History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re: 特論;戦場に連れて行かれた人達
投稿日: 2005/09/14(Wed) 18:44
投稿者ごちょう

詳細な解説ありがとうございます。勉強になります。

ちなみに小生は藤木久志1995年『雑兵たちの戦場』同著1997
年『戦国の村を行く』は目を通して見ました。

>a軍役内人員(a1戦闘員:a2非戦闘員)+b軍役外人員(b
>1戦闘員:b2陣夫)

モデルとしては妥当だと思います。確かに小生の「戦闘員」
の定義もa1+b1と定義できるでしょう。

ただ「軍役」と言う概念の捉え方は小生とは異なりますね。
問題は郷村徴用に依存しているであろうbの要素を「軍役の
員数外と捉えるべきか?」と言う事になるかと存じます。

小生の解釈はまず「在村給人に対して規定された軍役」が存
在し、その内訳(農民徴用なのか各給人雇用の奉公人等なの
か)としてa1+b1とa2+b2が存在すると考えています。つま
り個々の雇用形態に関しては各在村給人の自主性に任されて
おり、要はa1+b1+a2+b2が「規定の軍役数になっていれば
良い」と考えますね。

確かにbは「郷村徴用による補完部分」ではあるものの、戦
国期においてはaの要素も「村の武力の再組織化」や「他浪
人・牢人など流れ者の奉公人」の存在などから極めて臨時
雇用的で流動性が高く、その点では「郷村からの一時徴用」
とそれ程の違いは無かったとも言えます。また「公方役」と
言った「農民徴用」であっても実態は各郷村の自主判断(村
人から選出するか郷村が独自で人足を雇うか)に任されたて
いたようなので結果としては「村民が雇った流れの奉公人も
しくは陣夫」と言う事なるので、ますますaとbとの差異は無
くなって行く訳ですね。

また個々の給人の「戦争経済における効率性」を考えると結
局の所「ある程度の質が必要となる戦闘員部分(常備雇用に
よって質を維持する)と質を伴わない非戦闘員部分(臨時雇
用もしくは一時徴用でコストを抑える)の再二極化に向かっ
ていった物と考えられます。

そしてその常備雇用部分に関して個々の給人が「一時徴用層
である村の武力から選抜して常備雇用した」か「流れの奉公
人を新規に常備雇用した」かに関してはケースバイケースだ
と思いますね。

逆説的に言うなら「常に100石当たり6人を常備雇用しておく
必要は無い」と言う事になる訳ですので、その分給人の負担
は軽減されます。多分通常は2〜3人を常備雇用し、動員時に
は別途給人持ち出しで追加3〜4人を臨時雇用して規定の軍役
数を間に合わせたのではなかったか?と考えます。

ちなみに「村の武力の再組織化」の点で見るなら「従来の『
aの武士』と『bの農民』が『戦国期に再常設化されたa1+b1
の武士』と『戦国期に再帰農化したa2+b2の農民』として再
二極化されたの事ではなかったか?」と捉える事も出来るで
しょうね。

説明が下手糞で申し訳ないですが、御意見はありますか?


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