア沿岸地域、エル・アゲイラ、ベンガジが行動範囲です。ブレニムですとトブルクがぎりぎり行動範囲外になります。マルタが生きていればできるだけ東寄りを選ぶのでしょうがそれでも攻撃機の行動範囲内で、かつあまり東によるとエジプトからの行動範囲に入ってしまいます。こちらのコースを取るのであれば空母は必須でしょうね。

>  重箱の隅はつつき始めるとキリがありませんよ。
>  空軍を増強すると言って、その予算は?
> #海軍を無くしますか?
>  パイロットは用意できるのですか?
> #ただでさえ低い練度がますます低下しそうですね。
>  基地は?
> #陸上基地は思いの外運用できる機数は少ないので多数の機体を使用するには数多くの基地が必要になります。
>  燃料は?
> #ドイツも航空燃料をそんなにたくさん融通してはくれないでしょう。
>  運用は? 多数の航空機を一度に投入した場合、統制は取れますか?
> #5倍の敵に囲まれればエースパイロットも逃げ回るしかありませんが、1機ずつ5回なら充分に戦えます。
>
>  規模を大きくするのは簡単そうに見えて、問題も大きいのです。
>  私が空母にこだわるのは、規模を大きくしなくてすむことも理由の一つです。上述した空軍増強の問題は空母保有に関しては大きく緩和されます。
>  予算はアキーラの建造直前までいっているので、史実に上乗せする予算はそれほどでもありません。恐らく、旧式戦艦の改装費用を充てればなんとかなるでしょう。
>  パイロット、燃料の問題は増分の機数が空軍増強に比べれば遙かに少ないので問題は緩和されます。
>  基地と運用は空母が正にそのために存在するので全く問題がありません。

空軍増強を押しておいてこんなこというのはお叱りを受けるかもしれませんが、実際にやろうと思ったら滅茶苦茶大変だとは感じます。できない可能性も決して小さくありません。ただ、長くなるので風間さんからの返信は削除しましたが、空母喪失を想定した次の手を考えると空母の方に旗を揚げることができません。

相手の得意分野で足を止めての殴り合いは分が悪いと思います。まぁ、イタリア相手のイギリスは陸海空すべてにおいて得意分野なのでしょうが、その中でも空が一番ギャップを埋めやすい(万が一にもひっくり返せるかもしれない)と感じます。空母も本質は空の戦力(そのプラットフォームに過ぎない)ですが、実体が海にあるので海の戦力の影響を強く受けます。かたや陸上の空の戦力は海の戦力の影響を無視できます(兵糧攻めや艦隊からの攻撃が効く場合もありますが)。この考えもあってどうしても空軍の方に傾いてしまいます。

以上、たびたびの長文、失礼しました。

タイトルRe^11: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2017
投稿日: 2004/07/04(Sun) 19:13
投稿者ゲンガー
こんにちは、ゲンガーです。

どうも私が細かいところにこだわりすぎて私自身混乱してきました。整理の意味で再レスさせていただきます。

陸上航空機のみでどんな形にせよ船団の護衛ができるのか、という問いに関しては例外はあるけど基本的にはできないが私の考えです。その例外のひとつがシシリー島にドイツ空軍が進出した時点での地中海です。ちなみに、シシリー島に独伊空軍は350機展開していました。かたや英軍はマルタに最大で数個飛行中隊が配備できたに過ぎません。イギリスの1個飛行中隊は12機編成ですの、最大で100機くらいの勢力です。ほぼ同等のレベルであれば2〜3倍の量の優位さで機能停止まで持ち込める一例だと思います。

護衛空母がなしえる船団護衛の効果は疑いようのないものだと思います。

さて、私が主張していた空軍増強ですが、冷静に考えてみると大切な前提を明言していませんでした。そしてそれはこの議論の前提から外れていたのではないかと感じています。それは

「ドイツ空軍がシシリーから主力を引き抜いた時点で、イタリアには空母があった方が良かったのか、それともいなくなったドイツ空軍の働きをカバーしうる空軍があった方が良かったのか」

この論点で述べておきながら本来の趣旨にのっといたつもりになっていました。余計な混乱を招いたようで申し訳ありませんでした。

ここで本来の論点「1930年代に欧州海軍に空母は必要だったか」に戻ってみますと、はじめに述べたとおり、陸上航空機では船団護衛はできないと思っていますし、1930年代に40年のマルタの状況を予測しえたか、は風間さんのご指摘どおりタイムマシンか超能力者が必要ですので、その判断を下すのは不可能です。よって、イタリア海軍は北アフリカへのシーレーン防衛を任務とする限り、空母は必要である、と思います。節操がないと言われるでしょうが…

勘違いとはいえ混乱させて本当に申し訳ありません。でも、これに懲りずにこれからもたびたび投稿していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

以上です。

タイトルRe^12: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2019
投稿日: 2004/07/04(Sun) 23:19
投稿者山家
 どこにつなぐか迷いましたが、ここにもレスしておこうと思います。

 風間さまとゲンガーさまの論争を拝見していて、私の主張が全くの説明不足で誤解を与えていたことに気付きました。

 私としては、WWU当時の欧州海軍が保有している空母は、精々1隻か2隻で、合計の艦上機は100機にも満たないという前提で、ずっと考えてきました。更に空母に搭載しているのは海軍航空隊で、それ以外の海軍航空隊は、対潜哨戒用の飛行艇か大型陸上機、それに水上艦に搭載する水上機程度ということで考えてきました。

 1回の戦闘でいえば、空母を保有した方が有利です。しかし、戦争は基本的に1回の戦闘で終了するものではありません。戦闘が何回も行われるものです。あれだけ大規模な海軍航空隊を保有していた日本海軍でも、珊瑚海海戦後のミッドウェー海戦に瑞鶴への搭載機(搭乗員を含む)の補充が間に合わない、ろ号作戦の消耗により半年後のマリアナ沖海戦での搭乗員が練度不足等々、搭載機と搭乗員の確保に悩んでいます。米国でも大規模な海軍航空隊が存在しましたが、搭乗員養成のために外輪式の空母をわざわざ建造(改装だったかもしれません)しています。1回の戦闘が終わり、搭載機(及び搭乗員)が消耗した場合、欧州諸国の空母は補充をどうするのでしょうか。空軍から人員を派遣してもらうのでしょうか。空軍がそれにどこまで応じてくれるでしょうか、それに空母からの発着艦訓練は意外と大変なものです。そして、搭載機が無くなった空母は戦力として役に立たなくなります。

 それで、やむなく空軍による敵航空基地攻撃の方が有用と判断したのです。これにより、少なくとも味方の輸送船団等を襲う攻撃隊の規模を小さくさせることはできるからです。それに、ソロモン諸島での航空戦を調べる限り、複数の基地から発進した航空隊が集合して100機以上で攻撃を行った例もあります。防空用の戦闘機のみを搭載させても1隻の空母に搭載できるのは精々80機程度、常時滞空できるのはその半分以下、これでは所詮防空に徹しても攻撃隊を阻止するのは無理と判断しました。それならば、上記に書いた理由もあり、空軍で敵航空基地を攻撃する、攻勢防御が最善と判断しました。

タイトルRe^13: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2021
投稿日: 2004/07/06(Tue) 00:14
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

 損耗の観点から言えば、空母艦載機よりも、基地航空戦での陸上機の損耗の方が長いスパンで見れば遙かに大きくなります。
 陸上機の損耗が艦載機のそれよりも遙かに大きいから、艦載機を陸揚げして基地航空戦に投入するなんて作戦が成立したのでしょう?これが逆なら最初から成立しません。
 特に、この場合の比較対照は護衛空母と敵基地を制圧するための基地航空戦です。
 空母艦載機の戦闘機の損耗というのは思いの外に低いものなのです。戦闘機は敵戦闘機と戦うことができます。対艦攻撃は行わないので対空放火を受けることも基本的にありません。ですから空母戦ゲームなどプレイするとよく分かるのですが、空母戦を終えた空母の艦載機は戦闘機ばかりになっています。
 特に護衛空母は基本的に迎撃戦ですので、撃墜されても脱出できればパイロットは救えますから、損耗は最小限に抑えられます。
 それに空母の場合には、損耗が激しければ出撃しないという選択肢もあります。
 それに対して、基地航空戦は、特に山家さんが主張される、敵基地制圧戦は長躯進撃した末の敵地上空での戦いですので、疲労により戦闘は不利ですし、撃墜されたパイロットは帰ってきません。その上損傷機は帰還できない可能性もあります。そのため損耗率が大きいのです。更に、空母の様に戦闘を避けることもできません。出撃を手控えてもそれに合わせて敵も出撃を手控えてくれるわけではないからです。勿論、迎撃戦となれば、護衛空母と同じ有利は得られますが、敵基地の制圧という目的は果たせません。

> ソロモン諸島での航空戦を調べる限り、複数の基地から発進した航空隊が集合して100機以上で攻撃を行った例もあります。

 この事例の詳細をお教え願えませんか?
 何十キロも離れた基地を発した攻撃隊が敵艦隊上空で合流できるというのは信じがたいものがあります。

以上です。

タイトルRe^14: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2023
投稿日: 2004/07/06(Tue) 14:48
投稿者ゲンガー
皆さんこんにちは。またお邪魔させて頂きます。ゲンガーです。

1.消耗について

船団防空任務の艦載機と敵基地攻撃任務の陸上機で考えますと、私は風間さんの意見に賛成します。敵基地攻撃であるならば、当然爆撃機の損害も出るでしょう。その場合、1機につき複数の人員が失われます。脱出した乗員の救助も防御側が有利です。自軍の勢力範囲内での行動ですから。

戦闘時に関しても結論は風間さんの意見に賛成です。というのは、基地防空戦闘機隊は、いつ来るかわからない敵襲に常に備えていけなければならない緊張感を持続する必要があります。これは意外と聞いてくると思います。攻撃側の飛行距離にもよりますが互角に近いと思います。けれども、これが空母であれば、見つからなければ敵は来ない、という感情の逃げ道があるので基地防空隊ほど精神的疲労はないでしょう。あと、船団が目的地につけば休めますし。基地防空隊はなかなか休めません。

2.補充について

艦載機の乗員訓練のために練習用空母は必須でしょうから、このために例え軽巡クラスを大改装して間に合わせたとしても人・物・金に負担がかかるのは事実です。

戦争時にどちらの負担が大きいか。私はそれほど極端な差はないと思います。発着艦訓練はさほど簡単ではないでしょう。練習中の彼らの護衛も必要でしょう(外海で行うため)。ですが、上で述べたとおり、量の点では基地航空隊のほうが負担大です。求められる技能(操縦士、爆撃手など)は違いすぎるのでわかりません。

ですから、ここは雰囲気でしかものが言えませんが、大して変わらないような気がします。

以上です。

タイトルRe^15: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2029
投稿日: 2004/07/10(Sat) 23:09
投稿者山家
 最近、いろいろとあって心身が消耗しており、すっかりレスが遅くなりました。本来なら、もっと多数の書籍等を当たって、きちんとした返事を書くべきなのですが、手持ちの「ラバウル海軍航空隊」とネット情報のみでのレスで失礼します。また、ウィリーさまにもきちんとした御返事をせねばならないのですが、心身の不調により、ここのみのレスに今日はさせて下さい。ウィリーさまのお怒りをますます買いそうですが、どうかお許しくださるように伏してお願いします。

 まず、海上通商(輸送)路の維持ですが、空母の搭載機が消耗したから、といって、商船(輸送船)の運航を止めることができるでしょうか。商船の運航を維持するために、商船団を編成して、空母と護衛駆逐艦戦隊で護衛せねばなりません。そのためにどれだけの護衛空母と艦載機が必要でしょうか。

 例えば、ダンピールの悲劇の時には、3月3日の第一次攻撃に85機の米陸軍機が襲い掛かっています。当時41機の零戦が上空警戒に当たっていましたが、高度選択のミス等もあり、輸送船7隻、駆逐艦4隻が沈没し、輸送船団は全滅しています。

 これは最悪の戦訓の1つですが、これから考える限り、戦闘機30機程度を搭載した護衛空母1隻では、せめて電探と常時効果的な防空システムを構築していない限り、敵基地航空隊の空襲を阻止できないと思われてなりません。

 確かに迎撃に徹すれば、戦闘機と搭乗員の消耗は、長距離攻撃する場合より、少なくて済みます。しかし、航空攻撃に対し、迎撃を効率的に成功させるには、上述のように、電探とそれを有効に活用できるシステムが必要不可欠です。あれだけの歴史と規模を誇る米海軍でもそれが構築できたのは、1944年頃ではないでしょうか。いつ来襲するか分からない敵機の存在、そして、迎撃が成功するかは確実ではない、これらを勘案すれば、攻撃は最大の防御(少なくとも戦術的なイニシャチブはこちらで握れます)として、空軍による敵基地先制攻撃の方がまだましではないか、と私は考えるのです。空母の搭載機が消耗したから、といって、北アフリカへの輸送船の運航を止めるわけにはいかないのですから。

 風間様の御疑問についてですが、ガダルカナルの敵輸送船団の攻撃を、ラバウルの陸攻がブカの零戦と合流して100機規模で行った例をネットで見た覚えがあるのですが、「ラバウル航空隊」によると、ラバウルの陸攻がラエの零戦と合流してポートモレスビーを昭和17年5月14日に空襲したり、ラバウルの陸攻がブカの零戦と合流してガダルカナルを昭和17年8月29日に空襲したりした例が複数あるのみで、規模も総数3,40機程度のようですので、記憶違いによる書き込みをしたようです。本当にすみませんでした。

タイトルRe^16: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2030
投稿日: 2004/07/11(Sun) 17:35
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

>  例えば、ダンピールの悲劇の時には、3月3日の第一次攻撃に85機の米陸軍機が襲い掛かっています。当時41機の零戦が上空警戒に当たっていましたが、高度選択のミス等もあり、輸送船7隻、駆逐艦4隻が沈没し、輸送船団は全滅しています。

 このビスマルク海海戦の経過は、早期に次々に飛来した米陸軍機のべ60機以上(護衛の20機のP−38を含む)の攻撃は26機の零戦の迎撃でことごとく阻止されています。
#ラバウルからの零戦の増援19機がこの直後に合流。
 船団を壊滅させたのは、その直後の20機程度の反跳爆撃によるもので、これは迎撃機の高度選択のミスで迎撃に失敗したためです。
 つまりこの海戦の戦訓は迎撃に成功すれば攻撃は阻止できる。迎撃に失敗しないように迎撃機を適切に指揮する必要がある。ということです。

>  確かに迎撃に徹すれば、戦闘機と搭乗員の消耗は、長距離攻撃する場合より、少なくて済みます。しかし、航空攻撃に対し、迎撃を効率的に成功させるには、上述のように、電探とそれを有効に活用できるシステムが必要不可欠です。

 どうしてレーダーがないと決めつけるのでしょうか?
 この場合、必要なのは対空見張りレーダーであり、技術的には最も開発しやすいレーダーです。開発の必要があればイタリアだって開発できるでしょう。日本だって開発できたぐらいです。それに基地航空戦を戦うにしても対空見張りレーダーは必要でしょう。
 それにどうしても開発できないとなれば、ドイツから購入するという方法もあります。大規模なレーダー網を整備しようと言うのではないのです(基地航空戦を戦うためにはそれが必要ですが)。最悪、空母に一つ積むだけでも何とかなるのですから、方法はあるはずです。

> 攻撃は最大の防御(少なくとも戦術的なイニシャチブはこちらで握れます)として、空軍による敵基地先制攻撃の方がまだましではないか、と私は考えるのです。

 山家さんはイタリア空軍が地中海の制空権を完全に取れると考えているのでしょうか?
 そのためにはどれだけの空軍増強が必要でしょうか?
 それは空母を諦めるぐらいの予算で可能とする根拠は何でしょうか?

以上です。

タイトルRe^17: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2039
投稿日: 2004/07/19(Mon) 14:20
投稿者山家
 完全に議論が平行線になっていることもあり、こちらに対するレスもこれで最後にさせてください。

 一部要約してのレスを失礼します。
>  つまりこの海戦の戦訓は迎撃に成功すれば攻撃は阻止できる。迎撃に失敗しないように迎撃機を適切に指揮する必要がある。ということです。
>  この場合、必要なのは対空見張りレーダーであり、技術的には最も開発しやすいレーダーです。開発の必要があればイタリアだって開発できるでしょう。日本だって開発できたぐらいです。それに基地航空戦を戦うにしても対空見張りレーダーは必要でしょう。
>  それにどうしても開発できないとなれば、ドイツから購入するという方法もあります。大規模なレーダー網を整備しようと言うのではないのです(基地航空戦を戦うためにはそれが必要ですが)。最悪、空母に一つ積むだけでも何とかなるのですから、方法はあるはずです。

 私の主張が誤解されているようです。電探とそれを有効に活用できるシステムが必要だ、と私は述べています。電探により探知しても、それを有効に利用できるシステムが無いと迎撃は極めて困難なのです。例えば、地中海の実例ですが、1941年1月10日に行われたマルタ島輸送船団に対する独第10航空団による空襲を空母イラストリアスの艦載機が迎撃していますが、結局、イラストリアスの損傷を阻止できませんでした。これらのことから、電探とそれを有効に利用できるシステムが必要不可欠であると述べているのです。

>  山家さんはイタリア空軍が地中海の制空権を完全に取れると考えているのでしょうか?
>  そのためにはどれだけの空軍増強が必要でしょうか?
>  それは空母を諦めるぐらいの予算で可能とする根拠は何でしょうか?

 ここも誤解があります。地中海の制空権完全確保ではなく、北アフリカに対する輸送船団の被害を減少させる方策を私は述べてきているのです。地中海の制空権を完全に英空軍は確保していなくとも、北アフリカに対する枢軸側の輸送船団は英空軍の影に脅えねばなりませんでしたし、逆に独伊空軍は地中海の制空権を完全には確保していませんでしたが、独伊空軍の妨害により、マルタ島への輸送は困難を極めています。

 以前、書きましたが、日本の場合、雲竜級空母1隻の予算と零戦600機の予算がほぼ同額なのです。これは伊の場合でもそう変わらないとして、私は考えてきています。それで、空母1隻による輸送船団護衛よりも、空軍機600機の増強による航空撃滅戦の方が、より効果的ではないか、としてずっと述べてきたのです。余り申し上げたくないのですが、風間さまは、伊の空母部隊をどれ位の規模であると考えて述べてきておられるのでしょうか。マルタ島への輸送船団を英空母が護衛していても、輸送船団に対する損害を完全には阻止しきっていないのです。

タイトルRe^18: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2043
投稿日: 2004/07/21(Wed) 00:40
投稿者風間祐一
どうも風間です。

 山家さん、こんばんわ。

>  完全に議論が平行線になっていることもあり、こちらに対するレスもこれで最後にさせてください。

 構いません。私としては、ゲンガーさんとの議論で述べるべきは述べたと思っていますので。

>  私の主張が誤解されているようです。電探とそれを有効に活用できるシステムが必要だ、と私は述べています。電探により探知しても、それを有効に利用できるシステムが無いと迎撃は極めて困難なのです。

 レーダーと無線機による誘導、その司令部機能を設置するプラットフォームとしての空母。
 物理的に必要なものは揃えることが可能です。それを有効なシステムにできるかどうかはドクトリンと訓練によります。とりあえず必要なものは揃えられる見通しは立つのですから、後は努力次第でしょう。
#確かにイタリア軍にそんなことできないという、山家さんの主張も対象がイタリア軍なだけに説得力あるのですが(笑)

 それに、電探による早期警戒システムは基地航空戦でも必要だと思いますし、それは空母に構築するものよりも遙かに大規模で実現困難なものになるだろうと思うのですが、山家さんの構想ではそんなものは必要ないほど、一方的な制空権を得る予定なのでしょうね。

>  ここも誤解があります。

 何が誤解なのか分からないのですが、
> 地中海の制空権を完全に英空軍は確保していなくとも、北アフリカに対する枢軸側の輸送船団は英空軍の影に脅えねばなりませんでしたし、逆に独伊空軍は地中海の制空権を完全には確保していませんでしたが、独伊空軍の妨害により、マルタ島への輸送は困難を極めています。
という史実があるので、
> 北アフリカに対する輸送船団の被害を減少させる
ためには、
> 地中海の制空権完全確保
が必要ということになります。

>  以前、書きましたが、日本の場合、雲竜級空母1隻の予算と零戦600機の予算がほぼ同額なのです。これは伊の場合でもそう変わらないとして、私は考えてきています。それで、空母1隻による輸送船団護衛よりも、空軍機600機の増強による航空撃滅戦の方が、より効果的ではないか、としてずっと述べてきたのです。

 ゲンガーさんとの議論でそういった単なる規模の拡大は問題もまた大きいと指摘しました。

> 余り申し上げたくないのですが、風間さまは、伊の空母部隊をどれ位の規模であると考えて述べてきておられるのでしょうか。

 どんな規模でも良いと思います。それに見合った使い方をすれば、それに見合った働きをしてくれるでしょう。1隻なら1隻なりの、10隻なら10隻なりの効果が見込めると思いますよ。要は使い方次第です。空母にはそれだけの柔軟性がありますから。

以上です。

タイトルRe^4: 枝つくり
記事No2005
投稿日: 2004/07/01(Thu) 19:25
投稿者AMI
みなさん、いつも興味深いお話しをありがとうございます

>  ゲンガーさんが600機と算出した船団護衛は搭載機数40機ぐらいの軽空母1隻でこなせる任務ですし、基地航空戦で制空権を得るには敵に数倍する兵力が必要ですから。

 ここでちょっと疑問が湧いたのですが、搭載機40機程度の軽空母1隻と同等の予算で陸上基地航空隊なら何機程度整備できるのでしょう?

タイトルRe^5: 枝つくり
記事No2007
投稿日: 2004/07/02(Fri) 00:09
投稿者ゲンガー
>  ここでちょっと疑問が湧いたのですが、搭載機40機程度の軽空母1隻と同等の予算で陸上基地航空隊なら何機程度整備できるのでしょう?

AMIさん、
はじめまして、ゲンガーです。

前に山家さんが日本の空母と戦闘機を価格を調べていました。問いの搭載機40機位と少し異なります。まあ欧州で作っても大差ないとして、

雲竜型空母 約8700万円 搭載機約60機
ゼロ戦   約14万円

だそうです。製造コストで言えば雲竜型空母1隻とその搭載機で約9000万円、それを全部ゼロ戦に回せば700機弱です。ハードはこんなところですが、ソフト特に人員に関してはどうなんでしょう。空母乗組員と戦闘機パイロット、基地のサポート要員。雲竜型の乗組員は1000人強いるようです。これには当然搭載機の整備員等も含まれています。600機程航空機が増えた時に必要なサポート要員の増分はどれくらいなのでしょうか。ちょっと見当がつきません。あと、600人のパイロットと1000人くらいの空母乗組員を数だけで比較するのは恐らく間違っていると思います。求められる技能や適性が違いすぎますから。ただ、同じパイロットでも空母機と陸上機では空母機の方が高いレベルを求められるでしょうから、ますます複雑になります。これに維持のことを考慮すると…。

当時の海軍の決算報告書を精査でもしないと出てこないかもしれませんね。

はっきりとした答えになってませんね。ごめんなさい。

タイトルRe^6: 枝つくり
記事No2008
投稿日: 2004/07/02(Fri) 00:52
投稿者ゲンガー
半分自己レスです。

維持のことを言って気がつきました。空母を導入するとして、艦載機搭乗員の発着艦訓練はどのようにしましょう。平時はいいのですが、戦時には補充要員の訓練のため別に練習空母が必要になるのではないでしょうか。言い方は悪いですが練習空母は手抜きで作ってもかまわないと思いますが…これ、意外と大事なことと思いますがいかがですか。

以上です。

タイトルRe^2: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2010
投稿日: 2004/07/03(Sat) 16:39
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
遅くなりました。
多分、この問いにだけ答えればすべてに答えたことになるでしょう。

>  逆にお伺いします。空軍は、海軍にとって脅威ではないのでしょうか。制空権なくして、制海権なし、ということは、空軍は海軍にとって脅威の存在だと思います。まともな海軍航空隊を整備する位なら、空軍を整備して、海軍と空軍の連携を高めたほうが効率的ではないでしょうか。わたしは、まともな海軍航空隊を整備するくらいなら、空軍を整備した方が効率的だと思います。水上艦隊を空母の艦載機で直接護衛するより、敵の航空基地や空母を叩くことで、制空権を確保した方が効率的だと考えます。

空軍は海軍にとって脅威です。
しかも、これは、二重の意味で脅威になります。
第一に敵空軍が脅威になります。
制空権がなければまともな索敵が出来ず
まともな索敵が出来なければこちらは有効な攻撃が出来ないのに
敵は望むとき望む場所で望む手段を用いて攻撃できます。
それだけでも圧倒的に不利になります。
おまけに航空機は雷撃可能な距離まで
「あっ」っという間に間合いを詰めてきます。
(鈍足ソードフィッシュですら90kt.世界最高速の駆逐艦の2倍速いのです)
それだけでも十分に脅威になります。

が、海軍にとっての脅威は反対側からもやってきます。
自国空軍もまた海軍にとっては強大な敵になります。
自国空軍に依存する度合いが増せば増すだけ
海軍の存在意義が低下するのです。

沿岸防御だけなら強力な陸上航空隊だけで十分可能であることは
ノルウェーキャンペーンで立証されてしまいました。
渡洋作戦ですら十分な航空戦力があれば
敵海軍が圧倒的戦力を持っていても
可能であることもまたクレタ島で証明されてしまいました。
となると海軍に必要なことはせいぜい夜間に敵を追い払う能力ぐらいですが、
その程度なら夜戦専門の水雷戦隊と潜水艦で十分間に合うのです。

それはつまり、海軍が空軍の補助戦力に成り下がる、という事と同義です。
だから私は最初に「誰にとっての」と言って聞いたんです。
よし強力な空軍による沿岸防御が望ましいものだったとしても、
それが採用されることは海軍にとって死刑宣告同然です。
だから、「海軍に」という前提条件を入れれば
まともな海軍航空隊か空母かが絶対に必要です。

第一、空軍は独自の判断で「船という船をみな沈める」ような戦い方をするほうが
海軍と協力しながら戦うよりよほど戦いやすいのは事実です。
それでは空軍と海軍の協力が成立する余地がないではありませんか。

さて、私は質問に答えました。
山家さんも質問に答える気になってくれるとよいのですが。

タイトルRe^3: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2018
投稿日: 2004/07/04(Sun) 22:42
投稿者山家
 一部要約してのレスで失礼します。ウィリーさまの御主張が今一つ分かりかねます。

> が、海軍にとっての脅威は反対側からもやってきます。自国空軍もまた海軍にとっては強大な敵になります。自国空軍に依存する度合いが増せば増すだけ海軍の存在意義が低下するのです。
>
> 沿岸防御だけなら強力な陸上航空隊だけで十分可能であることはノルウェーキャンペーンで立証されてしまいました。渡洋作戦ですら十分な航空戦力があれば敵海軍が圧倒的戦力を持っていても可能であることもまたクレタ島で証明されてしまいました。となると海軍に必要なことはせいぜい夜間に敵を追い払う能力ぐらいですが、その程度なら夜戦専門の水雷戦隊と潜水艦で十分間に合うのです。
>
> それはつまり、海軍が空軍の補助戦力に成り下がる、という事と同義です。だから私は最初に「誰にとっての」と言って聞いたんです。よし強力な空軍による沿岸防御が望ましいものだったとしても、それが採用されることは海軍にとって死刑宣告同然です。だから、「海軍に」という前提条件を入れればまともな海軍航空隊か空母かが絶対に必要です。

 何故、海軍にとって死刑宣告なのでしょうか。空軍で沿岸防御をすることは可能です。また、渡洋作戦を行うのに、空軍だけでの第一撃を行うことも可能です。しかし、その侵攻部隊の補給を空輸だけで、どれだけ賄えるでしょうか。WWUにおいて、渡洋作戦の第一撃後を空輸のみで1ヶ月でも持ち堪えたことは無かった、と思います。侵攻部隊の補給を行うのに輸送船は必要不可欠ですし、その護衛に海軍は不要なのでしょうか。それに海軍の第一の任務は、自国の海上通商路を保護することです。例えば、自国の海上通商路に脅威を与える潜水艦狩りを空軍のみで行えるのでしょうか。それに、水雷戦隊と潜水艦のみでは、海軍ではないとおっしゃられるのは何故なのでしょうか。それが何故、海軍ではないのか、私には分かりません。

> 第一、空軍は独自の判断で「船という船をみな沈める」ような戦い方をするほうが海軍と協力しながら戦うよりよほど戦いやすいのは事実です。それでは空軍と海軍の協力が成立する余地がないではありませんか。

 ここも私には分かりません。例えば、空軍が自国の海上通商路に脅威を与える敵の海軍の軍艦を沈めるのは、自国の海上通商路を保護する海軍に対する協力にならないのは何故でしょうか。

タイトルRe^4: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2026
投稿日: 2004/07/07(Wed) 22:10
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
お願いだから物事をきちんと整理して思考してもらえませんか?

あまり言いたくもないのですが、どの次元で物事をとらえるのか
はっきりとさせておいてくれなければ話のしようもないのです。

もっとも、今回の質問には簡潔な答えは存在します。

海軍に出来ることは空軍にも出来る。
空軍に出来ることは海軍には出来ない。

もしそうなら、海軍に何の存在価値があるのですか?

…どうしましょうかね。説明を続けた方がいいんでしょうか。
私はおいてけぼりにしてるんでしょうか。
第一、私は最初の質問の回答はまだもらってないのですが。

まあいいです。答えやすい質問を一つしますから。

そもそも、海軍は空軍に一体なにを提供できるでしょう?

少し考えてみてください。大体私の言いたいことがわかると思いますから。

タイトルRe^5: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2037
投稿日: 2004/07/19(Mon) 13:49
投稿者山家
 どう返事を書くべきか、考えているうちに大変遅くなり、すみませんでした。

 空軍ができることは、海軍にはできない、というウィリーさまのお考えを10日以上も考え続けましたが、どうにも私には理解できませんので、ここに対するレスは終了させてください。

 海軍は空軍に一体なにを提供できるのでしょうか、それに対しても、ウィリーさまのお考えが、10日以上も考え続けたのですが、どうにも私には理解できませんでしたので、ここに対するレスは終了させてください。

タイトルRe^6: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
記事No2042
投稿日: 2004/07/20(Tue) 23:36
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
>  空軍ができることは、海軍にはできない、というウィリーさまのお考えを10日以上も考え続けましたが、どうにも私には理解できませんので、ここに対するレスは終了させてください。

そんな難しいことを言ってるわけではありません。
10万人規模の軍を空輸だけで維持するのは
それほど無茶な空軍の拡張をしなくても出来る、というだけの話です。
欧州海軍の任務として「北アフリカへの通商路の確保」を上げたことを思い出してもらえれば、
沿岸防衛と北アフリカへの輸送程度なら空軍だけで出来るのなら、
つまり海軍なし、空軍のみでも十分「国家レベル」での
任務は遂行できる、ということになります。

>  海軍は空軍に一体なにを提供できるのでしょうか、それに対しても、ウィリーさまのお考えが、10日以上も考え続けたのですが、どうにも私には理解できませんでしたので、ここに対するレスは終了させてください。

これも難しいことを言っている訳ではありません。
何を提供できるか考えて、答えられないならそれが答えです。
答えられないとすれば、要するに答えられないのですから、
…提供できる物がないのです。

−−−

先に手っ取り早い答えは出しませんでした。
多少は自分で考えてもらわないと困るんです。
そういう手順を省くと、
考える前に拒絶反応起こす人も中にはいますから。

#山家さんがそうだ、と言っているわけではないですが。

つまり、欧州海軍が空母を作る予算を空軍に回した方が効率的なら
戦艦や巡洋艦を作る予算も空軍に回せば
なお一層効率的な軍備になるのです。

もし、そうでなければ、海軍には出来るが空軍には不可能な
任務を見つけ出してきて必要性を示す事が出来たはずです。
あるいは海軍が空軍が任務を遂行するのに必要不可欠な
何かを提供する事で海軍の必要性を示すことが出来たはずです。
それが出来ないなら、そんなものは
(欧州大陸国の海軍には)ないのです。

そして、必要性がない、という結論を出されたなら、
それがつまり死刑宣告、ということになりませんか?