タイトル | : Re^2: 宋銭・明銭と日本経済史について |
投稿日 | : 2006/09/04(Mon) 09:10 |
投稿者 | : TraJan |
Giftzwergさん こんにちは。亀レスになってすいません。
「そんなに大量に流通していたのか」の意味としては、貨幣経済が成立するにはベラボウな量の明銭が必要になるだろうなという事です。私が見たところでは、貨幣経済が成立していた事を示す文献はありませんでした。Giftzwergさんの文章でも戦国時代には貨幣経済が成立していなかったことを認めるように読めますがいかがでしょうか?
そこで、ふと貨幣経済が成立するにはどの程度の銭が必要なのかを疑問に感じたので、乱暴ではありますが、私なりに試算してみました。
方針として、貨幣経済が成立している現代の貨幣の流通量を人口比で按分してみることにします。(銭の価値を現代と比較してみると、銭1貫=1000銭=米2石としてこれを換算すると・・・1銭=米2合になります。単純比較は出来ませんが、感覚的には1銭=1コインという感じです。)
現代の人口は約1億2千万人。中世の人口はハッキリしませんが、奈良時代(8世紀)で約6百万人、江戸時代(18世紀)で3千万人とされますから中世の人口を約1千2百万人くらいとします。
次に現代の貨幣流通量を調べると約1000億枚(うち約1割が紙幣)でした。
よって、中世の貨幣量は100億枚となります。質量で言えば、1枚4gとして、400億g=4000万kg=4万tになります。
以上、多くのファクターを無視した乱暴な計算ではありますが、貨幣経済が成立していたのであれば、数万tの宋明銭が輸入されていたと推測されます。