1月17日のTSS例会にて48th Panzerkorpsをプレイしたので,その報告をいたします。私が独軍,いとちゃんが赤軍でした。


 第1ターン,赤軍は援軍を拘置せずすぐに投入することを選択。ドン川東方に登場した部隊の支援のため,ゾーンMの部隊はドン川対岸に向かって行きます。各線戦に於ける攻勢は,独軍は薄い戦線を広範囲に張っていたこともあって,殆ど無損害で戦果を挙げることに成功します。
 これに対し独軍は,後退して遅滞戦術を採ることにしましたが,前線の少なくない兵力が離脱に失敗し,赤軍の波に押しつぶされようとしています。

第1ターン終了時の情勢

第1ターン終了時の情勢

 第2ターン,Lake Sunna付近の独軍を拘束していた赤軍は,一気に機械化部隊を浸透させドン川にかかる橋の一角であるHEX4420を占領することに成功(ただし移動力の計算を間違えていた疑い有り。(^_^;))。これとともにHEX5320付近で拠点防御をしている独軍へ圧力を加えます。この他Surovikino付近では掃討戦が行われ,また,Oblivskaya付近に赤軍が到達を始めます。
 独軍は暫時後退を行いますが,第11装甲師団が登場を始めます。

 第3ターン,赤軍はOblivskaya,HEX5320,Lake Sunna周辺へ大規模な攻勢 を開始し,前2者の独軍は壊滅的な打撃を被ります。また,Surovikino付近の掃討を終えたゾーンW配置の部隊は,第11装甲師団の攻撃に備えて守りに入ります。
 ここで,独軍は第11装甲師団と周辺の部隊の全力によってゾーンW配置の部隊に襲いかかります。この攻撃により赤軍は少なからぬ損害を被り,W配置の部隊の多くが被包囲の状態に陥ります。

 第4ターン,赤軍はゾーンW配置の部隊の反撃は,何らの損害を与えることが出来ませんでしたが,遂にHEX5320が陥落,赤軍の大部隊がドン川を渡り始めました。西方ではOblivskayaが陥落しています。

終了時の情勢

終了時の情勢

 第4ターンの独軍ターンに少し入ったところで,時間によりプレイを終了しました。


 このゲームは作戦戦術級とでも言うべきものでしょうか。簡単なルールながら,戦術級の興味深さと広範な作戦的選択肢の魅力があり,なかなか楽しいゲームに仕上がっています。
 連隊規模の部隊で戦車戦を行う"Ringof Fire"に違和感を覚えた人も,このゲームならスケール的にもマッチしたシステムですし,シチュエーションも興味深いので,楽しくプレイできるのではないでしょうか(戦車戦自体は"Ring of Fire"の様な派手さはありませんが。)。
 ルールはあまり似ていませんが,どこかドイツ装甲師団長(AT)を思い起こさせるところがあります。ただ,こちらの方がヒストリカルな裏付けがあるので,より一層興味深くプレイできるでしょう。

 システム的には,赤軍はスタック制限と砲兵の制限により,機動攻撃を活用できず,勢い準備下攻撃に頼るわけですが,戦闘−>移動のシステムのため,独軍を捉えるのは容易では無いのが興味が引かれます。これに対し独軍は機動攻撃を活用でき,機甲兵力の優越が再現されています。この点は,不自然なルール無しで両軍の特徴が出ており,なかなか良いのではないかと思います。

 シチュエーションとしては,東方はドン川と荒地の険しい地形に対し,中央の機甲戦に適した平原と変化があることに加えて,赤軍の援軍の登場位置がゲームに少なくない影響を与えています。早めの援軍は東方の地形に遮られ,援軍を遅らせば平原から登場できますが,その分独軍へ与える圧力が減るわけです。
 今回のプレイで見られた,第1ターンにドン川東方で援軍を登場させると同時に,ゾーンMの部隊が支援のため東方へ向かうというプレイ以外にも,援軍を遅らせてドン川を迂回するという選択肢も考えられるでしょう。
 援軍の登場時期の選択が,プレイ開始時になされ,その後の戦況の変化につれて変更できないと言うのも,硬直した赤軍の指揮体系を思い起こさせ,面白いルールだと思いました。

 普通の作戦級ゲームとは,かなり感じが違いますので,何度かプレイしないとプレイを堪能できないのではないかという感はあります(実際,今回独軍が部隊を薄くばらまいたのと,赤軍が十分な予備部隊を拘置しなかったのは失敗と言えるでしょう。)
 しかし,何度かプレイしてみたい,と言う気にさせるゲームですから,それほど問題とは言えないかと思います。

YEN      

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