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タイトルドイツ第6軍は救えたか
記事No2096
投稿日: 2004/12/25(Sat) 18:44
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html
こんにちは。学研から来年3月発売予定のムック本「図説・スターリングラード攻防戦」の中で、ドイツ軍はどうやったら包囲環の第6軍を救えたか、という原稿を書かせてもらいました。私の結論は「第6軍に所属する3個装甲師団と3個自動車化歩兵師団を包囲環が閉じる前にチル川方面に脱出させ、救出部隊と合流させる」というものでしたが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。

原稿はもう編集部に送って作業を進めていますので、ここでの議論が誌面に反映する可能性は低いですが、現在製作中のゲーム「パウルス第6軍」(シックス・アングルズ第10号付録)のバランス設定で、参考にさせていただくかもしれません。難しい問題の解決に、他人の知恵をタダで拝借しようという、虫のいい考えかもしれませんが(笑)、こうすれば第6軍を救えたというアイデアをお持ちの方がおられましたら、ぜひお聞かせください。

タイトルRe: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2097
投稿日: 2004/12/26(Sun) 17:55
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
こんばんは、山崎さん。

>こうすれば第6軍を救えたというアイデアをお持ちの方がおられましたら、ぜひお聞かせください。

こういう場合、救えた、の定義が問題でしょう。
第六軍の戦力を救出することを救えたとするか、
人員だけでも脱出できれば救えたとするのかによって
条件が全然変わってきます。

とりあえず、考え得るパターンは次の3つでしょうか。

1)包囲直後に機械化部隊のみ一旦脱出させ友軍戦線に到達後反転逆襲
 (キロウォグラード流ですね)
2)第六軍が空中補給を受けつつ自力で脱出
 (マンシュタイン最後のバックハンドブロー流ですね)
3)チル川戦線の崩壊を度外視して冬の嵐に投入する戦力を増す。
 (第一装甲軍とソ連軍とでロストフへの競争をやることになります)

それぞれ一長一短でしょう。
1)案は正攻法です。が、2点考慮しなければなりません。
第六軍機械化部隊が早期に脱出作戦を実施して友軍戦線にたどり着けるか?
歩兵部隊のみでスターリングラード包囲陣がソ連軍相手に維持できるか?
いずれにせよ、機械化部隊だけでも友軍戦線にたどり着ければ
馬鹿にならない戦力ですし、機械化部隊が脱出できないなら
歩兵部隊だって脱出できないはずなので、第六軍の戦力を救出するという
観点からは最有力候補であることは間違いないでしょう。

2)案。兵員を出来るだけ多く脱出させるのならこの案を推したいところです。
たとえ戦力としての第六軍は脱出できなかったとしても、
コルスン包囲陣よろしく、いくらかの兵員は脱出できるでしょう。
問題は、脱出作戦が始まっている最中に(この時点で脱出方向が分かる)
救援部隊が第六軍の所までたどり着けるかどうかです。

史実ではまず救出部隊が攻撃に出て、その後第六軍が脱出する手はずでした。
その手順を逆にしただけの作戦が本当に成功するのかどうか?
この作戦がうまくいくようなら、史実で霹靂が発動されても
やはり脱出できたのではないか?

私は、どちらの場合でも、パウル・カレルの書く
コルスン戦のような結末になるだろうと思ってます。

3)All or Nothingの勝負をやるならこれで決まりです。
成功すればロストフへ向けて突き進むソ連軍の背後に
第六軍の拳骨を振り下ろすことが出来ます。
でも、失敗すればA軍集団B軍集団双方が壊滅です。

成功する可能性も高いとは思えませんが、
ヒトラーの要求を満たしうる作戦を立てるとしたらこれぐらいしか思いつきません。

こんな所でしょうか。
奇策としては空軍を総動員して空から計画的に兵員を脱出させる、とか
捕虜交換を申し入れて第六軍を”交渉で”すくいだす、なんてのも思いつきますけど、
ここまでやるとファンタジーの世界でしょうね。

タイトルRe^2: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2100
投稿日: 2004/12/28(Tue) 20:06
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html
ウィリー さん、こんにちは。

> こういう場合、救えた、の定義が問題でしょう。
> 第六軍の戦力を救出することを救えたとするか、
> 人員だけでも脱出できれば救えたとするのかによって
> 条件が全然変わってきます。

おっしゃる通りですね。私としては、コルスンの場合と同程度、つまり重装備を失っても兵員の半数以上を生還させられる状況を考えています。

> 1)案は正攻法です。が、2点考慮しなければなりません。
> 第六軍機械化部隊が早期に脱出作戦を実施して友軍戦線にたどり着けるか?

実は、ほとんど知られていないことですが(私自身も少し前まで知らなかった)、第6軍の機械化部隊のいくつかは、包囲環が完成するまでの数日間、ドン川の西岸に移動して、そこでソ連軍に反撃してるんですよね。ソ連軍の第26戦車軍団がカラチの橋を確保するのは11月22日の午前6時ですが、ドイツ軍の第24装甲師団は11月20日にスターリングラードを出発してカラチへ到着、21日に橋を東から西へと渡って北西へと進出し、第4戦車軍団に小規模な反撃を行っています。同師団はその後、第6軍によって包囲環の内部へと呼び戻され、11月23日にペスコヴァトカでドン川を再渡河して(西から東に)、11月27日にはスターリングラード市内へと舞い戻りました。また、同師団の他にも、第16装甲師団の一部は11月20日、第3自動車化歩兵師団は11月23日に西への転進を命じられており、第16装甲師団の一部は第11歩兵軍団のドン川渡河撤退(第6軍本隊方向への退却)を支援するために、実際にドン川の対岸で防御戦闘を行っていました。
南部の第29自動車化歩兵師団も、第4装甲軍によって包囲環の内部へと転進させられましたが、装備兵力の充実度と機動力を考えれば、ニジネ・チルスカヤ方面への脱出は充分可能だったと思われます。

> 2)案。兵員を出来るだけ多く脱出させるのならこの案を推したいところです。
> たとえ戦力としての第六軍は脱出できなかったとしても、
> コルスン包囲陣よろしく、いくらかの兵員は脱出できるでしょう。
> 問題は、脱出作戦が始まっている最中に(この時点で脱出方向が分かる)
> 救援部隊が第六軍の所までたどり着けるかどうかです。
> 史実ではまず救出部隊が攻撃に出て、その後第六軍が脱出する手はずでした。
> その手順を逆にしただけの作戦が本当に成功するのかどうか?

救出作戦の手順としては、コルスンの場合と同様でよかったと思いますよ。マンシュタインが回想録で書いているように、チル川方面から進出してカラチの橋を奪うことができれば、成功の可能性は飛躍的に高まると思います。

> 私は、どちらの場合でも、パウル・カレルの書く
> コルスン戦のような結末になるだろうと思ってます。

私も、学研さんに送った記事で、コルスン戦との対比でこの問題を検証しました。地形的にもかなり似ている部分があり(第6軍にとってのドン川が、コルスンでのグニロイ・ティキチュ川だったと思います)、脱出作戦の具体的なイメージを考えるにはよい材料だと思います。

脱出部隊と救出部隊との兵力的なバランスという問題については、史実の第6軍救出作戦では、救出部隊は装甲2個軍団(第48、第57)、脱出部隊は装甲2個軍団と歩兵4個軍団(組織上は第14装甲軍団と第4、第8、第11、第51歩兵軍団ですが、第14軍団には装甲師団3個と自動車化歩兵師団3個がいるので、実質2個軍団として計算)の計6個軍団でした。救出部隊と脱出部隊の兵力比は、単純な軍団換算で「2対6」です。一方、コルスンでは、救出部隊は装甲2個軍団(第3、第47)、脱出部隊は歩兵2個軍団(第11、第42)という「2対2」の兵力比でした。もし、第6軍から第14装甲軍団を包囲環の外に脱出させれば、救出部隊は装甲4個軍団、脱出部隊は歩兵4個軍団で「4対4」となります。

また、救出作戦に要する燃料と弾薬についても、第14装甲軍団が包囲環の中にいるとの外にいるのとでは、包囲環内部の補給状況に大きな違いが出たものと考えられます。装甲部隊は、燃料と弾薬があって初めて戦力を発揮できる兵科ですが、史実のように包囲環の中で枯れさせてしまっては、せっかくの装備戦車が無駄となってしまいます。歩兵部隊の方も、装甲部隊用の燃料や弾薬分を(輸送機の積載スペースという形で)振り向けてもらえるので、各大隊が受け取れる物資の量は増加できたはずです。「補給切れで戦闘力と移動力が半減したユニット2個」よりも「戦闘力と移動力そのままのユニット1個」の方が、おそらく脱出作戦では有用だったことでしょう。

3)案は、脱出した第6軍と救出部隊の退路が、ドン側の南岸になってしまうという点がネックになるかもしれません(チル川の戦線が放棄されていれば、ドイツ軍がカラチ辺りでドン川を西に渡河するのは無理でしょう)。ツィムリャンスカヤで西岸に出られたらよいですが、そこで渡河に手間取っているうちにロストフを取られる可能性があります。

タイトルRe^3: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2101
投稿日: 2004/12/28(Tue) 22:04
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/
こんばんは、山崎さん。

これから触れない点については同意ということで、
異論を2点ほど。

第1案と第2案について。

突破部隊が歩兵のみである場合、
十分な衝撃力を持ちうるかどうかが問題として横たわります。
一個軍団相当(機械化3個師団程度)を陣内に残しておく方が
実際に脱出作戦を開始する場合には心丈夫でしょう。
少なくとも一個装甲師団相当の戦力はさほど無理せずに
包囲陣外に脱出できたようですから、
この場合第1案の難点の一つ(損害を受けずに脱出できるか)は
一個軍団相当なら脱出可能、という結論にはなりそうです。

もう一点。

第三案は「敵がこちらの想定通りに動いてくれる」ことが大前提です。
”ドイツ軍は第六軍の救出を放棄、ロストフを経由して速やかに
ドネツ河防衛線まで後退、ハリコフとスターリノの維持に全力を注ぐ”と
ソ連軍が想定し、それを阻止するために放棄された第六軍は無視して
ロストフ攻略にほぼ全力を投入して背後ががら空きになっている。
…欺騙活動でこういう状況を作り出し、かつ、ソ連軍がロストフへ向かう
進撃速度よりスターリングラードからロストフへ突進する
ドイツ軍の方が足が速い。
あるいは第六軍救出作戦開始に驚いてロストフ攻撃部隊を呼び返すぐらいに
ソ連軍が周到狼狽してくれる。
ここまで虫のいい想定をしなければ決して成り立ちません。

第3次ハリコフ戦では本当にこういう虫のいい状況が成立しましたが、
これはスターリングラードでの圧勝の結果でしょうから、
まじめに考えると、スターリングラード戦の前に
ここまでソ連軍が調子に乗ってくれる、と想定するには無理があるでしょう。

しかし、ヒトラーの要求通り、スターリングラードを保持しろと言われたら、
これぐらいの無茶が通らなければ手の施しようがない、とは言えると考えてます。

タイトルタイムリミットはいつか?
記事No2102
投稿日: 2005/01/02(Sun) 17:05
投稿者WalkingAircraftcarrier
皆さん、山崎さん、明けましておめでとうございます。

包囲環完成の前にドン南岸を南西方向に突破するという、山崎さんのご意見に賛成です。
赤軍にカラチで橋を渡られて南翼の突破部隊と合流されてからでは、もうチャンスはないと思います。(ビーヴァーの「スターリングラード」によれば、赤軍の反攻開始の段階で前線部隊には燃料・馬糧が不足しており、軍馬の相当部分がドン西岸に下げられており、補給所の多くがカラチ周辺にあった、ということで、この状況を前提にする限り、カラチを取られれば実質ゲームセットではないでしょうか。)

最初から投入可能な快速部隊(第14装甲、第29自動車化。一両日のうちには第16・24装甲、第3自動車化の一部も投入可能になる)を南翼の赤軍のの撃退とカラチの防御にまわし、第22装甲・ルーマニア第1装甲は遅滞行動に専念させればこれは可能なはずですが、これはさすがに後知恵すぎるでしょう。

むしろ問題は、いつの時点でカラチの危機を知って(もしくは当然知
りうべくして)それに対処する行動を取れたか、だろうと思います。ビーヴァーによれば第6軍司令部が気づいたのが、21日午前に集まってきた情報によって、ということです。フォン・メレンティンが引用している第3自動車化師団のディンクラー大佐のメモでも、21日には師団の後方補給所から攻撃されたという情報が次々に入った、とありますので、この段階では気づかなければいけないでしょう(もちろんB軍集団も)。ヒトラーの死守命令が出る前ですから合理的行動もできるはずですし。

さてそのときにカラチの危機を阻止すべく投入できる装甲部隊があったか?ですが……ビーヴァーは「なかった」というのですが、その時点での部隊配置状況のデータがわからないので、いまいち判断しかね
るんですよね……

えと、それから、第6軍からドン西岸に初めに投入されたのは、第14装甲師団ではないのでしょうか?ビーヴァーではそう読めるのですが(もっとも、部隊名の誤り(誤訳?誤植?)が多いのでいまいち信頼できないのですが……

タイトルRe: タイムリミットはいつか?
記事No2103
投稿日: 2005/01/02(Sun) 22:05
投稿者山崎 雅弘
WalkingAircraftcarrierさん、こんにちは。
あけましておめでとうございます。

> むしろ問題は、いつの時点でカラチの危機を知って(もしくは当然知
> りうべくして)それに対処する行動を取れたか、だろうと思います。ビーヴァーによれば第6軍司令部が気づいたのが、21日午前に集まってきた情報によって、ということです。フォン・メレンティンが引用している第3自動車化師団のディンクラー大佐のメモでも、21日には師団の後方補給所から攻撃されたという情報が次々に入った、とありますので、この段階では気づかなければいけないでしょう(もちろんB軍集団も)。ヒトラーの死守命令が出る前ですから合理的行動もできるはずですし。

スターリングラードの包囲戦を調べていて、大きな謎としてずっと引っかかっているのは、ドイツ軍とルーマニア軍との情報面での連携の不備なんですよね。前近代戦じゃあるまいし、わずか(と表現していいと思います、無線機とテレタイプで戦争をする時代ですから)150キロ西方の友軍が壊滅的な打撃を被っているというのに、丸2日間も気付かない(その深刻さの度合いに)というのは、やはり不思議です。ルーマニア本国経由で、ベルリンの方が先に知っていてもおかしくはないと思いますし、ドイツ軍の第22装甲師団と「シモンズ」戦隊は11月19日にソ連軍の大戦車軍団と遭遇しているので、B軍集団司令部経由のルートで緊急の報告が第6軍に届いてもよさそうなもんですが…。彼らも、突破したソ連軍の戦車部隊が、東に旋回して第6軍の背後に向かうとは予測していなかったのか。ソ連軍の反攻開始時期が、第6軍司令部の移転時期と重なっていたというのは、偶然だとしたら不運としか言いようがありません。

> さてそのときにカラチの危機を阻止すべく投入できる装甲部隊があったか?ですが……ビーヴァーは「なかった」というのですが、その時点での部隊配置状況のデータがわからないので、いまいち判断しかね
> るんですよね……

私は、あったと思いますよ。3月に学研から出るムックの巻頭で、カラー地図見開き9点でスターリングラード戦役を段階的に解説していて、そのうちの一枚に、第24装甲師団と第16装甲師団の移動経路を記していますので、参照していただければ幸いです。特に第24装甲師団は、同じカラチの橋を渡ってドン側の西に行っているので、もし彼らがカラチで待ち伏せしていたら…。

> えと、それから、第6軍からドン西岸に初めに投入されたのは、第14装甲師団ではないのでしょうか?ビーヴァーではそう読めるのですが(もっとも、部隊名の誤り(誤訳?誤植?)が多いのでいまいち信頼できないのですが……

第11軍団の予備として、第14装甲師団の一部(ルードヴィヒ戦隊)が11月19日の時点でドン川の西岸にいましたが、実質一個連隊弱の兵力です。この時期、第14装甲師団はいくつかの戦隊に分割されて、各地にバラまかれていました。ザイデル戦隊はスターリングラード市内におり、ザウアーブルッホ戦隊とフォン・ブレーゼ戦隊は、ドン川より東の第29自動車化歩兵師団の背後で待機、ソーヴァン戦隊はそのはるか南方に配置されていました(このソーヴァン戦隊はコテリニコヴォ方面に離脱、ザウアーブリュッホ戦隊はニジネ・チルスカヤ方面に離脱して包囲環には入っていないので、厳密に言えば「第14装甲師団の約3分の1は包囲環の外部に脱出していた」と言えます)。

あと、部隊名の誤りは、ほとんど訳者の不手際によるものだと思います。例えば、ドイツ軍の軍団名で「第11軍団」と「第9軍団」が交互に出てきたりしていますが、原著ではどちらも「XI」となっていて、単純なローマ数字の読み間違いによる訳者の誤表記です。私は、この著者をかなり高く評価しているので、こうしたケアレスミスは残念ではあります。

タイトルRe^2: タイムリミットはいつか?
記事No2111
投稿日: 2005/01/04(Tue) 22:05
投稿者WalkingAircraftcarrier
山崎さん、こんいちは。
ご教示、ありがとうございます。


> 第11軍団の予備として、第14装甲師団の一部(ルードヴィヒ戦隊)が11月19日の時点でドン川の西岸にいましたが、実質一個連隊弱の兵力です。この時期、第14装甲師団はいくつかの戦隊に分割されて、各地にバラまかれていました。ザイデル戦隊はスターリングラード市内におり、ザウアーブルッホ戦隊とフォン・ブレーゼ戦隊は、ドン川より東の第29自動車化歩兵師団の背後で待機、ソーヴァン戦隊はそのはるか南方に配置されていました(このソーヴァン戦隊はコテリニコヴォ方面に離脱、ザウアーブリュッホ戦隊はニジネ・チルスカヤ方面に離脱して包囲環には入っていないので、厳密に言えば「第14装甲師団の約3分の1は包囲環の外部に脱出していた」と言えます)。

うわァ、ちっとも知りませんでした。これで、ビーヴァーの記述の中でクビをひねっていた部分…なんで14装甲だけこんなに移動スピードが速いんだ、とか…が随分腑に落ちました。
「\軍団」と「]T軍団」の混乱の原因はおおかたそんなところだろうと思ってはおりましたが、それにしても、誤訳するなら誤訳するでもう少し規則的にやってくれないものでしょうかねェ。ところどころマダラに誤訳されると、ほかの部分まで怪しく見えてしまいます。

学研のムック本、楽しみに待たせていただきます。売れ行きが順調でありますよう!


>
> あと、部隊名の誤りは、ほとんど訳者の不手際によるものだと思います。例えば、ドイツ軍の軍団名で「第11軍団」と「第9軍団」が交互に出てきたりしていますが、原著ではどちらも「XI」となっていて、単純なローマ数字の読み間違いによる訳者の誤表記です。私は、この著者をかなり高く評価しているので、こうしたケアレスミスは残念ではあります。

タイトルRe: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2218
投稿日: 2005/04/16(Sat) 00:50
投稿者WalkinAircraftcarrier
山崎さん、皆さん、こんばんは。
「図説・スターリングラード攻防戦」、やっと今日、買いました。
まだ読んでいません。いま、素晴らしいマップに見入って、歓びに浸っています。

……というわけで、すみません、詳細な意見はまた後日ということで。

タイトルRe^2: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2281
投稿日: 2005/06/16(Thu) 14:37
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html
WalkinAircraftcarrierさん、こんにちは。

パウルス第6軍の発売日が、ようやく決まりました。

このゲームは「図説・スターリングラード攻防戦」の中で披露した、私のスターリングラード包囲戦に対する認識を、対戦型ゲームの形にしたもので、あそこに書いた内容を実際にユニットを動かして検証することができるようになっています。

スターリングラード包囲戦に関する研究では、主にヒトラーの頑なな市街の死守命令がクローズアップされ、パウルスの軍事的能力面が評価の対象となることは少ないのですが、私は東部戦線の他の会戦と比較して、スターリングラード包囲戦当時のパウルスの指揮は、怠慢と評しても言いすぎではないほど敏捷さを欠いたものであったと考えています。

例えば、A軍集団全体を袋の鼠にしようとしてロストフを目指したソ連軍の大攻勢に対し、限られた装甲兵力を縦横無尽に駆使してソ連軍のロストフ到達を阻止したマンシュタインの手腕や、第11装甲師団を率いてチル川の敵橋頭堡を次々と潰してまわったバルクの手腕と比較すると、史実における第6軍の対応は「当時のドイツ軍らしさ」が全然感じられないほど、不甲斐ない行動であったように見えます。逆に言えば、同時のドイツ装甲部隊がこれほど鮮やかな「機動防御」を繰り広げることができたのならば、スターリングラード会戦の全体でそれができなかったことの方が不自然であるように、私には思えます。

このような認識に基づき、パウルス第6軍ではあえて「ヒトラー命令」の類を一切排して、純粋に軍事的能力の点で当時のドイツ軍に何がなしえたのかを試せるようにデザインしました。ソ連軍の反攻が開始された時、スターリングラード市内ではまだ市街の掃討戦が続いていたため、第1ターンにスターリングラード市ヘクスから外に出られるユニット数は全24ユニット中の9ユニット(3個師団相当)に限定されていますが、行動を制限するルールはこれのみで、あとは自由に枢軸軍プレイヤーが作戦手腕を揮って、ソ連軍の攻勢に対処することができます。

結果として、史実と同じような展開になることはまずないゲームに仕上がりましたが、私としては内容に満足しています。

タイトルRe^3: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2287
投稿日: 2005/06/16(Thu) 23:26
投稿者WalkingAircraftcarrier
山崎さん、こんばんは。
「パウルス第6軍」ていねいなご案内、ありがとうございます。
楽しみにさせていただきます。

ところで、「やっぱり勝てない?太平洋戦争」拝読させていただきました。すてきなタメになる本を、ありがとうございます。
でもアレ、「初心者向け」ですか?(某掲示板の書き込み、たぶん山崎さんですよね?)アマチュア2〜3段レベルの実力がないと読みこなせないような気がしたのですが…

タイトルRe^4: ドイツ第6軍は救えたか
記事No2288
投稿日: 2005/06/17(Fri) 00:11
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html
WalkingAircraftcarrierさん、こんばんは。


> ところで、「やっぱり勝てない?太平洋戦争」拝読させていただきました。すてきなタメになる本を、ありがとうございます。
> でもアレ、「初心者向け」ですか?(某掲示板の書き込み、たぶん山崎さんですよね?)アマチュア2〜3段レベルの実力がないと読みこなせないような気がしたのですが…

「やっぱり勝てない?太平洋戦争」という本については、なんとなく存じ上げてはいますが、まだ購入していませんし、この本についての書き込みを、どこかの掲示板にしたこともありません。もちろん執筆や制作にも一切タッチしていません。

差し支えなければ「某掲示板」というのを教えていただけますか? 私が書いたような印象を受けられたという点で、少し興味があります(笑)。

タイトル汗…
記事No2291
投稿日: 2005/06/17(Fri) 23:05
投稿者WalkingAircraftcarrier
山崎さん、こんばんは。
 WalkingAircraftcarrierです。
とんだご無礼を申し上げてしまい、穴でもあったら入りたい気分です。
くだんの掲示板は別宮暖朗さんのHPの掲示板
http://www3.kiwi-us.com/~ingle/trees/trees.cgi
で、くだんの書き込みは現在過去ログ
http://ww1.m78.com/past/log42-8.html
中の、NO225の、medさんの書き込みです。(汗)
なんでこんな思い込みをしてしまったかとなりますと、山崎さんの文体に似てるかなあと思ってしまったことと、寄る年波、としか言いようがありません。
 …平に、お許しを。

タイトルRe: 汗…
記事No2292
投稿日: 2005/06/18(Sat) 01:57
投稿者山崎 雅弘
参照先http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html
WalkingAircraftcarrierさん、こんばんは。

特に気にしてはいませんので、あまりお気になさらずに…。

ご紹介いただいた掲示板の「medさん」という方の書き込みは、確かに私の文体とよく似ている感じですね。「日本軍のことは詳しくないのですが」という前振りとかも、それっぽい(笑)。ただ、私はよほどのことがない限り「ハンドルネーム」は使用せず、本名で書き込みしますので、本名以外での書き込みは私ではないと思っていただいて間違いないと思います。

たまに同姓同名の人が運営している個人ブログなどを見つけ、その内容が「アメリカ事情報告」みたいな、私が書きそうなものだったりすると、ちょっと複雑な気分になります。でも、先方も本名だから、どうすることもできないんですよね(笑)。