8月17日のTSS例会にて、Napoleonic Wars(GMT)をプレイしましたので報告します。私がフランス、Ozさんがオーストリア、ロシア、ハナザーさんがイギリスでした。前二名は初プレイです。
第2ターン終了時の情勢
第1ターン、再編成を意図した初動のフランスの動きは鈍く、その間にオーストリア、ロシア、イギリスがプロシアへの外交圧力を強めます(*)。そのため、参戦したプロシアに対してフランスが電撃的な進行を開始し、未だ体制が整わないプロシアを各個撃破します。しかし、クツーゾフ率いるロシアが駆けつけ、ベルリン東方で両者は激突します。そして・・・、哀れナポレオンはドイツの地で最期を遂げるのでした(泣)。
しかし、実は将軍は再生産が出来るので、早速ナポレオンが再生産され、ナポレオン2世と名付けます(爆)。第2ターン、ナポレオンはクツーゾフを大いに撃破、しかし、その後はクツーゾフはじりじりと撤退し、捕捉が出来ません。その間、南方ではオーストリアがダヴーを撃破してフランス領内に乱入していました。とは言え、進出しすぎで、ナポレオンが南下すれば、オーストリアは危険だと思われたのですが・・・。とか言っている内に、ウェリントンがパリでスルトを撃破していたりしました。が、時間が迫っていたので気にしないことしましょう(笑)。
(*)これはルール間違いだったようです。
システム的には、Successors(AH)という例外もありますが、所謂ストラテジーカードに関するハンニバルシステムをマルチに応用したもので、特に付け加えることはありません。マルチに一般的なエリアと比べてポイント・トゥ・ポイントの為移動箇所が多く、各プレイヤーが1つずつカードプレイあるいはアクションをする形になっているので、若干プレイタイムが長くなる傾向があるようです。もっとも、今回(2ターンまで)のプレイ時間は約5時間でした。ルールを確認しながらだったので、慣れれば1ターン2時間くらいに出来るでしょう。全5ターンでサドンデス有りなので、プレイタイムについては許容範囲かと思います
戦闘については、バトルカードシステムは採用されず、所謂6でろシステムが採用されています。これは時間短縮に寄与しており、良い改良だと思います。マルチでは関係ないプレイヤーの待ち時間が長いのは、余り好ましいことだと思われませんから。
全般的な雰囲気としては、相当強力なフランスに対して、CPは豊富だが兵力不足なイギリス、CPも兵力も中途半端なオーストリア、全てが不足するプロイセン、兵力はあるが遠方なロシア、が対抗する図式になると思います。イギリスが、他国に援助して策謀を繰り広げるのがなかなかいい感じでした。
今年度のマルチゲームとして、おそらく代表的な作品になると思われます。プロイセンが本当に勝てるのか?というような、各国の有利不利は(歴史に忠実に題材を取る以上)出てくると思われますが、マルチやナポレオニックに興味がある方には、非常にお勧めできると思います。
・・・という訳で、マルチゲームとしては申し分ないのですが、外交関係にしがらみがないマルチの特性上、史実どおりフランスがヨーロッパを席巻する可能性はかなり低いかと思われます。
マルチだから仕方ないという考えも当然成り立つと思いますが、Pax Britanica(VG)、Britania(AH)等、歴史的な誘導を行っているマルチも存在しますので、そういう方向のアプローチがあった方が現代のマルチとしては個人的には良いのではないかと思います。
私は特に歴史的にがちがちな考えをしている訳ではないのですが、一旦はヨーロッパを席巻したナポレオンが、無理な遠征を重ねたあげく自滅し、終焉を迎えつつも再起を図る、というのにドラマティックな物を感じるからです。
もっとも、これをマルチで再現する(様に誘導する)のはかなり難しいのですが。
幸いなことに、暫くTSSでこのゲームはブレイクしそうですので、ゆっくり考えていきたいと思います。
YEN