History Quest「戦史会議室」
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タイトル Re: 「36年戦争」の場合
投稿日: 2005/02/07(Mon) 20:23
投稿者WalkingAircraftcarrier

皆さん、こんにちは。自己レスです。

> 1.36年の際、ガムランが仏政府に勧告した内容は、正確に引用すると、「作戦行動はいかに限られたものであろうとも、不測の危険を伴い、総動員を下さないでは(つまり、平時編成のままでは)実施できない」というものでした。これは純然たる軍事的観点からの弱気発言だと、私は思います。
>
> なお、もし独仏開戦となれば、この段階ならいくらなんでも仏圧勝で、ガムランの尻込みは(後知恵ですが)弱気すぎ、と思います。

と、前回の投稿のときには考えていたのですが、その後あれこれ考えたりつつきまわしたりした挙句、意見を変えました。
「総動員しなければ作戦行動はできない」というガムランの意見は、純軍事的観点から当然のものだったと思います。
以下、理由です。

1.36年時点でのドイツ軍の戦力は(装甲3個を含む)40個師団、フランス軍の戦力はこの時点のものはよくわからないのですが、40年の西方戦の時点での本国師団の数は72個(要塞師団5個を含む)です(「失われた勝利」別冊の本郷健さんのメモ)。

2.従って、師団の数だけで比べるとフランス軍圧倒的有利に見えます。しかし、36年時点でのドイツ軍とフランス軍とでは、平時定員/戦時定員の比率(平時定員充足率?というのかどうか知りませんが、仮にそう呼んでおきます)が相当に違うと思われます。
35年に徴兵制を再開したドイツ軍は、軍拡途中にあるうえに訓練ずみの予備の数を急速に増やす必要がありますから、平時の充足率が高いはずです。(35年の徴兵制再開の時点で陸軍の平時定員を50万人とした、と「第三帝国の興亡」にはあります。)
一方のフランス軍はの平時充足率は50%を相当下回っていたと思われます。(フランスより人口が多く師団数の少ない36年当時の日本(常設17個師団)の平時定員充足率が約50%なので、フランス軍はこれよりかなり低いはずです)チャーチルの挙げる数字は……彼は数字をときどきアサッテのほうからひっぱってくるのでイマイチあてにできな
いのですが……36年のフランス軍の本国の平時人員は40万7000人だったと言っています。

3.従って、もしこれらの数字が正しいものなら……おおよそ正しいのだろうと思うのですが……フランス本国軍は平時人員数ではドイツ軍よりも数的に劣勢なので、(ドイツ軍が東部に備えなければならないことを計算にいれたとしても、)フランスは総動員をしなければドイツに対して軍事行動を起こせないというのは当然のことのように思
えます。
もちろん、双方が総動員を行っての軍事衝突になれば、(36年時点では)兵力にまさる上に訓練ずみの予備の豊富なフランス軍が圧倒的に
有利でしょう。

……と思うようになったのですが、どうでしょうか。
皆さんのお考えをお聞かせください。

P.S.
DASREICHさん、私の呼び名はなんでも結構ですよ。特定さえできりゃいいのです。もともと、こんな長ったらしいハンドルネームに決めた私に責任があることなのですから。


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