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タイトル「カフカスの防衛」(大日本絵画社刊)読後感想
記事No3504
投稿日: 2008/03/09(Sun) 21:49
投稿者ハナザー
☆☆★★★(5点満点で星2つ)

「Case Blue」(Gamers)Edge of the worldシナリオのプレイを見て触発され、またAmazonのカスタマーズレビューの高評価にも誘われて同書を読みましたが、私としては評価は星2つとなりました…(´д`)

一言で言えば「戦況図を、そのまま文章にしたような本」

日本語で読めるカフカス戦の記録は確かに貴重ではありますが、エピソードも戦況分析もなく単に「○○部隊は××地区で△△をした」的記述が、延々と続くだけ…(・・;)
カフカスの慣れない地名ですし「Edelweiss」(CoA)のプレイ経験でもなければ、どこで戦っているのかさえも定かにはわかりません!(+_+)
また「ドイツ軍の補給の破綻」という戦闘を決定づけたであろう要素も、「Case Blue」か「Edelweiss」でもやっていなければ理解出来ないでしょう。
(わずかに同書中でもドイツ軍の東方地区での航空支援が少ないのが、注意深く読めば読み取れますが…)
それから原著の問題か翻訳かはわかりませんが、明らかに軍団を軍と誤記していたり臨時編成の「○○集団」(ドイツ軍の師団規模の「Gruppe ○○」を、おそらく表しているのでしょう)を「○○軍集団」を表記しているため、混乱します。
翻訳・監修者は車輛の形式などにはお詳しいようですが、軍事史には自ら後書きに記されたとおり詳しくないようです。
とは言え1942年秋の独ソ戦については同時期のスターリングラード戦のみしかほとんど語られてこなかったわけですし、本書によりカフカス戦にも目が向けられるようになったとするならば意義はあったと思います。