タイトル | : Re^2: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか |
投稿日 | : 2004/06/28(Mon) 16:10 |
投稿者 | : ゲンガー |
たびたびお邪魔いたします。ゲンガーです。
お二方からレスを頂きましてありがとうございます。本来なら頂いた個々のレスに対して返事を差し上げるべきなのですが、それは省かせていただいて新たにご意見をお聞かせください。対象は枢軸軍の地中海での戦いです。
ひとつは、マルタ島・英地中海艦隊に対する航空攻撃が枢軸軍輸送船団への英軍の攻撃力をそぎ落とし、間接的に輸送船団護衛を果たすか否か。二つ目は、もし陸上航空隊によって輸送船団の直掩を行おうとした場合それがどの程度容易なものなのか。最後は潜水艦に対する対応です。
1941年はじめ、地中海に進出した独空軍は英地中海艦隊やマルタ島に空爆を加え一時マルタ島の機能は停止寸前まで行きました。この時の北アフリカへの補給は順調だったので、山家さんがご指摘するとおり、少なくとも地中海ではシシリーやギリシャ、クレタなどを押さえれば英艦隊も含め、輸送船団への脅威は強力な陸上航空部隊で排除できそうです。史実はご存知の通り、バルバロッサによりシシリーの独空軍が引き抜かれたのでマルタは息を吹き返しました。もし、伊空軍が独空軍並みの戦闘力を持っていたら、バルバロッサの影響を受けずにそのままマルタへの圧力を加え続けることができ、完全制圧できたかもしれません。そういう意味では、海軍の空母より空軍の増強を、という主張もうなずけるものがあります。ところで、この時もしマルタが史実よりもう少ししぶとかったら、英艦隊の空母戦力が増強されていたとしたら、どうなったのでしょう。マルタ・英艦隊への攻撃を一の矢としたら、二の矢として船団直掩機を用意しなくても本当にいいのか。いかがお考えでしょうか。私は根が小心者ですので必要と思っています。
次に船団直掩機が必要として、それを陸上航空機で運営するのがどれほど容易なことなのか。この場合、英仏海峡突破と異なり、時間とともに空軍基地から離れていき、中間地点を過ぎると反対側の基地が護衛の任を受け継ぐ。こんな感じでしょう。CR42の航続距離は780Km、最大速度は430Km/h、片道300Kmを行動限界として(差の180Km分が空戦分)巡航速度300Km/hとすると出発後1時間で到着、空戦時間(これの推測が難しいのですが)を15分とします。入れ替え時のダブりを考えて10分間隔で直掩隊を発進させるとします。2時間15分で帰ってきますが当然休息が必要でしょうから、きりのいいところで4時間毎に出撃としますと一日3回の出撃となります。するとこの4時間分の部隊を確保すればよいことになります。10分刻みの出撃ですので24部隊(4時間X60分÷10分)、1部隊10機とすれば240機、これがイタリア側と北アフリカ側に必要になるので計480機。戦闘や事故による喪失等を考えると補充を含め600機くらいは必要になるのでしょうか。でもこれ燃料タンクを打ち抜かれたらもうヤバイですね。あと、航法に問題はないのでしょうか。洋上から無駄なく基地に帰れるくらいの技能がないと損失が大きくなります。先導機をつければよいかもしれませんが、先導機がやられたらどうしましょう。また日没まで護衛・日の出すぐから護衛する場合、基地への離着陸は闇の中で行わなければなりません。特に日没まで護衛した部隊は帰途の途中から闇の中です。私の感じはこれはやめておいたほうがいいのではないか、です。
最後に潜水艦への対応です。史実でも、相当数がマルタを根拠地にする英潜水艦によって沈められています。これに対処するのに陸上航空機・護衛艦・護衛空母のうちどれが一番最適でしょう。ハンターキラーの例にもあるように、航空機と護衛艦のバランスが大事です。護衛艦も必要ですが航空機も欠かせません。陸上機に対潜任務を任せようとすると、上の直掩機ほど数は必要ないでしょうが相当数の航空機が必要になるのではないでしょうか。
長くなりましたが、私の考えは一の矢として空軍の増強が効果ありますが、二の矢として船団直掩・対潜水艦戦力としての護衛空母必要であると思います。史実でも一の矢が頓挫して二の矢がなかったので北アフリカへの補給が崩壊したように思えます。
長文、失礼しました。