8月11日から14日にかけて行われた、川中島合宿にてWAVE
OF TERRORのプレイをしましたので報告します。連合軍北部が私、南部がTraJan氏、独軍北部がGREG氏、南部がIMU氏でした。
ローカルルールを採用してのプレイです。
米軍の初期配置で目立った点としては、まず米第99歩兵師団近辺が、ローカルルールの連絡切れ封じで、数珠繋ぎ戦線となっていたことです。次に、米第106歩兵師団がE3722とE3822で隣接させてあり、運が良ければ北方へ突出させる予定だったこと(これは後で誤りであったことが判明します。)。最後に、最南方第4歩兵師団の自由配置部隊が、最前線の部隊とスタックし、最前線の部隊の全滅を避けるようにしてあることでした。
初期配置の状態(手前側が東)
独軍の配置で気になったのは、サンビット対岸を望む、E3917に第3降下猟兵師団3スタックと8戦力の独立大隊が配置されていることでした。このままだと、2門の砲撃で平均値の7がでた場合、6:1の戦闘比となり、1の目が出ると米第14騎兵グループが全滅しないので、この地点の重要性に鑑み、第12国民擲弾兵師団の3スタックと8戦力の独立大隊を配備するのも考えられると思います。もっとも、順調にいけば、こちらの方が効率的でしょう。
○第1ターン
いずれにせよ賽は振られました。各線線とも順調・・・と思いきや、例のE3917の橋では・・・、おっと砲撃が5の目だぞ・・・。危ないな、これで某同人誌の連載ではお約束の目が出るのだが・・・。・・・コロコロ・・・。・・・1ですね(爆笑)。
しかし、米軍も喜んでばかりはいられません。第106歩兵師団は、独立大隊の自由配置を見落としていたため、重囲に陥り、復帰の見込みがなくたっていました(結局防ぐ方策はないと思う。)。また、最南方の第4師団は、1大隊の保全と引き替えに、1個連隊が独軍に捕捉される危険が生じています。結局第99師団は粛々と後退を始め、第106師団は現状維持、第4師団は、機械化部隊の救援を仰ぐこととしました(初期の貴重な機械化部隊が最南方に張り付けとなったので、失敗だったかもしれない。)それに伴う戦力不足が影響したのか、MARNACHは放棄して、CLERF全面の橋の爆破は諦めることとなりました。
こうした混沌とした情勢の中、初日の夜は過ぎ去ってゆきました・・・。
翌日、午前中の善光寺でやった必勝祈願が功を奏したのか、独軍の攻撃は好調です。LOSHEIMERGRABERで包囲された第99歩兵師団には4ヒットを与え(8:1を越える戦闘比のため)、包囲された第106歩兵師団にも痛打を与えます。パイパーはサンビット全面に進出。しかし、第14騎兵グループの生き残りに妨害されて、砲兵をとり逃したのが悔やまれます。
連合軍はこれに対してサンビット4スタックを採用。また、バストーニュ方面では包囲される前にどんどん退却を始めます。
○第2ターン
パイパーはバストーニュを放置してBEHO方面へ進出。うーん、予想していたとはいえ、これは不味い。第12SS装甲師団は、第1SS装甲師団の後を通って進撃中。やはり、第6SS装甲軍は中央旋回するようです。
とりあえずパイパーの足を止めなければ。BEHOでは集中攻撃を受けると承知の上、防衛戦を展開することにします。
パイパーはBEHOの連合軍に痛打を与え、第12SS装甲師団はサンビット攻撃を開始するも、あまり効果はなかったようです。南方では、バストーニュ全面まで進出。もうあまり下がれなくなってしまいました。
BEHOの防衛線が張れなくなったので、直後の交差点で守ることにします。戦線が広がったため厚みがなくなるのですが、やむを得ません。
○第3ターン
ここで突如独軍は攻撃−>移動のシークエンスを採用。あろうことに、独軍の戦闘後前進を見逃していたため、E2022の交差点を奪取されます。ここは南北を結ぶ重要地点であるとともに、E1821で止まってしまった機械化部隊をLAROCHEへ送り込むためになくてはならない通路でした。こりゃぁ不味い、南方軍司令官に頭を下げて、部隊を借り受けなきゃぁ・・・(^_^;)南方の独軍も暫時前進します。
この危機において、南方軍司令官は2個機械化大隊を派遣してくれるとともに、第101空挺師団の派遣を約束してくれました。
中央を進撃する独軍(手前側が東)
第1SS装甲師団は、LA ROCHE侮り難しとみたか、北方を伺う様子。確かに、SOY周辺は割と抜きやすいのですが、AISNE
RIVERで阻止されることも少なくありません。さて、どうするのでしょうか。南方では、BERTOGNEあたりで圧力がかかっているのが気になります。
連合軍第2カップルで、第101空挺師団が駆けつけたことにより、中央方面の戦況はかなり安定しましたが、その割を受けて、南方ではBASTOGNE周辺とSPRIMOUNTまで下がる羽目に。南方軍司令官には申し訳ないです。m(__)mここにおいて、北部の兵力が遊兵化しつつあったので、MALMEDY近辺まで下がることにしました。
○第4ターン
このターンから補給切れ判定がありますが、独軍はこれを苦もなくクリア。うーむ。(^_^;)
第1SS装甲師団はSOY近辺まで進出し、BERTOGNEから北上した部隊がLA
ROCHE後方を伺う様子。結構うっとうしい。バストーニュは遂に半包囲の状態に。まだゲーム上では12月19日なんだが、大丈夫なのか(笑)。
ここにおいて、遂に連合軍はバストーニュに部隊を後置して、撤退を開始。LA
ROCHEでの援翼運動にも対応し、北方では川沿いに戦線を張ることにしました。
第1SS装甲師団の進撃は順調。第2SSは遂にサンビットの陥落に成功。第12SSは、1SSの後に続きます。南方では遂にサンビットの完全包囲に成功しますが,攻撃は見合わせます。
連合軍は戦線の拡大に対応しきれなくなり、LA
ROCHEの撤退等、中央部での戦線整理を始めます。
こうして2日目の夜が過ぎてゆきました。
○第5ターン
このターン補給切れを起こしたのは、第116装甲師団だったのではないかと思います。
確か第1カップルは、攻撃−>移動のシークエンスで、バストーニュが2ヒットを喰らったのような記憶です。2ヒット喰らったときは連合軍に驚愕が走りました。第12SS装甲師団は、TABIEVAL(E2220)付近まで到達。まさかとは思いましたが、そのまま北上しないかと心配になりました。第1SS装甲師団主力はBOURDEN(E1121)付近に布陣。独軍気分的大勝利まであと1ヘクス(笑)。ところが、パイパー戦闘団は、E1124に布陣し、主力とは距離を開けます。OURTHE
OCCIDE NTALE RIVER北岸が穴とみたのか?同時にSPRIMOUTが包囲されたのが不気味です。
しかし、パイパー戦闘団は、道路以外でも4ヘクス移動できるため、兵力の空疎な中央部ではやはり脅威。やむを得ず連合軍は後退します。SPRIMOUTでは1カップル死守することにしました。
連合軍の反撃(手前側が東)
ここで、第12SS装甲師団が近くにきたことに気をよくしたか、遂に第1SS装甲師団が西マップに進入。やったね、気分的大勝利だ(笑)。さらにパイパーはW3925に突出!SPRIMOUTでも連合軍に痛打を与えることに成功。独軍最良の日なのでしょうか?
しかし、連合軍は突如反撃を開始。パイパーは重囲に陥り、連絡線を絶たれたところに連合軍が突撃。相手は名に聞こえたパイパー戦闘団。連合軍兵士の顔が引き締まる。さて、その内訳は・・・、自動車化歩兵大隊4個(第1SS中最弱)。な〜んだ、パイパー弱〜い(笑)。4:1の攻撃にて1/3の損害を与えることに成功しました。
さらに調子に乗ってE1318にいた第9SS装甲師団の1スタックにも攻撃を敢行!ゆけ〜・・・あらティゲールじゃん(爆)。と言うわけで、連絡切れにしたにも関わらず、1:1の比しか立たず、1/1の結果に終わります。連合軍攻撃左1シフトと、重戦車修正の1シフトの威力を痛感した一戦でした。南方でもSPRIMOUTを放棄するものの、局地的な反撃が開始されたようです
○第6ターン
連合軍期待の恐怖の大王が降ってきました。補給切れは総統護衛旅団だったと思います。
さて、第1カップルの開始時、パイパー戦闘団周辺は大変面白い情勢でした。パイパー戦闘団とドイツ側戦線との間に連合軍のスタックが割り込んでいるものの、パイパー戦闘団の後方は兵力不足で、攻撃−>移動のシークエンスを採用した場合、2:1の攻撃にて4以上がでれば撃破可能でした。おそらく移動時に補給が通ることはなかったでしょうし、仮に通ったとしてもROCHEFORTは第5機甲師団が守っていましたが、少なくともROCHEFORTに隣接しL'HOMME
RIVERに架かる橋を押さえられるJEMELLEが(橋が落ちなければ)奪取可能でした。今なら第5機甲師団の敵との隣接のペナルティで4VPが漏れなくついてくる(笑)。連合軍の勧めもあって(笑)、独軍も一寸迷ったようでしたが、結局移動−>戦闘で確実にパイパー戦闘団を救出することにしました。第9SS装甲師団についても,西に隣接していた第12SS装甲師団が進撃を中断して東にスウィングし、包囲部隊を攻撃し,突出部隊は無事救援されました。
もっとも、パイパー戦闘団は依然集中攻撃を受ける状態にあり、2:1位で再度攻撃を受けます。結果は1/2となり、パイパーKGは遂に1枚が除去さてしまいます。とは言え、連合軍も戦線の維持の必要性と、連絡線が通ったため、中央部では、後退して戦線整理します。中央部はROCHEFORTを中心とする防衛線とW3522近辺の森林で戦線を張り、両者の中間は穴があいています。これは独軍が突出を自重するのではと考えたからです。SOY北方は、川のラインへ近づいてゆきます。
再編なった第1SS装甲師団は、北上して森のラインで連合軍と激突。また、第1SS装甲師団と第12SS装甲師団の間には、国防軍(第116装甲師団か?)が間隙を埋め、攻勢に厚みを増した感があります。
連合軍は独軍の進出に合わせる形で戦線を整理し、中央の間隙も、部隊の手当がついたので埋められました。
このターンの最後に、パイパー戦闘団の解体がありました。「私たち、普通のSSになります(笑)。」
○第7ターン
BASEPLATE作戦が成功。連合軍の飛行機が半分になってしまいます。飛行機の援護が合ってさえ、防御に精一杯で、正面からの攻撃など以ての外状態なのが、この低落とは、先が思いやられます・・・。補給切れは、たぶん戦車教導師団だったと思います。
各戦線で部隊が満遍なく配置されたため、そろそろ機動戦から消耗戦の様態を示しつつあり、このカップルではあまり戦線の移動はありませんでした。もっともMALMEDY西方で独軍歩兵が突如攻勢にでたのには吃驚しましたが。これこれ、人が忘れている方面で攻勢にでるんじゃない(笑)。
連合軍の対応も、部隊の増強に止まりました。
ドイツ最後の進撃(手前側が東)
ところが、第2カップルで、膠着に伴い独軍が攻撃−>移動のシークエンスを選択したところ、以外にもROCHEFORT南部の第101空挺師団のスタックが撃破され、修復不能の穴が発生します。その後の移動により、撃破された部隊を支援した砲兵部隊の全滅が確実な状態となり、W4027の第101空挺師団のスタックは包囲されて救援が難しい状態です。第1カップルでは一段落したと思った情勢が、また風雲急を告げてきました。
連合軍の兵力の多くはすでに前線に投入しており、予備部隊が少なかったため、これに十分な対応をすることができません。むろん独軍は数珠繋ぎの戦線を張っており、突出部への反撃など不可能です。気がつけば、第12SS装甲師団全面と、バストーニュ前面の部隊の殆どは、損害を喰らっており、このまま攻勢が続けば破局を迎えるのでは・・・という心配が頭をよぎりました。
○第8ターン
しかし、せっかくあいた間隙部でしたが、W4027の第101空挺師団の生き残りのため、補給路が通じていません。もう一本の補給路は、ROCHEFORTの連合軍が堅くガード。結局、連絡切れを狙って、W4027付近の障害地形をシコシコと越えてゆく、独軍歩兵が笑いを誘います(本当は笑っていられないが。)。MALMEDY西方の成功に気をよくしたか、援軍の第9装甲師団がMALMEDYへ寄ってきたのも困ったものです。この地区は兵力を引き抜きまくって、戦線を張るのにも困難に鳴りつつありましたから。それから、確かこのターンだと思いますが、第2SS装甲師団がBASTOGNEを攻めましたが、1:2の攻撃となり3/0の結果に終わるという微笑ましい場面もありました(笑)。
ここら辺で、時間により終了しました。
終了時のバストーニュ近辺(手前側が東) 終了時のバルジ突出部(手前側が東)
それでは、WAVE OF TERRORローカルルールの感想です。
まず結果はプレイ報告を参照していただきたいのですが,大体ヒストリカルに近い結果と言えそうです。
例えば,第4ターン(12/19)にバストーニュが包囲されていますが,史実ではこの頃第2装甲師団がNOVILLE(E2130)で,戦車教導師団がLONGVILLY(E2431)からMAGERET(E2232)付近で戦っています。また,第7ターン(12/22)にはROCHEFORT(W3626)付近まで独軍が進出していますが,史実ではHARGIMONT(W3924)が陥落しています。何れにせよちょっと早いのですが,まぁ,誤差の範囲内でしょう。もっとも,史実では第6SS装甲軍が中央旋回などしていないので,単純に比較できないかも知れませんが。
また,第7ターン終了時には,独軍の装甲師団の多くはかなりの損害を喰らっていたようで,そろそろ攻勢限界線に近づいていたのかも知れません。史実では12月25日あたりから独軍の攻勢は衰えて行きますから,ここら辺も旨く行っていると言えそうです。
ゲーム性も,元ルールと比べて,包囲されないように両軍とも機動に細心の注意が必要となり,むしろ面白く仕上がっています。また,せっかくのバルジですから,交差点での要塞戦で殴り合うより(TraJan氏に言わせると,「雪のハルファヤ峠」だそうです。),マップ全体を用いた機動戦の方が面白く感じるのでは無いかと思います。
と言うわけで,基本的な方向としては,全てのてららあに試していただきたいルールだと言えそうです。
ただ,連合軍の攻撃が1シフト付くというのは,かなり連合軍に厳しいような気がします。例えば,連合軍戦車師団(64戦力)が全力で森にいる標準的な独軍歩兵師団3スタック(18戦力)を攻撃する場合,3:1−>2:1(地形効果)−>1:1(連合軍シフト)となり,空軍でもいない限り,有効な攻撃が出来ません。今後の連合軍の反撃に悪影響が出るのではないかと懸念されます。
もちろん序盤に,連合軍が戦闘−>移動のシークエンスで,攻撃をやりたいほいだいして逃げる(一部で「当て逃げ」と呼ばれています。)するのを防ぐ効果はあったのですが,連合軍シフトを序盤のターンに限定するか,連合軍は攻撃−>移動でも1シフトしないとする方が良いのかも知れません。
また,ゲーム上での連合軍の損害はかなり甚大で,独軍が撃破され難くなったため,勝利条件上はかなりの大差となっていました。また,特にSOY周辺の部隊は,第1SS装甲師団に叩かれた後さらに第12SS装甲師団に攻撃を受け,殆どの部隊が1ステップを喰らっていました。
今後の展開は予断を許しませんが,以外と連合軍崩壊,という目もあったかも知れません。
この点からも連合軍シフトを改善した方がよいかと感じました。
何れにせよ,皆さんもローカルルールをプレイされて,意見を言って戴ければ参考になるかと思います。
YEN