投稿時間:2003/03/12(Wed) 19:48 投稿者名:Null
URL :
タイトル:ルールについて
テストプレイ中に感じた、ルールの印象と問題点です。
1.戦闘について
以前の柿崎さんの書き込みを使わせていただきます。
>本ゲームの戦闘結果表を検討すると、「1回の攻撃に全てを投入するよりも複数回の攻撃に分割したほうが >無難である」ことが判明すると思います。
>ただ、現在のシステムですと、攻撃側は、重要拠点の攻略でも、攻撃失敗による包囲網の崩壊を恐れて一 >部の部隊を攻撃に参加させない事となるでしょう。結果として包囲部隊の全てが攻撃に参加せず、その一部 >がかわるがわる攻撃を行う、という史実が再現できるようになっていると思います。
>私は「D」の結果があることが、過度の攻撃の抑止力になると考えていましたが、・・・全然、抑止になっていな>い。(^^ゞ >まあ、抑止にならないのであれば、他の抑止方法を考えなければいけないのかもしれません。
果たして、このゲームのプレイヤ−は「準備攻撃に全ての戦力を投入せずに、1次・2次攻撃セグメント用にも攻撃戦力を残しておく」 方が良いと判断するでしょうか?
準備攻撃には参加部隊数制限がないし、+1コラムシフトするし、 作戦フェイズの攻撃には何の特典もないし2次攻撃セグメントには−1コラムシフトになってしまうし、 ということであれば「1回の準備攻撃に全てを投入したい」と思うのが人情ではないでしょうか?
もし、ある拠点を包囲しているユニットの1部に準備攻撃をさせ、残りのユニットは次ターンの準備攻撃フェイズまで、一切攻撃させない、 というとても堅実でストイックな策をソ連軍プレイヤーが採ったとしても独軍は混乱1×(2〜3)で損害を吸収し、 独軍回復フェイズに完全回復してしまうだけの話です。
重損害地形という凶悪な項目がある改定ルールの元では、作戦フェイズでの拠点への攻撃はほとんど自殺行為になっているので、 プレイヤーはますます準備攻撃での一撃に全てを賭けるようになるでしょう。
つまり、準備攻撃への特典と攻撃セグメントへの規制がプレイヤーに与える影響は、「Dの抑止力」(改定ルールではRの抑止力?) を軽く凌駕しているわけです。もし、柿崎さんがソ連軍プレイヤーに
>実戦において、特にソ連軍は特定の拠点を攻撃するときでも、一時に投入できる全ての戦力を使用すること >はありませんでした。
のような態度を期待したければ、同一の攻撃フェイズ・セグメントにおいて、ひとつの防御ユニットを複数回攻撃できるようにする、 作戦フェイズへの規制を緩和する(例えば、1次攻撃セグメントでは、(参加師団数分)不利なコラムシフトのペナルティで2個師団以上を同一の攻撃に 参加させてもよいなど)、ソ連軍攻撃時のステップロス強制数を低下させる、重損害地形ルールの見直し、などのルール改定が必要であると思います。
プレイヤーが自然に、冒頭に引用させてもらった柿崎さんの思惑通りの方法で、戦闘を行うようになればそれが良い戦闘システム ということになるでしょう。
今の所、新旧の戦闘ルール共にあまり良いものとは言えませんが、どちらも改良によっては「良い戦闘システム」になる可能性があると思います。
だから旧ルール、改定ルール、どちらの戦闘システムをベースにすべきか?ということに関して、私は特に意見を持ちません。
強いて言え、と言われれば、 扱いやすさという点では改定ルール、「D」の抑止力がうまく働くように改良されるなら旧ルールの方がよいです、とお答えしておきましょう。
2.補給について
「テストプレイヤー諸氏のために」から引用させてもらいます。
>無難にいくのであれば、SLAVYANSKは包囲にとどめ周囲を掃討して補給切れを待つのが良いでしょう。
1GAHQは普通、リシチャンスク→アルテモフスクと進撃する18TCに活動補給を与えるために用いられます。 だから、1GAHQはスラヴィヤンスクを包囲する為に3405か3406まで送られた部隊には、通常補給を与えることができません。
S町を包囲するにはポポフ4GCTを送るしかないわけです。この場合4GCTには独軍のS町への補給線を途絶させると同時に クラマトルスク(3506)を占領することが期待されます。
しかし、4GCTが南下の兆しを見せれば、独軍はレーア901連隊と6PzGRをK町へ篭らせるでしょう。K町の防御火力は18になります。 もし4GCTがK町に対して攻撃を行えば、旧ルール(35−39欄)で、独軍の防御射撃は2DiceRoll4以下で「D」になり、 5が出れば「R」になります。改定ルールでは作戦フェイズでの拠点攻撃はそもそも自殺行為です。 つまり、トルコ人部隊がK町での篭城に加わるであろう3ターンまでに4GCTにK町を占領させようとするのは、 旧ルール下では無視できないリスクを伴い(1〜3ターンに4GCTが「D」を喰らえばソ連軍プレイヤーは投了したくなると思います)、 改定ルール下ではまず不可能となります(57GRDと合流し、攻撃しても無理でしょう)。
ということは、スラヴィヤンスクを包囲するためには、序盤の貴重な打撃戦力であるポポフ4GCTを、K町を攻撃させないのなら、 単なる兵站基地として使用しなければならないわけです。18TCと4GCTの役割を交換させるという手もありますが、 序盤の貴重な時間を失ってしまいます。
もしソ連軍プレイヤーがポポフ4GCTを兵站基地にするのを、いさぎよしとせず、S町を包囲しなければ独軍プレイヤーは、 テストプレイ報告にあるように、ソ連軍の補給路が当分、西へ延びていく可能性がないのを見越して、バラクレヤ(2313)〜バルベンコウォ(3210)間 を全面開放状態にし、余った部隊を3ターンに北端から進入してくるソ連軍をブロックすることに使うでしょう。 独軍ユニットが十数個も北盤端にへばり付いているのはあまりぞっとしない光景です。
こういう現象の発生を避けるにためには、ソ連HQユニットの通常補給範囲を拡大させる、通常補給下でも混乱の回復ができるようにする (チャートが複雑になりますが活動補給下の回復値より低い回復値を設定し、差をつけるというのも良いかもしれません)、 などのルール改定が必要になると思います。
「補給の途絶」を「補給切れ(Out of Supply)」と「孤立(Isolation)」の2段階に分けるという青侍さんが掲示板に書かれた改定案に、 3月8日私は一度賛成しました。 しかし補給ルールをこのようにすると、おそらくソ連軍プレイヤーは「補給切れ」のユニットを全滅覚悟で独軍の幹線鉄道へ突進させることでしょう。 なので、あまり良い改定案とは言えないですね。
|