タイトル | : 長期戦戦略? |
投稿日 | : 2005/01/21(Fri) 23:29 |
投稿者 | : WalkingAircraftcarrier |
DASREICHさん、こんにちは。
ガムラン将軍の回顧録によると、勝利の機会は長期戦にしかないと考えた、41年か42年にならなければ攻勢はとれない、フランス政府にもそう勧告した(と「第三帝国の興亡」には書いてある)ようですね。このガムラン説がたいていの西方電撃戦本の底に使われている(でもってほとんど例外なしにけちょんけちょんに言われている)ように思えます。
ただ、私には、この「長期戦で勝つ」グランド・デザインはなかなかスジが通ったもののように思えます。(日本のは完全に浮世離れしていると思うのですが、それはまた別の話。)
1.軍需生産能力は、イギリスとフランスを合わせればドイツを上回り、おまけにアメリカの援助も加わるので、長期化すればするほど戦力のパリティは英仏側有利になります。
2.動員能力の点でも、イギリス軍…本国軍だけでなく、英連邦軍やインド軍も…の動員には時間がかかるが、戦争が長期化すればその人的資源をフルに使えるようになります。
3.ドイツはソ連から石油等の供給を受けられることは確かですが、スターリンはアメリカと違ってツケではとても売ってくれないでしょうから、結局はバーター取引をするしかない。ということは、ドイツは対価に相当する別の戦略物資をソ連に渡さなければならないでしょうから、ドイツにとっては結局、ボトルネックがなくなるだけで、戦争経済全体の底上げはできないでしょう。
……ということで、これはこれでけっこう美しい戦略理論だと思うのですが。美しくても現にコケてしまってるのが難点ですね……