タイトル | : Re^3: ドイツ第6軍は救えたか |
投稿日 | : 2004/12/28(Tue) 22:04 |
投稿者 | : ウィリー |
参照先 | : http://homepage3.nifty.com/minea/ |
こんばんは、山崎さん。
これから触れない点については同意ということで、
異論を2点ほど。
第1案と第2案について。
突破部隊が歩兵のみである場合、
十分な衝撃力を持ちうるかどうかが問題として横たわります。
一個軍団相当(機械化3個師団程度)を陣内に残しておく方が
実際に脱出作戦を開始する場合には心丈夫でしょう。
少なくとも一個装甲師団相当の戦力はさほど無理せずに
包囲陣外に脱出できたようですから、
この場合第1案の難点の一つ(損害を受けずに脱出できるか)は
一個軍団相当なら脱出可能、という結論にはなりそうです。
もう一点。
第三案は「敵がこちらの想定通りに動いてくれる」ことが大前提です。
”ドイツ軍は第六軍の救出を放棄、ロストフを経由して速やかに
ドネツ河防衛線まで後退、ハリコフとスターリノの維持に全力を注ぐ”と
ソ連軍が想定し、それを阻止するために放棄された第六軍は無視して
ロストフ攻略にほぼ全力を投入して背後ががら空きになっている。
…欺騙活動でこういう状況を作り出し、かつ、ソ連軍がロストフへ向かう
進撃速度よりスターリングラードからロストフへ突進する
ドイツ軍の方が足が速い。
あるいは第六軍救出作戦開始に驚いてロストフ攻撃部隊を呼び返すぐらいに
ソ連軍が周到狼狽してくれる。
ここまで虫のいい想定をしなければ決して成り立ちません。
第3次ハリコフ戦では本当にこういう虫のいい状況が成立しましたが、
これはスターリングラードでの圧勝の結果でしょうから、
まじめに考えると、スターリングラード戦の前に
ここまでソ連軍が調子に乗ってくれる、と想定するには無理があるでしょう。
しかし、ヒトラーの要求通り、スターリングラードを保持しろと言われたら、
これぐらいの無茶が通らなければ手の施しようがない、とは言えると考えてます。