タイトル | : Re^15: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか |
投稿日 | : 2004/07/10(Sat) 23:09 |
投稿者 | : 山家 |
最近、いろいろとあって心身が消耗しており、すっかりレスが遅くなりました。本来なら、もっと多数の書籍等を当たって、きちんとした返事を書くべきなのですが、手持ちの「ラバウル海軍航空隊」とネット情報のみでのレスで失礼します。また、ウィリーさまにもきちんとした御返事をせねばならないのですが、心身の不調により、ここのみのレスに今日はさせて下さい。ウィリーさまのお怒りをますます買いそうですが、どうかお許しくださるように伏してお願いします。
まず、海上通商(輸送)路の維持ですが、空母の搭載機が消耗したから、といって、商船(輸送船)の運航を止めることができるでしょうか。商船の運航を維持するために、商船団を編成して、空母と護衛駆逐艦戦隊で護衛せねばなりません。そのためにどれだけの護衛空母と艦載機が必要でしょうか。
例えば、ダンピールの悲劇の時には、3月3日の第一次攻撃に85機の米陸軍機が襲い掛かっています。当時41機の零戦が上空警戒に当たっていましたが、高度選択のミス等もあり、輸送船7隻、駆逐艦4隻が沈没し、輸送船団は全滅しています。
これは最悪の戦訓の1つですが、これから考える限り、戦闘機30機程度を搭載した護衛空母1隻では、せめて電探と常時効果的な防空システムを構築していない限り、敵基地航空隊の空襲を阻止できないと思われてなりません。
確かに迎撃に徹すれば、戦闘機と搭乗員の消耗は、長距離攻撃する場合より、少なくて済みます。しかし、航空攻撃に対し、迎撃を効率的に成功させるには、上述のように、電探とそれを有効に活用できるシステムが必要不可欠です。あれだけの歴史と規模を誇る米海軍でもそれが構築できたのは、1944年頃ではないでしょうか。いつ来襲するか分からない敵機の存在、そして、迎撃が成功するかは確実ではない、これらを勘案すれば、攻撃は最大の防御(少なくとも戦術的なイニシャチブはこちらで握れます)として、空軍による敵基地先制攻撃の方がまだましではないか、と私は考えるのです。空母の搭載機が消耗したから、といって、北アフリカへの輸送船の運航を止めるわけにはいかないのですから。
風間様の御疑問についてですが、ガダルカナルの敵輸送船団の攻撃を、ラバウルの陸攻がブカの零戦と合流して100機規模で行った例をネットで見た覚えがあるのですが、「ラバウル航空隊」によると、ラバウルの陸攻がラエの零戦と合流してポートモレスビーを昭和17年5月14日に空襲したり、ラバウルの陸攻がブカの零戦と合流してガダルカナルを昭和17年8月29日に空襲したりした例が複数あるのみで、規模も総数3,40機程度のようですので、記憶違いによる書き込みをしたようです。本当にすみませんでした。