10月4日のTSS例会にて,私が連合軍,KI氏が独軍にてDynamoをプレイしたので報告します。このゲームはダンケルク撤退を扱ったゲームで,3Wの雑誌だったWargamerの付録ゲームです。デザイナーはタイ・ボンバで,彼のシステムの原型とも言える物で,ZOCこそありますが,+1移動力で進入及び離脱が出来る弱ZOCで,オーバーランは+2DMで多少不利にはなりますが,タイ・ボンバシステムと同様,オーバーランは重要な意味合いを持つ物と推測されます。
ゲームは第1ターンはドイツは謙抑的な動きを行い,海への装甲師団の突出はしませんでしたが,それでも3部隊が包囲され,1部隊は反撃を受けてしまいます。第2ターンに独軍は1部隊の救出に成功しますが,もう1部隊が又損害を受けてしまいます。第3ターンに独軍はさらに1部隊を救出しますが,不用意に突出させたオランダ方向の戦線が崩壊し,大損害を被ります。第4ターン,独軍の連絡線は一時回復しますが,直後に連合軍の大反攻が始まり,中央の戦線が崩壊,独軍は5個師団の大損害を被り,ゲームはここ迄となりました。
セットアップ状態
お互いになれていないゲームだったので,なんだか変な展開でしたが,基本的にはそれなりに分かりやすいシステムでした。ただ,年を喰ったせいか,ZOCに侵入する度に移動力を+1,+2・・・と計算するのがちょっと面倒でしたが。ゲーム展開も慣れれば白熱した物となりそうです。突進する独軍は側面を守る兵力に欠け,連合軍は南方あるいは港との連絡を切られることを常に警戒せねばならず,サスペンスに富んだ展開になりそうです。
話は変わりますが,フランス戦の様な一方が適切でない戦法を取ったため,一方的に敗れ去ったゲームを作るには,困難を伴うことが多いと思われます。プレイヤーは後知恵があるため為,わざわざ罠にかかるとは考え辛いからです。
この解決方法としては,
1 特別ルールで,無謀な移動を強制する。
(例:War in Europe(SPI) フランスシナリオ)
2 仏軍は機構戦術に劣っていたとして,仏軍の戦力評価を落とす。
(例:France 1940(AH))
3 戦略的な状況で錯誤を誘うようなシチュエーションにする(罠がアルデンヌとは限らない。)。
(例:1940(GDW))
4 最初から罠にかかった時点からゲームスタートとする。
(例:アルデンヌ1940(ドイツ戦車軍団:エポック)
等が考えられますが,本ゲームでは4のテーマを扱っていますので,ある意味では無理なくゲーム化が図られていると言えます。
YEN