どうもTJです。

 「BALKAN HELL(COM#35)」(以下「BH」と省略)をプレイしたので紹介します。コマンドのこの号にはもうひとつ「MASON DIXON」という魅力的な2つのゲームが付録になっています。「MASON DIXON」の方は南北戦争で南軍が独立を勝ち取った後、20世紀に入ってからの第2次南北戦争を扱うIF戦記の戦略級ゲームです。開戦の時期は第1次大戦時、第2次大戦時及び現代(1995年)の3シナリオになっています。何ともソソるゲームなんで、プレイしたらまた紹介したいと思います。
 一方のBHは数年前のボスニアヘルツェゴビナ紛争のゲームですが、意外にもこちらもIFゲームです。設定としては、1995年秋の和平交渉に先立って、ボスニア(及びクロアチア)側が最後の大攻勢に出たらというものです。

 マップはボスニア全体及び周辺のクロアチアとセルビアを含んでいて、1ヘクスは約12qです。マップはほとんどが丘陵地帯であるため、地形は単調ですが、グラフィックが悪いため地形はかなり見にくくなっています。
 ユニットの規模は部隊によりまちまちながら約2000人で、両軍合わせて300個ほどあります。大半が1ステップですが、ユニット数はかなり多いように感じます。スタックは都市では10個、その他では7個です。局所的にはかなりのハイスタックのぶつかり合いになるでしょう。なおZOCはありません。
 シークエンスは下記のとおりで、割と変則的な感じがします。
  A ボスニア側移動
  B セルビア側機械化部隊移
  C ボスニア側攻撃
  D セルビア側攻撃
  E セルビア側移動
 この他、ボスニア側の規制(コマンドコントロール)ルールは2つあります。1つ目は、ボスニア軍とクロアチア軍は共同攻撃できないことで、2つ目はボスニア軍は各ターンに2ユニット以上で攻撃できるのは2カ所までとなっています。
 救われる事に民族浄化に関するルールはありません。

 初期配置は第1次中東戦争のようにモザイク状になっています。ボスニア側支配のサラエボはセルビア側に突き出た形になっており、すぐに包囲される一方で、セルビア人勢力の一部もボスニアの奥に取り残された格好で、主要都市のBANJA-LUKAを中心に立てこもります。ゲーム展開は、この2都市の帰趨を中心にした領土確保の攻防戦が繰り広げられるでしょう。
 展開のポイントのひとつは、両軍の行動規制にあります。ボスニア側は前記の攻撃制限でユニット数で多数を占めるボスニア軍があまり攻撃できないので、少数精鋭のクロアチア軍が攻撃の主力にならざるを得ません。ユニット数もボスニア軍の方がかなり多いのですが、全般的に戦闘力が低く、この面でもクロアチア軍が攻勢の主力となるでしょう。
 一方のセルビア側は機械化部隊を除き「攻撃−移動」のシークエンスのため、組織的な反撃は困難に限定的なものとなっています。
 なお、このゲームのシークエンスでは、セルビア側が下記のような往復戦術を行うとボスニア軍は一歩も前進できなくなります。従って、何らかのルール改造は必須かと思われます。(セルビア機械化部隊の数が少なければ問題にならないのでしょうが、部隊数は充分にあります。)

ボスニア軍移動   セルビア機械化部隊戦線に接敵
セルビア機械化移動 全線で1ヘクス後退
ボスニア軍攻撃   接敵していないので攻撃できず
セルビア軍攻撃   攻撃しない セルビア軍移動   全線で1ヘクス前進して接敵する

 とりあえず、下記のルールを提案しておきます。
 「ボスニア攻撃フェイズでは敵の存在しない空のヘクスを攻撃することができる。この場合、自動的に攻撃は成功したものとし、戦闘後前進を行うことができる。」


 どうもTJです。

 その後、もう一度、プレイしました。
 結果は4ターンでお互いに包囲している部隊を料理して、あとは戦線でのぶつかり合いという形となり、ここで、両プレイヤーともモラル崩壊し、プレイを中止しました。

 序盤で、散らばっている部隊を互いに潰しあうあたりは、なかなか面白いと思いましたが、それのカタがつくと、戦線でのぶつかり合いになってしまって、あまり面白いとは思えません。
 特に悪いゲームとは思いませんが、特にプレイしたいとは思わないので、当分プレイすることもないでしょう。

 反論あれば、ぜひぜひお願いします。

TraJan      

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