1998年4月4日のTSS例会にてProud Monster(XTR)をプレイしたので報告します。私が北方軍集団と中央軍集団、KII氏が南方軍集団とルーマニア軍を指揮し、紅氏が赤軍北方、TraJan氏が赤軍南方でした。

 赤軍の初期配置は、赤軍のサドンデス敗北を避けるために考案された、グロクナード(ホームページ)に発表された配置を採用しています。赤軍は最前線を捨てて後方でハイスタックの山を作っています。

セットアップ時状態

セットアップ時状態

 第1ターン、独軍はオーバーランを多用しつつ前線を突破して、ロシア領内に進行します。中央軍集団の先鋒はミンスク北方の森林地帯を突破し、南方軍集団もスターリンラインに迫る勢いです。しかし、独軍は都市攻撃よりも前進を重視したため、リガやミンスクは陥落していません。このターン赤軍は40師団相当の損害を出しますが、独軍装甲も3ステップの損害を出しています。
 これに対して赤軍は、赤軍北方はオルシャ近郊まで下がり、赤軍南方はスターリンラインとドネツ川を利用して堅守を図ります。第1線はほぼフルスタックでオーバーランを防いでいます。

 このため、第2ターン第1カプレットは独軍はオーバーランを掛けることができず、独軍北方では両翼に延翼運動を行い、南方ではルーマニア方面に展開して赤軍の分散を誘います。この間の赤軍の損害は18個師団相当に留まります。
 KII氏のコメント「堅てぇんだよ! 赤軍は・・・。」
 赤軍は、援軍を利用しつつ延翼運動に対応し、フルスタック体制を崩さずに堅守します。

 この堅陣に対し、第2ターン第2カプレット、独軍は強行突破を企画、独軍北方はヴィテブスク西方にて装甲10個師団相当を用いて突破します。引き続き独軍は後方に戦果を拡大します。しかし、その過程で装甲4ステップを失い、また、独軍南方は突破に失敗、かつ大損害を被っています。それでも赤軍に49個相当の損害を与えることに成功しました。
 KII氏のコメント「街道上の怪物がぁ〜・・・」
 赤軍北方は、スモレンスクまで撤退、増援を利用して戦線を張ります。赤軍南方はまだスターリンラインで頑張っています。このターンの末にソ連の要塞線が完成します。

第3ターン第1カプレット開始時

第3ターン第1カプレット開始時、スモレンスク周辺の情勢

 独軍は独軍は強攻策を続行、第3ターン第1カプレットに再び装甲部隊を集結させて突破に成功し、ソ連の防衛戦を寸断します。一部の装甲部隊はヴィヤジマラインを突破してソ連の要塞線を破壊します。しかし、南方では鉄壁の防御陣地に阻まれ、前進をすることが出来ません。
 KII氏のコメント「スターリンラインはおばけ屋敷だぁ。誰も生きて帰れんぞ・・・。」
 しかし、赤軍は独中央軍集団の圧力が増しているのに鑑み、南方では旧ポーランド国境近辺のスターリンラインを撤収し(ルーマニア国境のスターリンラインは維持)、北方も全般的に戦線を整理しました。

 第3ターン第2カプレット、再び独軍の猛攻が始まります。北方にある殆どの装甲部隊をスモレンスク近辺に集中投入、これに絶えきれなくなった赤軍は遂に戦線が崩壊します。スモレンスク近辺からキエフ方面へと戦線が直角的になっていたため、独軍は対角線を遮るように赤軍の連絡線を遮断、赤軍の多くを補給切れに陥らせ、続く攻撃により大損害を与えることに成功します。
 さらに独軍の先鋒の一部はブリヤンスク近辺に進出しており、赤軍は移動力の関係からこの部隊の動きを遮ることは出来ないことはおろか、同部隊の補給をカットすることも出来ないことが明らかとなります。

ゲーム終了時

ゲーム終了時のブリヤンスク周辺の情勢

 時間の関係でここでゲームを終了しました。

 このゲームはプレイアブルなビックゲームでかつメジャーテーマのバルバロッサ作戦を取り扱っていますから、プレイされた方も結構いらっしゃることと思います。ルールが標準的XTRルールというのも、プレイアビリティを上げています。
 ゲーム自体も電撃戦を彷彿とさせる展開で、非常に楽しめました。XTR標準ルール特有のZOC無しルールのため、全般的に包囲の形勢にあっても赤軍がするする後退して行くとか、補給切れとなってもステップロスしないため、結局独軍が力で押して行くという展開になりがちですが、まぁ許容範囲でしょう。

 以前パソコン通信で話題になったルールでGASラインの問題があります。スモレンスク東方当たりにGASラインなるものがマップ上に引かれており、独軍がこれを越えて進出するとかなりのペナルティが課せられます。
 基本的に私は難解なルール無しで補給問題を再現するこのルールは、決して悪くないと思っています。性格的にHJの「太平洋艦隊」の攻勢限界線と似たようなルールと言えるでしょう。この点、補給に拘った「太平洋艦隊」では攻勢限界線のルールにはかなり違和感を感じましたが、補給がゲームの焦点ではない「Proud Monster」ではそれほど気になりませんでした。複雑な補給ルールを導入すると、プレイアブルなバルバロッサビックゲームという利点が削がれてしまいますから、補給ルールの簡略化はやむを得ないものと思います。
 しかし、今回も赤軍がGASラインに沿って戦線を引く局面も見られ、不自然な点も見受けられることは確かです。結局はプレイする人の好みという事なのでしょう。

YEN      

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