[リストへもどる]
一括表示

投稿時間:2002/10/05(Sat) 13:42
投稿者名:田部井 真史
Eメール:cxk01620@nifty.ne.jp
URL :
タイトル:
参考書にはどんなものがありますか?
こんにちは、田部井です。

早速ですが、Khar'kov1943の扱う戦役に関する参考書をどなたか紹介して頂けないでしょうか?

東部戦線初心者向けの物から、玄人向けの資料、それに入手が容易なものと困難な物等、予備知識等を得るのに良いものがあったらお願いします。


田部井 真史

投稿時間:2002/10/05(Sat) 15:24
投稿者名:柿崎 唯
Eメール:wyvern9@juno.ocn.ne.jp
URL :http://www9.ocn.ne.jp/~saphisgc/
タイトル:
Re: 参考書にはどんなものがありますか?
田部井さんへ、

> 早速ですが、Khar'kov1943の扱う戦役に関する参考書をどなたか紹介して頂けないでしょうか?
> 東部戦線初心者向けの物から、玄人向けの資料、それに入手が容易なものと困難な物等、予備知識等を得るのに良いものがあったらお願いします。

日本語のものでは、やはり「失われた勝利」(E.v.マンシュタイン)が最善でしょう。この本は内容が濃くて、一つ一つの文にかなりの背景があります。ただ、初めてではそれが理解できないかもしれません。
「焦土作戦」(パウル・カレル)は読みやすくて面白い作品です。この作品もはっきりとした「ウソ」はないように思うのですが、小説的技法として、時系列がぐちゃぐちゃになっているので、「戦史」としては不明瞭です。また武装SSに非常に肩入れしている作家であることも考慮しなければなりません。

英語版では、
Last Victory in Russia
The SS-Panzerkorps and Manstein’s Kharkov Counteroffensive February-March 1943
George M. Nipe,Jr.
Schiffer Military History Book 2000
が、比較的新しい本です。ただ、個人のエピソードに多くページを割いており、読みづらい本です。
From the Don to the Dnepr.
Soviet offensive operations December 1942−August 1943.
David M Glantz
Frank Cass 1998
こちらは、主としてソ連軍から書いています。
戦況図が多く、私も随分と助けられました。

以上が、比較的まとまっていて、手に入りやすい資料と思います。

注意すべきは、マンシュタインの回想録である「失われた勝利」以外では、どの本でもソ連側の情報には多少の訂正が必要となっていることです。
これは、ソ連が崩壊した後に今まで非公開であった多数の資料が新たに放出されたためです。

ソ連崩壊後の新資料による情報を入れた、「一般向け」(?)の書籍は、私が知る限りまだありません。
ただし、上記だけでもかなりの情報があります。
特にFrom the Don to the Dnepr.は手に入れておいても損はないと考えます。

柿崎 唯

投稿時間:2002/10/06(Sun) 04:52
投稿者名:Giftzwerg
Eメール:giftzweg@cl.cilas.net
URL :
タイトル:
Re^2: 参考書にはどんなものがありますか?
田部井さん、柿崎さん こんにちは

名前が出ている以外に邦訳されている資料として、「ドイツ戦車軍団」(フォン・メレンティン)はどうでしょうか?
他に「ハリコフの戦い」戦場写真集あたりはどうなんでしょう?(私は戦史記事が少ないと思って買っていない(笑))

投稿時間:2002/10/06(Sun) 23:02
投稿者名:TraJan
Eメール:KHC06272@nifty.ne.jp
URL :
タイトル:
Re^3: 参考書にはどんなものがありますか?
 Giftzwergさん こんにちは。

 できれば書名には出版社、著者名、価格などもお知らせいただければなお良いかと思います。

投稿時間:2002/10/07(Mon) 19:41
投稿者名:柿崎 唯
Eメール:wyvern9@juno.ocn.ne.jp
URL :http://www9.ocn.ne.jp/~saphisgc/
タイトル:
Re^4: 参考書にはどんなものがありますか?
Giftzwergさん TraJanさんへ

メレンティンは自身が参加した部分の記述が中心ですので、戦役全体の話としては不適当かと思います。勿論、資料としては私も利用しています。

同様な資料としては「擲団兵」クルト・マイヤーがあります。こちらも自身が参加したところだけですが、メレンティンよりははるかに記述量があります。
余談ですが、マイヤーはSSながら自身が参加した、3月のドイツ軍のKhar'kov攻略で、森の中を突進したことが、作戦的にほめられたものでないことを認めています。パウル・カレルがこの2回目のSS軍団の不服従を露骨に弁護しているのとは対照的です。

値段の方ですが、また、後ほど調べておきます。
ただ「Last Panzer Victory in Russia」は大きな本で、結構高いです。
他はそんなに高くない、と思います。とは言っても3000円程度はしたかもしれません。

投稿時間:2002/10/07(Mon) 19:45
投稿者名:柿崎 唯
Eメール:wyvern9@juno.ocn.ne.jp
URL :http://www9.ocn.ne.jp/~saphisgc/
タイトル:
Re^5: 参考書にはどんなものがありますか?
自己レスです。

「ハリコフ写真集」はご指摘の通り、文章量は多くありません。
ほぼ純粋に写真集です。

私は、これを英語版で2冊、日本語版1冊もっています。
出版前から出版社に予約していたのを忘れて、アマゾンでまた買ってしまったのです。
テストプレイヤーのどなたか希望者に英語版1冊あげましょうか?

投稿時間:2002/10/08(Tue) 17:04
投稿者名:Giftzwerg
Eメール:giftzweg@cl.cilas.net
URL :
タイトル:
Re^6: 参考書にはどんなものがありますか?
柿崎さん、Trajanさん こんにちは

柿崎さん回答ありがとうございます。
師団、軍団のような部隊レベル、あるいは個人レベルでの1943ハリコフ戦の戦記は他に何があるでしょうか?
私の知っているものでは、「”グロースドイッチュランド”師団写真史」に1ページ程度の同師団の戦史記事と9ページの写真+キャプションが掲載されています。

Trajanさん
私は自分の持っている資料について柿崎さんの評価が聞きたかっただけで、紹介しているという意識はあまりありませんでした(笑)。
「教えて君」だけでデザイナーにすべてやってもらうのも何ですから、今までに名前が出た書籍の中で日本語版については、私の方で出版社、著者名、価格等リストアップしてみます。
少し時間をいただければ別レスにまとめますのでお待ちください。
英語版の資料については柿崎さんにお願いします。

投稿時間:2002/10/09(Wed) 19:26
投稿者名:柿崎 唯
Eメール:wyvern9@juno.ocn.ne.jp
URL :http://www9.ocn.ne.jp/~saphisgc/
タイトル:
英語版参考書
Last Victory in Russia
The SS-Panzerkorps and Manstein’s Kharkov Counteroffensive February-March 1943
George M. Nipe,Jr.
Schiffer Military History Book 2000
$59.95

From the Don to the Dnepr.
Soviet offensive operations December 1942−August 1943.
David M Glantz
Frank Cass 1998
$32.50

両方共にamazon.comにて入手可能です。ですから上記に送料がかかります。
日本では西山洋書池袋店で頼めば取り寄せてくれると思います。

柿崎 唯

投稿時間:2002/10/09(Wed) 23:52
投稿者名:田部井 真史
Eメール:cxk01620@nifty.ne.jp
URL :
タイトル:
Re: 参考書にはどんなものがありますか?
柿崎さん、どうも。田部井です。

どうもありがとうございました。
なんと、私は1冊も持っていませんでした・・・・。まあ、もともと、戦史には疎いので、これから勉強させてもらうことにします(^^;。

田部井 真史

投稿時間:2002/10/09(Wed) 10:04
投稿者名:Giftzwerg
Eメール:giftzweg@cl.cilas.net
URL :
タイトル:
Re: 参考資料リスト(日本語版)
ハリコフ戦資料(日本語版)
随時改訂しますので直接レスをつけないでください。

--------------------------------------------------------
基本資料(戦役全体を扱ったもの)

書名:
・失われた勝利(上下巻)
 マンシュタイン回想録
出版社:
・中央公論新社
著者:
・E.v.マンシュタイン
価格:
・本体4800円+税(上巻、下巻とも)
内容:
・日本語のものでは最善でしょう。この本は内容が濃くて、一つ一つの文にかなりの背景があります。ただ、初めてではそれが理解できないかもしれません。
・ハリコフ戦は下巻に記載されています。

書名:
・焦土作戦(四六版:上下巻)
・独ソ戦史 焦土作戦(文庫版:上中下巻)
出版社:
・学研
著者:
・パウル・カレル
価格:
・四六版上巻 本体3200円+税
・四六版下巻 本体2800円+税
・文庫上巻  本体730円+税
・文庫中巻  本体680円+税
・文庫下巻  本体700円+税
内容:
・読みやすくて面白い作品です。この作品もはっきりとした「ウソ」はないように思うのですが、小説的技法として、時系列がぐちゃぐちゃになっているので、「戦史」としては不明瞭です。また武装SSに非常に肩入れしている作家であることも考慮しなければなりません。
・ハリコフ戦は四六版の場合は上巻、文庫版は上巻に記載されています。

-----------------------------------------------------------
補足資料(戦役の一部分を扱ったものや写真集など)

書名:
・擲弾兵
 パンツァー・マイヤー戦記
出版社:
・学研
著者:
・クルト・マイヤー
価格:
・本体3500円+税
内容:
・SS装甲軍団、特に第1SS装甲擲弾兵師団の戦闘に関する記述です。
 ハリコフ戦の記述量は3章62ページあります。

書名:
・ドイツ戦車軍団全史(四六版)
・ドイツ戦車軍団(文庫版:上下巻)
出版社:
・朝日ソノラマ
著者:
・フォン・メレンティン
価格:
・絶版
(古書店で探した場合、文庫上下で400円くらいから四六版で2〜3000円まで様々) 
内容:
・第48装甲軍団を中心にした記述です。
 ハリコフ戦の記述量は1章14ページあります(文庫の場合、下巻に記載されています)
 他に参謀の立場から見た戦訓等の記述が多いです。

書名:
・「ハリコフの戦い」戦場写真集
 1942〜1943年冬
出版社:
・大日本絵画
著者:
・ジャン・ルスタン
価格:  
・本体4300円+税
内容:
・戦史の記述は少なく、ほぼ純粋に写真集です。

書名:
・”グロースドイッチュランド”師団写真史
 東部戦線におけるGD機甲擲弾兵師団1942−1944
出版社:
・大日本絵画
著者:
・トーマス・マックギール+レミー・スペツァーノ
価格:  
・本体3000円+税
内容:
・グロースドイッチュランド装甲擲弾兵師団に関する記述と写真です。
 1ページ程度の戦史記事と9ページの写真+キャプションが掲載されています。