タイトル | : Re^4: 1940のフランス軍の戦略構想 |
投稿日 | : 2005/02/02(Wed) 18:26 |
投稿者 | : ごちょう |
はじめまして、ごちょうです。
>お二人のご意見……意見の違いがあるというよりは、ほと
>んど同じご意見で、重点の置き所が少し違うだけ、と傍か
>らは見えるので……に基本的に賛成です。
確かにそれ程の違いはありませんね。もし違いがあるとすれ
ば、英仏がヒトラーを生かした理由を山家さんは戦略的、小
生は受動的と捉えている所でしょうね。
>1.英仏は、ドイツの再軍備宣言からミュンヘン危機まで
>の時期、「世界戦争」だけでなく、「軍事力の行使」じた
>いをやりたくなかったのではないでしょうか。
一応小生は「世界大戦」と書いていますが、その様に解釈し
ても良いかと思います。
結局「世界大戦」にしろ「軍事力の行使」にしろ、結果的に
ヨーロッパが戦火で荒廃する事は確実な訳で、その事におい
てはほぼ同義であると考えます。
もちろん、軍事行動には人命もお金もかかりますが、それ以
上に「せっかく軍縮までして回復させたヨーロッパを再び戦
火で失う」事を英仏は危惧したのだと思いますね。
>2.もう一つ、英仏両国とも、「ヒトラーはボルシェヴィ
>キよりはまし」という判断があったのではないでしょうか。
確かに共産革命の波及のリスクは大きいですね。基本的には
そのような判断もあったでしょう。
ちょっと書きましたが当時ヨーロッパ諸国はドイツの台頭以
上に「ロシアの共産勢力の拡大」を脅威に感じていました。
そして国内にも少なからずその問題を抱えていたのです。特
にフランスでは下院においては共産勢力が多数派を占めてい
たのです。
仮にドイツで共産政権が誕生した場合、当然本家であるロシ
アから政治局員が派遣されると考えれます。そうなったらド
イツはクレムリンのコントール下に置かれる事になります。
そしてその様な事態を英仏は「とても容認できない」でしょ
うね。
そのような事態に比べて、確かに危険ではありましたがヒト
ラーの台頭は英仏にとっては「まだ容認できる」選択肢であっ
たと考えられます。特に英仏の親独派(特に極右勢力)は「ヒ
トラーは共産ロシアのカウンターバランスに使える」と本気
で考えていたそうです。
ですので、仰せの様に「ゲルマン民族単一国家」程度の事な
ら英仏も十分妥協の余地はあったのです。まあ、さすがにポ
ーランド侵攻はオイタが過ぎましたが。