エポック史上最大の作戦顛末記
By 風間祐一
1997.06.28(土) TSS例会にて
ドイツ軍
カーン方面司令官 YEN氏
サンロー方面司令官 Tn氏
連合軍
イギリス軍司令官 筆者
アメリカ軍司令官 KII氏
第1ターン
空挺降下は通常通り半数ほどの部隊がスタッカートした。
続く重爆は大失敗。21Pzの2個装甲大隊を狙った爆撃で戦果は1ステップのみ。
艦砲射撃は問題なく成功。特にオマハは残ったのは歩兵1ステップのみ。血のオマハの血とは独軍の血のこととなった。
上陸は順調に行われた。
第2移動フェイズに英軍は初めての突破攻撃を宣言するも独軍の死守命令により失敗。歩兵1個連隊の除去に戦果は留まった。
英第6空挺師団は降下に失敗した1個連隊は包囲され、行動不能となったが残る2個連隊は近くの森に集結し防御体制を整えた。
第2ターン
独軍ターン
天気が良かった。空軍14ユニットが乱舞する。
空軍の交通妨害を強行突破した装甲教導師団は砲兵旅団が除去された。
英空挺第6師団は12SS装甲師団の1ステップと引き替えに全滅。
それ以外には独軍は攻撃せず防御体制に入った。
カーン方面では、最前線に歩兵を出し、後方に装甲3個師団が睨みを効かせている。
サンロー方面では、独軍は一大撤退を実行し、早々にコタンタン半島を放棄、カランタンの東のラインまで戦線を下げた。オマハ方面はさらに極端に戦線を後退させた。
連合軍ターン
英軍は大攻勢に出た。突破攻撃により独軍第1線の歩兵部隊を全滅させた。
続く第2移動フェイズで戦線を整理し次の独軍の攻撃に備えた。最前線を歩兵1ユニットとし、主戦線を第二線とする布陣にカーン方面司令官は感心することしきりであった。
米軍は後退した独軍の後を追いかけるのが、精一杯であった。
KII 「独軍の後退が早すぎる。」
筆者 「ちっちっ、米軍の進撃が速いというのだ。」
第3ターン
独軍ターン
カーン方面で独軍の猛攻撃が開始された。第一線の歩兵旅団を突破攻撃で蹂躙し、主戦線を装甲部隊が攻撃する。大損害を受ける英軍、それに対して独軍の損害はほとんど皆無であった。
しかし、英軍はリアクションフェイズに、突出していた独17SS装甲擲弾兵師団を包囲することに成功した。
これに対し独軍は救出作戦を発動。が、これに失敗する。
第3ターンの独軍ターンは英軍に多大な損害を与え自らの損害はほとんどない状態であったが、莫大な補給物資を消耗し、(実に20ポイント以上!)更に、第12SS装甲師団と第17SS装甲擲弾兵師団が艦砲射撃範囲に取り残されてしまった。
サンロー方面ではカランタンを放棄し、コタンタン半島の戦線を更に大幅に後退させた。
連合軍ターン
英軍期待の艦砲射撃は期待したほどの戦果は挙げられなかったものの第12SS装甲師団に2ステップ、第17SS装甲擲弾兵師団に1ステップの損害を与えた。
英軍は第17SS装甲擲弾兵師団を通常攻撃で全滅させ、第2移動フェイズには装甲教導師団を包囲攻撃し、これに2ステップの損害を与えた。
米軍は独軍戦線に猛攻をかけ6の目を連発して大戦果を挙げていたが、溢水地帯の南で機甲、歩兵各1個師団が補給切れになりかけ、英軍の指摘で危うく難を逃れる一幕があった。
筆者 「そこからは撤退するように、補給切れになるよ。」
KII 「あっ、本当だ。」
第3ターン連合軍ターン終了時
第4ターン
独軍ターン
米軍と英軍の境界付近の米軍戦線が非常に薄かったため、そこを突破する作戦が、サンロー方面司令官から提案された。一時乗り気になったカーン方面司令官であったが、それに対抗して実施された英空軍の交通妨害により直ちに参加させられる装甲兵力は第12SS装甲師団1個だけであることが判明し、更に米軍の快進撃(サンロー方面独軍の大撤退)によりマルベリーまでの距離が遠かったこと、そして、米軍戦線後方にぽつんと取り残されていた1個の砲兵旅団のリアクションで作戦が崩壊することが分かると、当初の予定通りの英軍いじめに戻った。
独軍の猛攻。吹っ飛ぶ英軍。だが、同時に盛大に補給ポイントを消費してもいた。その様子に吝嗇なTn氏が文句を言う。ムッとするYEN氏。
YEN 「そんなに言うなら、次からカーン方面やりますか?いいですよ僕は。」
連合軍ターン
英軍は第21装甲師団に攻撃を集中これをほぼ全滅させた。
米軍は平押しに攻撃し、6の目を連発、各地で独軍スタックを吹き飛ばし、Tn氏に泣き言をぶいぶい言わせていた。
筆者 「米軍のダイス平均は5だな。」
全員 「まったくだ。」
そして運命の第2攻撃フェイズ。
KII 「私も一度”とっぱこうげき”ちゅうものをやってみたいと思いまして。」
YEN 「そんな必要全然ないよ。」
KII 「みんながやっているのを見てて、やってみたくなったんですよ。」
死守命令を出すかどうか悩むTn氏。死守すればその部隊は全滅するが、攻撃目標とされたのは丘なのだ。丘を占領されると言うことはその周囲2ヘックスからの撤退を意味する。Tn氏のか細い神経には高地効果の修正は耐え難いのである。といって全滅する部隊は3ユニットにもなるのだ!Tn氏のか細い神経にはそんな損害は耐えられない。ああどうすればいいのか?長考の末(本当に長かった・・・)Tn氏は死守命令は発令しなかった。
攻撃は大成功であった。結局独軍守備隊は全滅し、丘は占領された。その後方にいた砲兵旅団も突破部隊によって蹂躙された。米軍プレイヤー絶頂の時であった。
第5ターン
独軍ターン
とんでもないことが判明した。米軍戦線に穴が開いていたのだ。それだけではなく戦線後方に予備部隊は全くなかった。おまけに嵐のため空軍の交通妨害さえ不可能。独軍は何の妨害もなくオマハのマルベリーを破壊できる状況であった。
KII 「ここに動かしてない部隊があるからこれでその穴を塞がして下さいよ。」
しかし、常識外れの賽の目で辛酸を舐め続けさせられ、その上、大事な丘を奪われ、その守備隊を全滅させられたTn氏はうんとは言わない。ムッとするKII氏。ふとKII氏はあることに気づいた。
KII 「あれ?この部隊突破しなきゃ戦線穴開いてないじゃん!」
そう、第2移動フェイズ終了時には戦線に穴は無かったのだ。それを突破攻撃をやってみたかったといって穴を開けたのは他ならぬ米軍プレイヤー自身であったのである。
「側面なんか気にするな。敵に気にさせておけばいいんだ。突破だ突破だ!機甲戦の専門家はパットンだけじゃねぇってところみしてやるぜ!」と叫んで持ち場を離れていく機甲師団の指揮官の姿が目に浮かぶような話であった。
爆笑とともに全プレイヤーは戦意を喪失。(独軍プレイヤーまで戦意喪失させたのだからすごいな。)ゲームは独軍勝利と言うことで終了した。