タイトル | : Re^11: 1940のフランス軍の戦略構想 |
投稿日 | : 2005/01/30(Sun) 10:16 |
投稿者 | : 山家 |
自己レスに不足があったので、補足します。
前レスに書いたコマンドマガジン3号の記事の中に1938年当時の独の原油生産・輸入量と消費量が出ていました。独国内の原油産出量は墺を含めて66万t、合成燃料生産量は149万8000t、輸入量ですが、ルーマニアから84万t、エストニアから8万t、その他の欧州諸国から3万t、南北米大陸・西インド諸島から495万1000tでした。ちなみに消費量は710万tです。専門書でも似たような記載があったと覚えているので、ほぼ間違いないと私は踏んでいます。
上記のような状況下で、独が英仏に開戦すれば、英仏の封鎖によって南北米大陸・西インド諸島からの原油輸入はストップする一方、戦争遂行により、独の原油の消費量は激増します。ソ連からの原油輸入でそれを穴埋めできる程、1938年当時にソ連に原油が溢れていたという資料が出てくる書籍等を私は寡聞にして知りません。大体、独ソ戦中に、質の問題も当然ありますが、ガソリンをソ連は米国から輸入していなかったでしょうか。
原油一つとっても、この有様なのです。英仏が封鎖による対独長期戦戦略に自信があったのも、ある意味当然ではないでしょうか。