History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re^9: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。
投稿日: 2004/06/07(Mon) 20:30
投稿者ウィリー
参照先http://homepage3.nifty.com/minea/

私も山家さんにRESつけていく形で議論を進めたいと思います。

>確かに、私もその有用性は認めますが、平時の予算の縛りを考えると所詮は高嶺の花で、無理して整備するまでの必要を私は覚えません。

おそらく、30年代の欧州海軍軍人も全く同じように考えたのだろうと思います。
大陸国家でわざわざ海軍に入ろうというからには
進取の風に欠ける訳でもないでしょうし、
まして理性や知性に欠ける訳ではないでしょう。

理論的には陸上機で十分だったはずだったのです。
ただ、現実には、空軍は海軍への支援に消極的であるばかりか、
たとえ協力してくれたところでへまばかりだったのです。

>  これには同意しますが、先の私の書き込みは、例えば伊海軍が空母を保有し、単葉艦上攻撃機を保有していても、英海軍はソードフィシュで満足していただろうか、ということを述べたかったのです。

CR42は複葉機です。バトル・オブ・ブリテンに参加した時には
当たり前のようにぼろぼろにやられました。
He51も複葉機、スペインの空でE−16(アイ・エルだと何を書いたかわけわからなくなるのでEにしました)
相手に負けまくっていた戦闘機です。
こんなのが相手なら全金属単葉の戦闘機フルマーで上等と考えてもおかしくありません。
(カタログスペックだけ言えばフルマーの方が強そうに見えるほどです)

複葉機を選んだのは、まず空母からの離発着の訓練のために
着陸距離の短い飛行機が必要だったろうという考えから。
実験用空母ですから、搭乗員の初等訓練も同じ空母を使うしかないのです。

>  確かに、欧州海軍が1,2隻の空母を保有していた場合、それを目的とするでしょう。しかし、欧州海軍の場合は、索敵機は大型陸上機と水上機の組み合わせで対応できます。

これは、十分に有力な海軍航空隊が大型陸上機と
水上機を保有していたのであれば、
という前提でしか成り立ちません。
あるいは彩雲のような高速で航続距離の長い偵察機を
海軍独自に運用できるのでなければなりません。

まともな海軍航空隊とその海軍航空隊が使える飛行場を作るのに
必要な費用と突破すべきお役所仕事の壁を考えると、
まだしも空母作っていた方がましだったように思えます。
どれほど使い道がなくても、飛行機運搬船としてなら使えるのですから、
空母建造それ自体は空軍もあまり無碍にはしないでしょう。
(日本陸軍だって空母を持っていたぐらいです。…飛行機運搬用に)

>それに、1930年代において、戦闘機無用論が公然と世界各国で唱えられており、源田大佐ですら、それに賛成していたことを考えると、欧州海軍にとっては、中々取りがたい選択だと思います。

航空優勢は、まず一方的な航空偵察が可能であることでその効果を得られます。
偵察機を敵地に飛ばし、敵の偵察機は進入させない能力を持つ側は
情報戦で圧倒的な優位に立てます。
刻々と変化する戦場では、情報を一分でも早く入手すれば
それだけ敵に対して優位に立てます。
もちろん無電封鎖を守って活動できる側はそれだけ優位に立てます。

全部陸上機より艦載機の方が得意な分野です。
従って、空母を保有する側は保有しない側より、
索敵能力だけでも優位に立てます。
第一、戦闘機無用論は爆撃機が戦闘機より高速で飛べるからこその主張であって、
フロート付きの水上機が相手なら30年代の戦闘機だって
楽に勝てる相手だったのは確実です。

やはり、高速で飛べる索敵機が運用できる船がある方が有利です。
そして、そんな船は飛行機を飛ばす専門の能力のある空母以外にはないのです。
よし戦闘機が空母に不要でも、索敵機を搭載することは必要だったでしょう。

まあ、相手にも戦闘機がない場所で運用するから敵戦闘機は考えないとしましょう。
それでもなお、索敵の事を考えるならば、
利根級のような航空巡洋艦は作っておくべきだったのです。
そして、それすら怠った欧州海軍の思想は
30年代の基準に照らしてすら間違いだったと思われます。


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