タイトル | : 36〜38年当時のドイツ軍の実力評価 |
投稿日 | : 2005/02/02(Wed) 17:34 |
投稿者 | : WalkingAircraftcarrier |
ごちょうさん、山家さん、こんにちは。
> しかしあの当時のドイツの軍備は「張子のトラ」以前で、と
> ても戦争できる状態では無かったのです。もし英仏がその気
> になれば「一撃」で降伏してしまうような状態だったと考え
> ます。
この点は、どうなのでしょう。少なくとも、現在でなく当時の目からはどうでしょうか。
1.「ドイツ軍は当時弱かった」という主張は、戦後にハルダーその他の将軍連がこぞってしていますが、これらはニュルンベルク裁判で「オレたちは戦争に不熱心だった」といういわば言い逃れの文脈で出てくる証言なので、割引きして聞く必要があるのではないかと思います。
2.ガムランは仏政府に、36年のラインラント進駐のとき「ドイツに侵攻するには総動員をする必要がある」と言っています。38年のミュンヘン危機の際には仏政府は英国から「当面は2個師団しか送れない」と言われていっぺんに腰砕けになりました。
3.ジェイムズ・ダニガンの意見はまた極端で、「ミュンヘン危機のときに戦争に突入していたら、仏軍はもっとあっさり負けていただろう」という意見です。(「第二次大戦あんな話こんな話」)
私はダニガンの意見にはちょっと首をかしげるのですが、少なくともミュンヘン危機の時点でのドイツ陸軍の戦力が、仏軍にかかれば鎧袖一触、というようなものだったとは思えません。
ごちょうさんのおっしゃるとおり、政治的要因もあったとは思いますが、軍事的要因も十分にあった…英仏の政府・軍がドイツ軍の実力を高く評価していた…ことは確かだろうと思うのですが。