タイトル | : Re^5: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。 |
投稿日 | : 2004/06/05(Sat) 12:44 |
投稿者 | : 風間祐一 |
どうも風間です。
山家さん、こんばんわ。
> 費用対効果の点で、空母の整備の方が空軍力を拡充させるより効果的なのか、きちんと考えるべきだ、と思うのです。
海軍と空軍、どちらが費用対効果が高いかということですか?
全然話題が違ってきていませんか?
私が空軍、海軍の縄張り争いについて
> これにいたっては所詮決め事に過ぎません。端的に言い切ってしまえば、決断一つの問題です。
と言ったのは、海軍に航空機を運用させれば良いと言う意味です。
私の念頭には、日米海軍のことがあり、空母に搭載される航空機は当然海軍の所属との意識があったため、そこまで説明しませんでした。
> そうした問題点を考えると、海軍独自の航空隊を海軍が保有して空母に配備した方が、空軍機を空母に配備するよりも、ベターではないでしょうか。
その通りだと思います。
うーむ、山家さんの意見は欧州海軍には、「空軍機搭載の」空母は不要と言う意味だったのでしょうか?それは一理ありそうですね(笑)。
> まず、3,4をまとめて考えますが、ワシントン条約体制の中では、仏伊が認められていた空母のトン数は、英米日よりはるかに劣っており、独に至っては空母の保有すら認められていませんでした。そうした前提で考えるならば、仏伊にしてみれば、1隻試験的に建造・運用するのなら、ともかく、制限された空母(とその艦載機)を優先して整備する必然性があるでしょうか。それくらいなら、制限の無い空軍をより充実させることで、制空権の確保を図る方が、より費用対効果の面でより効果的だ、と考えたのですが、いかがでしょうか。条約により、そもそも空母の数の揃えようが無いのです。
私は、欧州海軍における空母の役割は艦隊主力とは考えていません。その役割は防空と索敵です。そうであれば太平洋で言う軽空母でもそれなりに使えますし、艦隊全体の規模が小さいので、そんなに隻数も必要ないでしょう。
> 次に1,2を考えますが、航空攻撃の威力についてですが、後から言えば、確かに大きなものがありました。しかし、1930年代にそこまで大きな威力があると考えられていたのか、と思うのです。先に書きましたが、当時、陸上機で、対艦攻撃を第一に考慮して開発・整備されたのは、日本海軍の陸上攻撃機くらいです。その当時、航空機の対艦攻撃が効果的と認識されていたのなら、もう少し、対艦攻撃を優先して開発・整備された陸上機があった、と考えるのですが。1についても、チャンネル・ダッシュのように陸上機の航空支援が効果的だった事例もあります。史実でも、全く役に立たなかったわけではありません。私としては、当時、航空攻撃の威力を欧州諸国の海軍は重大視していなかったし、当時の認識からすると、それは誤っていたとはいえないと思うのです。
航空機の対艦攻撃力についても私はそんなに高く評価しているわけではありません。単に爆弾が数発命中すれば、その艦はドック入りを余儀なくされるわけで、それで充分だろうと考えているだけです。撃沈することまでは望んでいません。
山家さんが言う対艦攻撃とはおそらく雷撃のこと言っているのだと思いますが、雷撃は対艦攻撃にしか使い道がないので、対地攻撃にも有効な急降下爆撃機を整備する方が費用対効果が優れていると思います。撃沈まで望まず、損傷させれば充分と考えればそうなります。航空魚雷の開発は大変ですしね。
それから、欧州海軍が航空攻撃を軽視していたとはとても思えません。30年代に建造された艦艇の対空砲の装備数は欧州艦の方が日米よりも強力なのです。
> 5については、同じことの繰り返しになるので、手短にしますが、空母の戦力整備よりも、陸上基地の航空機整備の方が戦闘の際の抗戦継続によいと思うということです。
陸上機で艦隊支援ができるのならば、確かに空母は要らないのですが、それが史実では、できていないから必要だったと思うのです。陸上機が艦隊支援をうまくできない理由を挙げるのは簡単ですが、それは空母が不要な理由を探すのと同じであまり意味があるとも思えないので、史実でできていないことだけを理由に挙げておきます。
> 確かに、不要というのは言いすぎですが、空母の整備を1930年代の欧州諸国の海軍が後回しにしたのは、決して誤った考えとはいえないと思います。
私もそう思います。だから、
> 後方の官僚や政治家の視点では、主に予算の制約から優先順位をつけなくてはならず、その際に山家さんが挙げるような理由で後回しにされるのです。しかし、それは不要というのとはまた違う気がします。
と述べました。
最後に脱線話について。
> 超甲巡について、あるのとないのとだったら、ある方がいい、のは間違いありません。
そうでしょうか?私は超甲巡はない方が良いです。
> しかし、超甲巡を造るのだったら、他の軍艦を造った方がいいのです。
このように言えてしまうと言うこと自体が不要なことを示していると思います。
超甲巡の役割は高速戦艦でも複数の巡洋艦でもこなすことができます。つまり無くても困らないのです。無くても困らないものに戦艦並みの予算を消費するのはあまりにももったいない。他でその役割を肩代わりできるのなら、その兵器は不要だと思います。
以上です。