スペース・エンペラー ローカルルール

風間祐一

0 前書き

 「スペース・エンペラー」というカードゲームを記憶されているだろうか。モンスターメーカーから始まったカードゲームブームの初期の1989年に翔企画より発売されたカードゲームである。デザインはORG

 しかしデザインコンセプトとカードのイラストには心惹かれるものがあり、押入に直行させるには惜しかった。そこでルールを全面改訂したものがこれである。

 リプレイ記事とあわせて目を通して欲しい。きっと押入に眠る「スペース・エンペラー」を取り出す気になるだろう。

1 概要

 「艦隊」を率いて「星域」を占領することがゲームの基本である。その他にプレイヤーはテロリストやスパイを用いて(秘密警察に阻止されなければ)他のプレイヤーの戦力を弱体化させることもできる。時にはお節介な宇宙商人が現れたり、宇宙怪獣の襲来、欠陥品の超兵器をつかまされたり、超新星やブラックホールによって「星域」そのものが失われたりもする。

 そんな宇宙においてプレイヤーは覇権を競うのである。

2 カードの種類

 カードは全部で100枚。オリジナルのゲームそのままである。

(1)艦艇カード 51

艦艇カード

(2)星域カード 6枚

       オープンカード

星域カード

(3)貿易カード 4枚

       オープンカード

貿易カード

(4)宇宙怪獣 4枚

       オープンカード

宇宙怪獣

(5)事件カード 3枚

       オープンカード

事件カード

 

(6)スパイカード 3枚

       工作カード

スパイカード

(7)テロリスト 3枚

       工作カード

テロリスト

(8)秘密警察 4枚

       工作カード

秘密警察

(9)提督カード 4枚

       支援カード

提督カード

(10)ESP部隊 2枚

       支援カード

ESP部隊

(11)超兵器カード 16

       支援カード

超兵器カード

3 プレイヤー人数

 2人から6人までとなっているが、7人でもできないことはない。最適人数は4または5人。

4 準備

 全てのカードをよくシャッフルして各プレイヤーに5枚ずつ配る。残ったカードは場に山札としてまとめて置く。

 カード名称が赤い文字のカードを「オープンカード」と呼ぶ。プレイヤーは配られたカードの中に「オープンカード」があったならば、場に出し、出した枚数だけ山札からカードを補充する。「オープンカード」が手札になくなるまでこれを繰り返す。

 手札に「星域」カードがあった場合には、自分の占領星域として手元にオープンする。この場合には、手札の補充はなく少ない枚数でゲームを開始しなければならない。

 もしプレイヤーの誰も占領星域を所有していなければ山札の中から「星域」カードを1枚探し、場の中央に中立星域としてオープンして置く。

 パイルされたカードを山札に混ぜて一つにする。

 ダイス、またはじゃんけんにより、最初のプレイヤーを決定し、時計回りに順番にプレイしていく。

5 勝利条件

(1)全ての「星域」カード(事件カードで失われた「星域」は除く。山札の中の「星域」は含む。「星域」カードは全部で6枚ある)を占領した場合、そのプレイヤーが勝利者となる。

(2)ゲーム終了時に最も多くの「星域」を占領しているプレイヤーが勝利者となる。

6 ゲームの終了条件

 プレイヤーの一人が勝利条件の(1)を満たした場合、直ちにゲームを終了する。

 山札が尽きた場合、以後カードの補充はない。山札がなくなった後の手番に、何もしなかったプレイヤーは以後の手番にも何もできなくなり(ただし防御はできる)、自動的にゲーム終了に同意したことになる。プレイヤー全員がゲームの終了に同意した場合ゲームは終了する。

7 プレイ手順

 自分の手番となったら以下の手順でプレイを行う。

 まず、手札の補充を行う。補充枚数は基本的に1枚、それに占領星域数の半分切り上げ枚のボーナスカードを得ることができる。ただし、補充カードは1枚ずつ引き、途中で「オープンカード」又は「星域カード」が出た場合には、残りのカードを得ることはできない。

 引いたカードが「オープンカード」であった場合にはその「オープンカード」の処理を行い、それだけで行動終了とする。

 引いたカードが「星域カード」であった場合には、以後のカードを引くことはできず、手番の行動は何も行えず、行動終了となる。

 「オープンカード」を引いていなければ、以下の選択から1つを行う。

(1)「星域」カードを攻撃する。

(2)テロリストにより他プレイヤーの星域の駐留艦隊を攻撃する。

(3)スパイにより他プレイヤーの手持ちカードを1枚奪う。

(4)何もしない。

 行動が終了したら手持ちカードと駐留艦隊のカードとの合計枚数が5枚を越えている場合には5枚となるようにカードをパイルする。

8 艦隊戦闘

 艦隊により星域を占領しようとした場合、防御艦隊が出撃してくれば艦隊戦闘となる。

(1)艦隊編成

 艦隊は最低1枚の艦艇カードにより編成される。艦艇カードには1枚の超兵器カード、1枚の提督カード、1枚のESP部隊カードのうち最大2種類のカードをつけることができる。艦隊は最大でカード3枚で編成される。組み合わせはその制限内で自由である。

 駐留艦隊は駐留星域を攻撃されない限り防御艦隊に編成することはできない。

 駐留艦隊を攻撃艦隊に使用することはできる。

 駐留艦隊を艦隊編成する場合、駐留艦隊に手持ちカードを加えて艦隊を編成してもよい。超兵器カードの積み替えをしても良い。ただし、その場合には、前に装備していた超兵器はパイルされる。提督、ESP部隊は艦艇を乗り換えることができる。

 超兵器カードには艦種が指定されているものがあり、他の艦種の艦艇には搭載できない。またそのような超兵器の効果は搭載艦艇にのみ適用される。

 艦種指定のない超兵器、提督、ESP部隊の効果は艦隊の全ての艦艇に適用される。

(2)艦隊の展開

 攻撃艦隊がまず裏返して配置する。その際、艦艇カードを前にその艦艇に搭載されている支援カード(超兵器、提督、ESP部隊をまとめてこう呼ぶ)をその後ろに配置する。

 次に防御側が駐留艦隊または手持ちのカードから編成された艦隊を裏返しにして攻撃艦隊のどの艦艇を攻撃するのかが明確になるように配置する。1枚の艦艇が攻撃できるのは1枚の艦艇のみである。

 防御艦隊の方が数が多い場合には複数の艦艇に攻撃されている攻撃艦隊艦艇はそのうちのどの艦艇を攻撃するのかを決定する。

 防御艦隊の方が数が少ない場合には攻撃を受けなかった攻撃艦隊の艦艇はどの防御艦隊の艦艇を攻撃するのかを決定する。その際、艦隊戦闘に参加せず、直接、目標星域を攻撃に向かっても良い。

 展開が終了したら攻撃艦隊のカードを表にし、戦闘を解決する。

(3)戦闘の解決

 各艦艇毎に戦力と同数のダイスを振り、6が出たダイス1つにつき1ヒットとなる。その時支援カード1枚毎に全てのダイスの目に1を加える。

 ヒット数を比較し、少ない方の艦艇は撃沈となりパイルされる。同数の場合にはどちらも撃沈される。

 艦艇が撃沈された場合、搭載されていた超兵器や乗艦していた提督もパイルされるが、ESP部隊だけは他の艦艇に脱出することができる。ただし艦隊に生存艦艇がないならばパイルされる。

 複数の艦艇が攻撃する場合にはヒット数を合計して結果判定をする。ただし、撃沈判定は個艦単位で行う。

 艦隊戦闘の結果は撃沈艦の多少や、生存艦艇の数ではなく、ヒット数の多少により決定される。ヒット数合計の多い側が勝利者となる。同数の場合には防御艦隊の勝利となる。

(4)戦闘の終了

 攻撃艦隊が勝利した場合には、目標となった星域は、攻撃プレイヤーが占領し、戦闘に生き残った艦艇はその星域の駐留艦隊となる。防御艦隊の生存艦艇は別の星域の駐留艦隊となることができるが、占領星域がない場合にはそのままパイルされる。

 防御艦隊が勝利した場合には星域の所有権の移動はない。防御艦隊の生存艦艇はそのまま、その星域の駐留艦隊となる。攻撃艦隊の生存艦艇は占領星域があるならば、その星域の駐留艦隊となれるが、なければ全てパイルされる。

9 対星域戦闘

 防御艦隊が出撃しなかったり、艦隊戦闘に防御艦隊が勝利した場合でも、直接星域を攻撃に向かった艦艇が存在する場合には対星域戦闘を行う。艦隊戦闘に攻撃艦隊が勝利した場合には対星域戦闘は行われない。

 攻撃艦隊の艦艇は1枚づつ星域を攻撃する。ヒット数が1でもあれば攻撃は成功し、その星域を占領することができる。逆に1ヒットもなければその艦艇は撃沈される。

 攻撃が成功した時点で戦闘は終了し、残りの艦艇は生存艦艇となる。

 防御艦隊が艦隊戦闘で勝利した場合にも対星域戦闘が成功した場合にはその星域を攻撃プレイヤーが艦隊戦闘に勝利したものとして戦闘の後始末をする。(8戦闘の終了参照)

10 オープンカード

 オープンカードには以下の5種類があり、引いた場合には、それ以上の補充カードは引けず、そのカードを表にして、カードの処理をする。

(1)貿易カード

 このカードを引いたプレイヤーは必ず他のプレイヤー一人と手持ちカードを1枚交換しなければならない。交換プレイヤーは選ぶことができるが、交換するカードはランダムに選ばれる。

(2)宇宙怪獣カード

 スペースドラゴンとスペースアメーバが、それを引いたプレイヤーの占領星域を襲撃してくる。複数の星域を占領している場合にはランダムに襲撃星域を決定する。防御艦隊を編成して艦隊戦闘を行う。

 宇宙怪獣は1枚の艦艇として扱うがヒット数が同数の場合には宇宙怪獣が勝利する。また対星域戦闘では必ず勝利する。

 宇宙怪獣と複数の艦艇が戦闘した場合、宇宙怪獣の攻撃目標はランダムに選択される。

 引いたプレイヤーが占領星域を1つも持っていなければ、他のプレイヤーを選んで宇宙怪獣を押しつけ、そのプレイヤーが引いたように処理をする。

 宇宙怪獣が勝利した場合には目標となった星域は中立星域となり、宇宙怪獣がその星域の駐留艦隊となる。

 宇宙怪獣をESP部隊を含む艦隊で撃破した場合にはパイルする代わりに他のプレイヤーを襲撃させることができる。

 全てのプレイヤーが星域を持たない場合には、ランダムに選んだ中立星域を攻撃する。そこに他の宇宙怪獣が居た場合には戦闘となる。どちらもヒット数同数は勝ちなのでその場合にはどちらもパイルされる。中立星域もなければ宇宙怪獣はそのままパイルする。

(3)ブラックホール

 このカードを引いたプレイヤーの占領星域のうちランダムに選ばれた1星域が駐留艦隊ごとパイルされる。

 占領星域が1つもなければ手持ちの艦艇カード全てをパイルする。

 超兵器カードのブラックホールトラクター艦を持っていれば引いたブラックホールカードを他のプレイヤーに押しつけることができる。ただし、駐留艦隊の場合には、その星域がブラックホールの直撃を受けなければならない。ブラックホールトラクター艦を使用した場合にはブラックホールトラクター艦とその搭載艦はパイルされる。

(4)超新星

 このカードを引いたプレイヤーの占領星域のうちランダムに選ばれた1星域が駐留艦隊ごとパイルされる。

 占領星域が1つもなければ手持ちカード全てを失う。

(5)欠陥発見

 このカードを引いたプレイヤーは全ての超兵器カードを失う。

 駐留艦隊の超兵器、ESP部隊もパイルされる。

 提督はパイルされない。

11 工作カード

 工作カードには以下の3種類がある。プレイヤーは自分の手番の行動として使用することができる。

(1)スパイ

 他のプレイヤーに対して使用する。目標となったプレイヤーはランダムに1枚の手持ちカードを奪われる。

(2)テロリスト

 星域カードに対して使用する。駐留艦隊のうちのランダムに選んだ1枚をパイルさせる。艦艇カードをパイルさせた場合には、搭載されている超兵器カード(だけ)も同時にパイルされる。提督、ESP部隊はその場合はパイルされない。

(3)秘密警察

 スパイ、テロリストを無効にする。

 使用後パイルする。

 

転載者YENより

 このローカルルールは、本来MSワードの文書ファイルであったものを、htmlに変換したものです。その過程でimageがうまく変換できなかったため、やむなく画面コピー等を用いてimageを作成しています。元稿ではもっと美しく、レイアウト組等も凝ったものでした。

 

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