タイトル | : Re^2: 歴史群像67 |
投稿日 | : 2004/10/01(Fri) 02:53 |
投稿者 | : 山田 利道 |
例えば、中華思想に心酔して日本人としてのナショナル・アイデンティティを捨て去り、国名を「東中華人民共和国」と変えて「我々は中国人である」と主張し始めたなら、別にその人は隷属状態にはありません。
まず、「思想に心酔している本人から見れば」、自分は隷属的状況には置かれていないはずですね?
次に、ナショナルアイデンティティを持たないことが、隷属状態を意味しないことは、説明しなくとも分かると思います。
三つ目に、ナショナルアイデンティティそのものが、民族主義や国家主義に心酔していない人達(よく分離主義者などと呼ばれますが)から見れば、自分達を隷属状態に置く諸悪の根源のようなものに思えることでしょう。
幕末の日本のように仕方なくナショナルアイデンティティを持たざるを得なくなった場合もありますし、帝国の庇護下で独自の文化を発展させた国もありますから、「今の時代で言うギリシャ人」から見ればどうだかわかりませんが、一概に「ビザンチン帝国当時のギリシャ人」がローマやトルコに隷属していたとは言えないのではないでしょうか?
帝国が衰退してしまったので、独立国家にならざるを得なくなった、という形で燃え上がる民族主義というのもありだと思います。