History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re: ドイツ第6軍は救えたか
投稿日: 2004/12/26(Sun) 17:55
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/

こんばんは、山崎さん。

>こうすれば第6軍を救えたというアイデアをお持ちの方がおられましたら、ぜひお聞かせください。

こういう場合、救えた、の定義が問題でしょう。
第六軍の戦力を救出することを救えたとするか、
人員だけでも脱出できれば救えたとするのかによって
条件が全然変わってきます。

とりあえず、考え得るパターンは次の3つでしょうか。

1)包囲直後に機械化部隊のみ一旦脱出させ友軍戦線に到達後反転逆襲
 (キロウォグラード流ですね)
2)第六軍が空中補給を受けつつ自力で脱出
 (マンシュタイン最後のバックハンドブロー流ですね)
3)チル川戦線の崩壊を度外視して冬の嵐に投入する戦力を増す。
 (第一装甲軍とソ連軍とでロストフへの競争をやることになります)

それぞれ一長一短でしょう。
1)案は正攻法です。が、2点考慮しなければなりません。
第六軍機械化部隊が早期に脱出作戦を実施して友軍戦線にたどり着けるか?
歩兵部隊のみでスターリングラード包囲陣がソ連軍相手に維持できるか?
いずれにせよ、機械化部隊だけでも友軍戦線にたどり着ければ
馬鹿にならない戦力ですし、機械化部隊が脱出できないなら
歩兵部隊だって脱出できないはずなので、第六軍の戦力を救出するという
観点からは最有力候補であることは間違いないでしょう。

2)案。兵員を出来るだけ多く脱出させるのならこの案を推したいところです。
たとえ戦力としての第六軍は脱出できなかったとしても、
コルスン包囲陣よろしく、いくらかの兵員は脱出できるでしょう。
問題は、脱出作戦が始まっている最中に(この時点で脱出方向が分かる)
救援部隊が第六軍の所までたどり着けるかどうかです。

史実ではまず救出部隊が攻撃に出て、その後第六軍が脱出する手はずでした。
その手順を逆にしただけの作戦が本当に成功するのかどうか?
この作戦がうまくいくようなら、史実で霹靂が発動されても
やはり脱出できたのではないか?

私は、どちらの場合でも、パウル・カレルの書く
コルスン戦のような結末になるだろうと思ってます。

3)All or Nothingの勝負をやるならこれで決まりです。
成功すればロストフへ向けて突き進むソ連軍の背後に
第六軍の拳骨を振り下ろすことが出来ます。
でも、失敗すればA軍集団B軍集団双方が壊滅です。

成功する可能性も高いとは思えませんが、
ヒトラーの要求を満たしうる作戦を立てるとしたらこれぐらいしか思いつきません。

こんな所でしょうか。
奇策としては空軍を総動員して空から計画的に兵員を脱出させる、とか
捕虜交換を申し入れて第六軍を”交渉で”すくいだす、なんてのも思いつきますけど、
ここまでやるとファンタジーの世界でしょうね。


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