1998年7月26日に戊辰戦争(GJ#53)をプレイしましたので報告します。
 私が奥幕軍、ひゅーらーが薩長軍でした。

 サイコロの出目により北関東の勢力の大半は奥幕軍に着いており、関東方面では兵力が不足気味でした。そこで、海軍参謀大山巌率いる薩長海軍は海輸に力を注ぎますが、この動きは海軍奉行榎本武揚の目に留まります。果たして、両者は早くも第1ターンに激突、これにより薩長海軍は大損害を被り、第2ターンには太平洋方面の薩長海軍は撃滅されるに至るのでした。しかし、榎本武揚は最初の海戦の際回転艦上にて息を引き取ります。まるでネルソンですね(笑)。
 結局関東方面の薩長軍は第1ターン中は奥幕軍の小部隊を蹴散らすのに時間をとられ、奥幕軍に宇都宮−水戸ラインでの防衛を許してしまいます。

 代わって日本海側では、薩長軍は増強されていた長岡を横目に新潟方面への侵攻を企画していましたが、資金面で豊富だった奥幕軍は直ちに新潟を増強してしまいます。ここで薩長軍は新潟方面を無理押しして長岡方面から腹背を突かれることを怖れ、第2ターン長岡を強襲します。
 しかし、近藤勇率いる大砲2とガトリングガンを有する長岡藩主力の兵力はかなり強力で、薩長軍は敗退を強いられます。

 このころ、海軍の消耗と引き替えに多少の兵力増強が成った関東方面の薩長軍は、攻勢を開始します。
 水戸に対する攻勢は、奥幕軍の多くが旧式装備だったこともあって、奥幕軍はたまらず敗走します。しかし、宇都宮に対する攻撃は、洋式装備の幕府軍歩兵に意外な苦戦を強いられ、薩長軍は撤退を強いられます。
 が、勝つことを前提に機動してきた薩長軍は、土浦−岩槻に部隊を置くことを怠っていました。このため、宇都宮の奥幕軍は、幕府海軍にによる海上上陸と呼応して、一気に江戸に侵攻、奥幕軍のサドンデス勝利となりました。

ゲーム終了時の情勢

ゲーム終了時の情勢

 今回は北関東の勢力の大半が奥幕軍に着いており、その意味ではかなり変わった展開であったと言えそうです。
 生き残りチェックとセットアップのチェックのため、プレイは毎回バリエーションに富むことになるでしょう。

 「生き残りチェック」は、あたかもRPGのキャラクター作成同様、ゲーム本体とは別の独立した構成要素の感を与えています。
 おそらく、明治維新の人物について興味をお持ちの方は楽しめるのではないでしょうか。ただ、明治維新について詳しくない人は、賽子振りが多くて面倒だという印象を受けるかも知れません。何れにせよ、生き残りチェックを受けないキャラクターも多く登場するので、それほどゲームに与えるインパクトも大きいわけではありません。

 ゲームのルールは、典型的なPoint to Pointシステムのゲームと言った感じで、特に奇をあてらったルールはありません。もっとも当時の事象やキャラクター性を出すために、やや細かいルールが多いという感は受けました。
 シチュエーションは、一応会津を巡る内線対外線の関係なのでしょうが、戦略移動が2エリアのみなのと、補給ポイントで動ける部隊自体が制限されているので、あまり大規模な機動はし辛くなっています。
 これと関連することでしょうが、ゲームの展開も、小規模な戦いが頻発して徐々に押して行くといった感じで、割と地味な印象を受けます。

 ただ、私自身は門外漢なので伝聞なのですが、このような展開は、戊辰戦争のシミュレーションとしてはかなり正確なのだそうです。仮にこのシステムで史実のOBに従ってゲームをすれば、おそらくヒストリアンを満足させることは出来たでしょう。
 現実にはそれではゲームにならないので架空戦ゲームとなっているわけですが、ゲーム自体が史実を意識したものとなっていますので、その意味でルールブック巻頭にある「起こったかもしれないもう一つの戊辰戦争」という一文は、かなりこのゲームを正確に指摘したものと言えるでしょう。

 何れにせよ基本的にはGJフォーマットなサイズのゲームですから、プレイは容易です。プレイしてみる価値はあるのではないでしょうか。

YEN      

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