History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re^6: 指導者と二次大戦
投稿日: 2005/10/28(Fri) 13:05
投稿者ごちょう

> もし、国家指導者の定義を「国を実効的に代表している人」
> の意味にとるのであれば、国家指導者が降伏しないかぎり
> 決して国家は降伏しませんし、国家指導者が降伏すればか
> らなず国は降伏します。これは、国家指導者の定義からし
> てあきらかです。

もちろん、小生も「国家指導者の資質と言う要素は決して無
視出来ない。むしろかなり大きいと言える」と考えています。

そしてその流動的な政治的要素をシミュレーションゲーム的
に考えて当てはめると「独ソ戦ような戦略作戦級のシステム
では『スターリン降伏チェック』ような不確定要素を加味し
たらどうか?」とも考えてもいる訳です。

つまり「軍事的に幾ら有効でも政治的に著しく不利になるよ
うな作戦は出来ない」として所謂「ドイツの電撃戦を予想し
た作戦」などゲーム的作戦をした場合「政治的要素を無視し
為、降伏チェックの判定にペナルティーを課すと言うシステ
ムも有効でリアルでは無いか?」と考えたりもする訳です。

そしてあまりにも政治的影響を考えない「ゲーム的戦略」で
は「スモレンスク陥落でもかなりの確率でソ連は降伏する」
といった判定にすれば「そのリスク」を受け入れてまで「ゲ
ーム的戦略」に没頭するプレイヤーもいなくなるでしょう。

つまりあまりにも「軍事的要素」のみで「勝利条件」を考え
ているのではないかと?

そして結論が「わからん」なら「各段階でダイスチェック」
と言った「流動的な政治的判断を反映した確率的勝利判定」
の方がよりリアルだと考えたのです。

> スターリンはドイツが攻撃を加えてきた時には完全に戦意
> を喪失し二週間後、ハルダーが「ソ連は軍事的に崩壊した」
> と判断した時に戦意を取り戻して戦争指導を開始しました。
> 野戦軍の撃滅とスターリンの戦意の喪失とに相関関係はな
> かったわけです。なぜそうなったのか?

まあ原因を究明することは難しいですね。恐らく「不可能」
でしょう。

仮に原因というならば、それは小生は「運」だと考えますね。
もちろん「スターリンの気まぐれ」だったのかも知れないし、
ゾルゲの報告で「シベリアから軍を引き抜けた」からかも知
れない。工場のシベリア疎開が「予想以上の成果上げた」の
かも知れないし、アメリカが「破格のレンドリースの提供」
をしたからかも知れない。

そして、ひょっとしたらジェーコフの「レニングラードとモ
スクワのスターリングラードは絶対に守る」と進退を賭けて
説得したからと言う解釈もあり得ますね。(まあまずありそ
うも無いが)。

ただモスクワ戦に関してスターリンもかなり弱気になってい
たようでレニングラードから引き抜いたジェーコフに「本当
にモスクワは守れるか?」と打診していますね。

もしこの時ジェーコフが「守りきれる自信は無い」と発言し
たらスターリンは「他の選択肢(降伏など)を考えた」であ
ろう事は十分推測できるでしょうね。そして「降伏と言う選
択をした」可能性は十分にあると考えれられます。

ですので、もし独ソ戦緒戦段階でジェーコフが「ソ連は軍事
的に崩壊した」とスターリンに直訴したとしたら、独ソ戦は
「ドイツの勝利」で終わっていた可能性もありますね。

少なくともドイツ軍首脳が「そう判断した」くらいですから
ロシアとしても「追い込まれていた」事は確実です。従って
可能性は「ゼロ」では無いでしょう。

そして、それらをいくら列挙したとしても「可能性の一つ」
に過ぎないし、決定打ともなりません。そう言う意味では複
合的で最終的にはスターリンが「まだ負けていないと思い直
した」と言う結論が妥当となります。しかしこれも「スター
リンの頑固さ」と言う事なら「もしスターリンが軟弱ならヒ
トラーに屈していた」と言う事になるので、まさしく「運」
だったと思いますね。

要は「ロシア降伏チェックでドイツ軍はついてなかった」と
言うのが正直な小生の結論ですね。モスクワ進撃まで「ドイ
ツ軍が優勢」と判断してもそれ程おかしくは無いと思います
が。

逆にフランス戦は「ドイツ軍はツイていた」と考えています
ね。「降伏チェック等のサイの目が良かった」のでしょう。

その点ではウィリーさんへの結論は「わからん」と言う事に
なってしまうと思いますね。

ただそれが「結論ではない」にも関わらず思考を終了して「
結論と断定してしまう」よりは遥かにマシだと考えています。

だから考えるし、ここに書いているのですね。


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