ホームページのテストプレイ記事の補足とルールの補足。
1 ホームページのテストプレイでは一応ドイツ軍の勝利となっていますが、デザイナーである私自身も久しぶりのプレイで、ルールおよびその有効な作戦が記憶の中で曖昧なものとなっていることから、ドイツ軍のプレイは美しいものではありませでした。その反省を踏まえて以下に補足を記します。
a)アメリカ軍の行動。
プレイ中、アメリカ軍の第3軍が補給の判定は随時であると判断して、デザイナーの私自身もなぜかそう思い込んでいたので、補給線を切断するための作戦を実行していますが、実際は補給フェイズに両軍の補給を判定することから何ら有効な手段ではありません。ただし、プレイ中は盛り上がっていたので今回のテストプレイでは見逃してください。また、アメリカ軍プレイヤーからの質問であったのですが、自軍ユニットが通過していない道路を補給線として使用できるかがありましたが、ルール上使用可能です。あくまでも敵軍のユニットによる道路の占拠が補給線の切断の条件となります。
b)ユニットの撤退方向に関して。
本ゲームではユニットの撤退方向が極めて曖昧で判断しにくい面があり、今回のテストプレイ中もそのことが問題となったので補足します。
(1)撤退方向1
撤退方向は主攻ユニットが戦闘発生ヘクスに進入するために通過した(直前に居た)ヘクスの反対方向の3ヘクスです。支援ユニットが進入した方向のヘクスは問題になりません。したがって自軍ユニットでこの方向の3ヘクスを占拠した場合は、敵ユニットは後退ヘクスが失われ、戦闘を継続し敵ユニットを後退させるか、あるいは,ステップを失うまで戦闘を続けるか強制後退によって除去されるしか選択肢はなくなります。
(2)撤退方向2
撤退は自軍の補給下のヘクスに優先的に後退しなければなりません。しかし,補給下のヘクスが(1)の条件下にあった場合や補給下のヘクスが存在しなかった場合は,非補給下のヘクスにも後退はできます。
c)道路移動フェイズ
道路移動フェイズはプレイヤー間の話し合いによってなくすことができます。たたし、道路移動は作戦移動フェイズにおいて行ってください。
2 ドイツ軍の作戦に関して。
ドイツ軍の作戦はテストプレイのように憂順不断ではいきません。本ゲームではドイツ軍の選択できる作戦は3つあります。北方突破・中央突破・南方旋回です。史実では南方旋回の方法をとっており,テストプレーでも南方旋回をおこなっています。ただし、テストプレイでは、バストーニュ方面に第5軍の装甲師団をアメリカ軍の掃討のために貼り付けてしまったため,突破力が失われ,後半のバルジ先端部分の前進が思うように行えませんでした。南方旋回を行った場合は前進せねばならないヘクスが増大することから,補給線の確保が極めて重要になります。恐らく,ドイツ軍プレイヤーは南方旋回を行った場合,バストーニュの確保のため一度は装甲師団を投入しなければなくなると思いますが,その後はドイツ軍の歩兵師団に後は任せて前進しましょう。バストーニュはパットン第3軍を誘き寄せる為の餌と思っているぐらいが丁度よいかもしれません。ドイツ軍にはバストーニュが落とされてもサン・ビットが残っている筈ですから…(プレイによってはマルメディから出発したアメリカ軍にサン・ビットを陥落させられる可能性はあります。)。
中央突破も過去のテストプレイの経験からの言えばかなり興味深い展開ができます。バストーニュにアプローチしながらの進撃になり,多くの場合,バストーニュの陥落は困難なものとなります。しかし、軍境界線を活用した柔軟なドイツ軍の展開により,進撃速度は保たれディナンおよびユイ方面へのアプローチが可能となり,アメリカ軍の防御せねばならない場所を増加させることになります。
北方突破は中央突破も視野に入れた形で行われることになりますが,勝利目標には距離的に最短であることがそのメリットとなります。ただし、アメリカ軍に比較的守りやすい地形が多く,多少の損害は覚悟しなければなりません。また,進撃路の大半が森であることから混乱状態に陥った自軍ユニットが道路を塞いでしまわない様に気をつけねばなりません。最終局面ではリージュに突撃することよりもユイに突撃することが多くなるかもしれません。リージュに到達した時点でドイツ軍のユニットはボロボロになっていることが多く元気な姿でリージュを守っているイギリス軍のユニットを見たときは誰だって目標を変更したくなるものです。私も製作中のテストプレイでそれを行った一人です。
結びに。
今回、ホームページに記事を載せれることになったため10ターン以降もゲームを継続できるものにしようと考えていたのですが、仕事が年末に忙しかったことや勝利条件の設定のしなおし,ノルトビィント作戦の影響、ドイツ空軍のボーデンプラッテ作戦の実施,ヒトラーの撤退許可など盛り込まなければならないことが多く,今回は断念しました。また、機会があればシナリオの形で追加ユニットも含めて出したいと考えています。