タイトル | : Re: 「日清戦争」(参考文献) |
投稿日 | : 2006/07/29(Sat) 08:21 |
投稿者 | : TraJan |
チョット遅れましたが、参考文献です。
参考文献
(1)旧参謀本部編纂「日清戦争」徳間書店
日清戦争の基本資料。当然ながら日本軍中心に書かれているので、その点を差し引いて理解する必要があります。
(2)「清史稿」北京中華書局
中国での前王朝の正史は次の王朝が編纂するという考えから国民党政府が清史を編纂しようとして途中で挫折したものです。編纂・校正が終了していないため「稿」が付いています。慌てて編纂しようとした上に校正が進んでいない状態ですので、多数の誤りが指摘されています。とは言え、一級資料です。量が膨大な上に日本語訳はないので、私には部分的に参照することしかできませんでした。最近になって、北京政府が清史の編纂に乗り出すという報道がありましたが、編纂終了までには10年以上の期間を要すると思われます。
(3)檜山幸夫「日清戦争」講談社
旧参謀本部編纂のものを踏まえ、第三者視点で日清戦争全体を記述しているので、決定版と言えるかもしれません。とりあえずのおススメ本。
(4)陸奥宗光「蹇蹇録(けんけんろく)」岩波文庫
日清戦争当時の外相であった陸奥の回顧録です。意味不明なタイトルは中国の古典である「易経」から取ったものだそうです。第1級資料ではありますが、明治時代の文語調で書かれているので非常に読みにくいです。標準的な日本語能力があれば、読める文体ですが、逆にもう少し読みにくい文体であったなら編集者による読み下し文が付けられて読みやすくなったのかもしれません。内容としては裏話的な事はほとんど触れられていなくて、当事者による当時の状況の解説と言った感じでです。
その他、歴史群像49号及び歴史街道H17.11月号に日清戦争のまとまった記事があります。
また、(私は目を通していませんが)江川達也の漫画「日露戦争物語」が延々と日清戦争の部分を続けているとのことです。