タイトル | : Re^13: 欧州諸国の海軍に空母は必要か。 |
投稿日 | : 2004/06/14(Mon) 20:43 |
投稿者 | : ウィリー |
参照先 | : http://homepage3.nifty.com/minea/ |
申し訳ありませんが、考え方そのものに根元的な難点がありそうです。
>本スレッドの場合、192,30年代に欧州諸国の海軍が空母を建造すべきだったか、そして、それによって、WWUにどのような影響があったか、ということで、私は考えていくべきだと思います。
これは、むしろ次のようにまとめるべきでしょう。
・戦間期に欧州海軍が空母を保有していた時のWWIIへの影響はどうであったか。
その予測結果が史実よりよくなる、であれば保有すべきであったのであり
史実より悪くなる、少なくとも良くはならない、であれば保有すべきではないのです。
が、このときの「影響」というときに、
> そして、結果論で論じるにしても、その効果は個々の海戦で論じるべきではなく、戦争全体から論じるべきだと思います。
戦争の帰趨そのものを論じるのなら兵器の有無を論じても意味がありません。
戦争全体の流れぐらいに大きな物を扱うときには兵器の優劣は
ドクトリンの優劣の中に埋没してしまいます。
このスケールで問いを立てるつもりならむしろ次のように考えねばなりません。
・欧州海軍はいかなるドクトリンを採用すべきであったのか。
そして、このときの制約要因として「予算は史実通り」というのであれば
各国海軍ともあまり選択肢が多くはありません。
つまり、ドイツ海軍の場合なら「U−Boatと軽水上艦による通商破壊戦」よりも
優れたドクトリンがあったのか?を考える必要があります。
空母が必要かどうか以前に水上艦が必要かどうかがまず問題です。
ソ連海軍やイタリア海軍なら「とにかく訓練」としか言いようがありません。
史実の情けない戦いぶりの主要な原因は訓練不足と言って差し支えないでしょう。
空母があってもなくてもあの未熟ぶりではお話にならないのです。
フランス海軍に至っては「WWIIの帰趨には、いてもいなくても同じ」です。
ベアルンの代わりにタイムスリップで原子力空母シャルル・ドゴールを
付け加えたところでフランス崩壊を食い止める役には立たないでしょう。
#ドイツへの核攻撃が可能なら話は全く別ですが。
結論を言います。
戦争の全体の流れを云々するのなら、
兵器の優劣などで左右されるものではない、というのが答えになります。
ゲーマー的な表現をすれば、オペレーション級以下のスケールになって初めて
特定の兵器の有無を論じることに意味が出てきます。
キャンペーン級以上のスケールでは兵器以外の要素が
圧倒的に重要になってくるので論じること自体あまり意味がないのです。
#ガダルカナルキャンペーン。米軍にレーダーがなければ日本が勝ったのか?
#そう考えていけば自ずと答えは明らかでしょう。