タイトル | : Re^2: 欧州海軍はいかなる任務を果たすべきか |
投稿日 | : 2004/07/03(Sat) 16:39 |
投稿者 | : ウィリー |
参照先 | : http://homepage3.nifty.com/minea/ |
遅くなりました。
多分、この問いにだけ答えればすべてに答えたことになるでしょう。
> 逆にお伺いします。空軍は、海軍にとって脅威ではないのでしょうか。制空権なくして、制海権なし、ということは、空軍は海軍にとって脅威の存在だと思います。まともな海軍航空隊を整備する位なら、空軍を整備して、海軍と空軍の連携を高めたほうが効率的ではないでしょうか。わたしは、まともな海軍航空隊を整備するくらいなら、空軍を整備した方が効率的だと思います。水上艦隊を空母の艦載機で直接護衛するより、敵の航空基地や空母を叩くことで、制空権を確保した方が効率的だと考えます。
空軍は海軍にとって脅威です。
しかも、これは、二重の意味で脅威になります。
第一に敵空軍が脅威になります。
制空権がなければまともな索敵が出来ず
まともな索敵が出来なければこちらは有効な攻撃が出来ないのに
敵は望むとき望む場所で望む手段を用いて攻撃できます。
それだけでも圧倒的に不利になります。
おまけに航空機は雷撃可能な距離まで
「あっ」っという間に間合いを詰めてきます。
(鈍足ソードフィッシュですら90kt.世界最高速の駆逐艦の2倍速いのです)
それだけでも十分に脅威になります。
が、海軍にとっての脅威は反対側からもやってきます。
自国空軍もまた海軍にとっては強大な敵になります。
自国空軍に依存する度合いが増せば増すだけ
海軍の存在意義が低下するのです。
沿岸防御だけなら強力な陸上航空隊だけで十分可能であることは
ノルウェーキャンペーンで立証されてしまいました。
渡洋作戦ですら十分な航空戦力があれば
敵海軍が圧倒的戦力を持っていても
可能であることもまたクレタ島で証明されてしまいました。
となると海軍に必要なことはせいぜい夜間に敵を追い払う能力ぐらいですが、
その程度なら夜戦専門の水雷戦隊と潜水艦で十分間に合うのです。
それはつまり、海軍が空軍の補助戦力に成り下がる、という事と同義です。
だから私は最初に「誰にとっての」と言って聞いたんです。
よし強力な空軍による沿岸防御が望ましいものだったとしても、
それが採用されることは海軍にとって死刑宣告同然です。
だから、「海軍に」という前提条件を入れれば
まともな海軍航空隊か空母かが絶対に必要です。
第一、空軍は独自の判断で「船という船をみな沈める」ような戦い方をするほうが
海軍と協力しながら戦うよりよほど戦いやすいのは事実です。
それでは空軍と海軍の協力が成立する余地がないではありませんか。
さて、私は質問に答えました。
山家さんも質問に答える気になってくれるとよいのですが。