タイトル | : Re^2: イタリアの潜水艦の悲劇 |
投稿日 | : 2005/04/16(Sat) 22:53 |
投稿者 | : 山家 |
すっかり、亀レスになりますが。
週末を利用して、本棚を整理していたところ、ダニガン氏とノーフィ氏の共著「第二次世界大戦あんな話こんな話」が出てきて、その中で大西洋戦域に投入された伊潜水艦の活躍が出ていました。
大西洋戦域に投入された伊潜水艦は30隻(内3隻は紅海から駆けつけた)で、135隻、84万2000tの戦果を挙げたとのことです。そして、10隻を喪失しました。ちなみに、大西洋戦域に投入された独潜水艦は約800隻、2640隻、1400万t以上の戦果を挙げています。伊潜水艦が活動したのは1943年以前ですから単純に比較できませんが、1隻当たりの戦果では明らかに伊潜水艦の方が上です。これをもって、伊潜水艦は戦果無しというのは、酷な評価ではないでしょうか。
更に付け加えると、コマンドマガジン3号によると1940年9月以降、ヒトラーはレイダー元帥に毎月9万tの燃料を伊海軍に供給するように命じますが、レイダー元帥は多い時でも月2万t以下、月平均5000tしか伊海軍に供給しませんでした(ちなみにビスマルク級戦艦が未完成の1939年時点で、独海軍は毎月10万tの燃料を訓練のために消費していました)。
そして、ロンメル率いるDAKや地中海戦域で活動するUボートの補給は伊の負担とされていたことを考えると、伊潜水艦の活動の不活発さは、独側にも多大な責任があるように思われます。