History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re^3: 指導者と二次大戦
投稿日: 2005/10/21(Fri) 20:39
投稿者ウィリー

こんばんは、ウィリーです。

ある国が降伏する唯一の理由は
「戦争を続けるよりましだから」というものです。
この点に関して例外はありません。

イギリスと日本の例がもっともわかりやすいでしょう。
イギリスはルフトヴァッフェによってイギリス全土が
完全に破壊されたとしてもまだコモンウェルスが残るのに対して
大日本帝国の方はその後背地をソ連の参戦によって
完全に絶たれてしまったわけです。

逆に言えば、イギリスだってオセアニアとアフリカと
インドとカナダで一斉に反英蜂起が起きれば
降伏した方がましだと判断したでしょうし
大日本帝国も日本海の制海権が維持出来ていて
ソ連が密かに(アメリカの矛先をかわそうとして)
日本へ援助でも送っていれば本土決戦派が優勢だったかもしれません。

同じ事はフランスとソ連にもいえます。
フランスはパリを失ったから降伏したわけでもなければ
ダンケルクで大敗したから降伏したわけでもなく
文字通り全フランスをドイツ軍が蹂躙しそうだったから
降伏したのです。
ソ連だってベーリング海峡までドイツ軍が
押し切りそうだったら降伏したでしょう。
(ドイツの占領統治のあり方を見ていると
 そうなったところで早晩ベトナム化したでしょうが)
どうかんがえてもドイツがウラル山脈を越えてシベリアに
進入するほどの力はありませんし、ソ連はシベリアで
生き残ってさえいれば遅かれ早かれ最後は勝利者として
立ち現れることが出来たであろう(史実の中国のように)ことが
ソ連はモスクワが落ちたぐらいでは降伏しないという判断の基礎なのです。

余談ながら。

ゲーム的なバトル・オブ・ブリテンの勝利条件を決めるなら
単純に「ファイター・コマンドが壊滅したらドイツの勝利」で十分です。
これは、ゲーム的なバルバロッサ作戦の勝利条件を決めるなら
モスクワとレニングラードとロストフが「孤立」しているなら
ドイツの勝利で十分であるのと同様です。
フランス軍や日本軍の勝利条件を決めるなら
敵に痛打を与えていれば勝利でよいでしょう。
この規模のゲームでなら、プレイヤーの役割は
特定の作戦の実行責任者であって、国家指導者ではないのですから。

#国家指導者として考えると、おおよそゲームにならない、というのはあります。
#フランスの国家指導者をプレイするなら
#ソ連との軍事同盟なしにポーランドへ保証を与えないでしょうし
#日中戦争を継続しつつ太平洋に手を出すような無謀な
#日本プレイヤーもいないでしょう。


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