History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re^12: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか
投稿日: 2004/07/04(Sun) 23:19
投稿者山家

 どこにつなぐか迷いましたが、ここにもレスしておこうと思います。

 風間さまとゲンガーさまの論争を拝見していて、私の主張が全くの説明不足で誤解を与えていたことに気付きました。

 私としては、WWU当時の欧州海軍が保有している空母は、精々1隻か2隻で、合計の艦上機は100機にも満たないという前提で、ずっと考えてきました。更に空母に搭載しているのは海軍航空隊で、それ以外の海軍航空隊は、対潜哨戒用の飛行艇か大型陸上機、それに水上艦に搭載する水上機程度ということで考えてきました。

 1回の戦闘でいえば、空母を保有した方が有利です。しかし、戦争は基本的に1回の戦闘で終了するものではありません。戦闘が何回も行われるものです。あれだけ大規模な海軍航空隊を保有していた日本海軍でも、珊瑚海海戦後のミッドウェー海戦に瑞鶴への搭載機(搭乗員を含む)の補充が間に合わない、ろ号作戦の消耗により半年後のマリアナ沖海戦での搭乗員が練度不足等々、搭載機と搭乗員の確保に悩んでいます。米国でも大規模な海軍航空隊が存在しましたが、搭乗員養成のために外輪式の空母をわざわざ建造(改装だったかもしれません)しています。1回の戦闘が終わり、搭載機(及び搭乗員)が消耗した場合、欧州諸国の空母は補充をどうするのでしょうか。空軍から人員を派遣してもらうのでしょうか。空軍がそれにどこまで応じてくれるでしょうか、それに空母からの発着艦訓練は意外と大変なものです。そして、搭載機が無くなった空母は戦力として役に立たなくなります。

 それで、やむなく空軍による敵航空基地攻撃の方が有用と判断したのです。これにより、少なくとも味方の輸送船団等を襲う攻撃隊の規模を小さくさせることはできるからです。それに、ソロモン諸島での航空戦を調べる限り、複数の基地から発進した航空隊が集合して100機以上で攻撃を行った例もあります。防空用の戦闘機のみを搭載させても1隻の空母に搭載できるのは精々80機程度、常時滞空できるのはその半分以下、これでは所詮防空に徹しても攻撃隊を阻止するのは無理と判断しました。それならば、上記に書いた理由もあり、空軍で敵航空基地を攻撃する、攻勢防御が最善と判断しました。


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