タイトル | : Re^4: 指導者と二次大戦 |
投稿日 | : 2005/10/27(Thu) 19:35 |
投稿者 | : ごちょう |
> 政治的というより心理的といった方がいいのかもしれませ
> んが、どちらかというとそれですね。
ちなみに「国民心理」で見るならドイツのロシア侵攻・日本
の真珠湾攻撃は共に「宣戦布告無視のだまし討ち」と言った
効果を生み出しそれが「徹底抗戦の原動力となった」と言う
見解が支配的ですね。
また「スターリンとルーズベルトに政治利用された」と言う
解釈もありますので「国民心理と政治」は密接な関係にある
とも言えるでしょうね。
そして両作戦共にに「軍事的には成功だが政治的には失敗し
た」と言う解釈もありますね。
> こういう場合は時間軸のことも考えないといけないと思い
> ます。例えば戦争末期の日本軍機とアメリカ軍機の性能差
> で戦略爆撃だけ10年も続けられれば降伏するかもしれま
> せん。
> 戦略爆撃がなければ昭和20年8月15日に戦争は終わら
> なかったと感じます。
なるほど「時間」と言う要素は興味深いですね。盲点でした。
つまりアメリカとって既に「日本の降伏」が問題では無く「
どうすればソ連の対日参戦前に日本を降伏できるか?」が問
題だった訳ですね。
水面下では既にソ連とアメリカの「その後の冷戦繋がる確執」
は起こりつつありましたから、戦後の日本の占領処理もアメ
リカは視野に入っていましたね。
仮にソ連の対日参戦が「10年後」だったなら、アメリカは他
の「より軍事的・政治的にリスクの低い手段も選択できた」
と言う考え方ですね。
そしてその場合「多少時間は掛かったがその分アメリカのグ
ランドデザインにとって安全で確実な手法が取れる」と言う
考え方でもありますね。
確かに当時のアメリカにとって「日本降伏まで10年掛かる」
は「永遠」と大差なかったでしょう。
そして時間も「有限」ですから仮にアメリカの対日降伏期限
が「ソ連の対日参戦前」と言う事であればドイツ降伏後、ア
メリカにはそれ程「時間が無い」と言う判断になります。つ
まりアメリカは「昭和20年8月上旬にはソ連は対日参戦する
だろう」と分かっていたため「アメリカは早期に日本を無条
件降伏させたかった」と言う判断ですね。
もちろん「原爆投下を選択しなかったリスク」もありますの
で、その場合は「日本の無条件降伏が遅れ、ソ連が日本へ本
格侵攻する」とか「早期降伏の為に降伏条件を引き下げる」
などの「リスク」が伴うでしょうね。
つまりアメリカは「そのリスクよりは原爆投下のリスクとコ
ストの方が低い」と判断した訳ですね。
そして「昭和20年8月」と言う日程は「崩せない」以上「そ
れ以外のリスク」の中で「原爆投下」と言う判断となったの
でしょう。
これは現代のM&A的に考えるなら「時間と他の要素(金銭など
)とのトレードオフ」とか「時間を買う」と言った事と似て
いますね。つまりアメリカは「原爆投下と言うリスクとコス
トで日本の早期降伏までの時間を買った」と言う感覚に近い
ものがありますね。
同様にアメリカは「レンドリース」でアメリカの戦争準備の
「時間を買った」とも言える訳で、その点でも「時間」と言
う概念は興味深いですね。
> それ、面白そうですね。誰か作ってくれませんかねぇ。少
> なくとも一つは私に売れます。
そうですね。もし作る方がいたら小生も嬉しいですね。