1998年10月24日の名古屋ゲームフェスティバルにて、Turning the Table(MIH)をプレイしたので報告します。私が独軍、ハナザー大将さんが赤軍でした。
セットアップ時の情勢
第1ターン、赤軍はドニエプロペトロフスク最短の屈曲部で大攻勢を行い、独軍はその対応に追われます。最終的にこのターンの終わりには、ハリコフードニエプロペトロフスクを繋ぐ街道沿い近くにまで到達します。
一方、南方では突然の独軍の反撃があり(イベント)、そのあおりを受けてソ連2個歩兵師団が包囲され、大打撃を受けます。これに勢いづいた独軍は装甲3部隊を南方に回し限定的な反撃を開始、ある程度の成果を収めます。
また、ハリコフ南東方のドネツ川東岸では独軍と赤軍の消耗戦の様相を呈していました。
第1ターンの勝利条件は赤軍に3点でした。
第2ターン、ドネツ川東岸で攻撃方向を変更し、先のターンで部隊を分派させていた第23装甲師団の一部を包囲します。この部隊は辛くも脱出することが出来ましたが、その過程で大損害を出します。
独軍は南方方面で攻撃を続行しますが、十分な成果を上げることが出来ません。しかし、攻撃−>移動のシークエンスにより1個師団を包囲することに成功しました。
赤軍は逃げた第23装甲師団を追撃しようとしましたが、歩兵師団のスタックに阻まれ、3の損害を被り、この時点で勝利得点がマイナスになったのでゲームを終了することになりました。
ゲーム終了時の情勢
システムはコマンドマガジン日本版23号にも記事があるので、そちらを参考にしてください。
このゲームはシークエンスは、両軍3つのインパルスを交互にプレイすることです。インパルスが3つもあるので最初はびっくりしましたが、部隊をアクティブさせるのにポイントが必要であり、移動できるのは一部隊だけなので、それ程プレイアビリティが下がるわけではありませんでした。
各インパルスは、攻撃−>移動または移動−>攻撃のどちらかを選べます。Wave of Terrorによく似ていますが、(少なくともゲーム上では)陣地戦の様相を呈するWave of Terrorより、第2次ハリコフを扱ったこのゲームの方が、流動的な展開が楽しめるのではないかと思われます。
部隊を移動させるためには、各インパルスでC3Iポイントを消費させ、得たポイントを部隊に割り当て、実際に移動させることになります。文章にすると面倒そうですが、それほど得られるポイントは多くなく(むしろ少ない)、また、全体の方針を立てて個別の機動を考えるという、プレイヤーの思考の流れと沿うようにシステム化されているので、プレイに違和感を覚えることはないでしょう。
このゲームの白眉は、戦闘毎に引かれるチットでしょう。非常に効果的であり、むしろやや強力に過ぎる嫌いもないわけではありません。戦闘結果表のランダム要素に加えて、ランダム要素を重ねて評価した嫌いもないわけではありません。また、戦闘毎に引くために、やや時間がかかるのではないかという怖れもあります。
しかし、フルマップよりやや小さいクォドリマップのこのゲームでは、それほどプレイアビリティの減少は認められませんでした。
むしろ、各部隊が引けるチット数に質的優勢が簡単に表現されていること、従前は特別ルール扱いだった細かい事象がチットに盛り込まれてプレイアビリティを向上させていること(the Great War in Europeを想像して下さい。)、従前「第1ターン特別ルール」などで方向付けさせられていたものが、C3Iポイントの増減と並んで、ターンの進行に応じてチットを交換することによって、簡単に表現されていること、など利点を積極的に評価したいと思います(特別ルール自体はこのゲームにもありますが(笑)。)。
まぁ、2ターンまでしかプレイしていないので、評価はし難いことですが、かなりの手応えを感じています。そのうちまた改めてプレイしてみたいと思います。
YEN